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レビュー一覧 (204件)
あめんぼうさんの投稿レビュー/東温市立図書館
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141. 少女たちは夜歩く
宇佐美 まこと‖著
実業之日本社 2018.10
あめんぼう さんの評価:
10話からなる短編集。
不思議でちょっと不気味な話が多く、読んでいてそれなりに惹きつけられる。
でも、読み終えた時に何かひとつ足りないな・・・と思う話ばかり・・・と思いきや、中盤のある話からこの短編集の話は全てつながっていたんだと分かる。
そして、つながりの先の話を読んだ時、足りないと思っていた1ピースがピッタリとはまり、きれいに完結した。
薄くて物足りないと思っていた話のどれもがそれぞれ、深みを増したように感じた。
この短編の舞台は愛媛県、松山市・・・と地元の人間なら読んでいてすぐに分かる。
松山城を舞台にしていて、その周辺の東雲神社や女子高校も周辺の様子も、ちょっと違う所もあるけど、ほぼそのまま使われていた。
そして、そこを舞台に登場するのは、
松山城へ続く森で恩師と出会い、恋に落ちる女子高生。
姑の依頼で絵の修復をする修復士の女性。
若い頃の素行により、妻、子供をなくした孤独な老人。
吃音のある子供のことを気にかける保育士の男性。
とある事から夫の浮気を知る主婦。
いなくなった飼猫を探す主婦。
知り合いの男性から一時期、赤ん坊を預かる男性。
高校の美術教師。
彼らが微妙に、共通のキーワードを介してつながっている。
そのつながりが無理がなくて絶妙だった。
人の肩の上にその人の秘密が見えるとか、絵からもうひとつの別の絵が見えてきて、そこに描かれているものが自分に関係しているとか、発想も面白い。
個人的には、なじみのある場所が舞台なので、読んでいて親しみがわいた。
この本では城山に続く登山道は森のように描かれているけど、森というには大げさにしても、そんな風に見えない事もないか・・・と思った。
10話からなる短編集。不思議でちょっと不気味な話が多く、読んでいてそれなりに惹き...
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142. 常設展示室
原田 マハ‖著
新潮社 2018.11
あめんぼう さんの評価:
いくつかの共通点のある6話からなる短編集。
その共通点とは、主人公が女性で、30代、40代くらいだろうということ。
話の中に外国の名前と絵が登場すること。
その絵は、個人的にまるで季語のようだと思った。
話自体はさらっと流して読んでしまうようなものでも、その絵がある事で話を印象深くさせている。
あまり多くを語らなくてもその絵の存在でストーリーを物語っているような気がした。
例えば、最初の「群青」は、そのタイトルの通り、青の時代のピカソの絵が出てくる話で、主人公はメトロポリタン美術館に勤める女性。
彼女は失明しつつあり、弱視の少女と出会い、二人の間にピカソの青い絵が介在する。
というもの。
2話目の「デルフトの眺望」は父親が安心して最期の時を過ごせるような施設を探す姉と弟の話で、いくつかの外国名と共にフェルメールの「デルフトの眺望」が登場する。
4話目「マドンナ」も同じように、ラファエロの「大公の聖母」・・・というように続く。
ひとつひとつの話は印象が薄く、読んで雰囲気を楽しむというものだったけど、何となく絵を使う事で私の中で話が映像化された。
やはり自分の生活に絵のある人生は素敵だと思う。
いつまでも見られる絵がもし、自分の家にあって、その良さを分かる感性を自分がもっていたら、どんなに素敵だろうと思う。
いくつかの共通点のある6話からなる短編集。その共通点とは、主人公が女性で、30代...
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143. 四十歳、未婚出産
垣谷 美雨‖著
幻冬舎 2018.7
あめんぼう さんの評価:
タイトル通り、40歳目前のキャリアウーマンが未婚のまま母親になろうという小説。
父親は彼女の会社の部下で、海外出張の際、その時の雰囲気に流されて一夜だけの関係をもってしまう。
所が、その一夜で妊娠。
彼はだいぶ年下で彼女もいる。
主人公は彼に妊娠の事を告げず、一人で妊娠しようとするが、それに対して親や兄姉、友人、会社の反応はー。
この内容だと結構シビアかな・・・と思うけど、全くそんな事ない。
それは主人公の女性がのんびりした性格であまり緊迫感が感じられないからだと思う。
妊娠した時もそうだし、できてから産む、産まないで死ぬほど悩む事もなくおろせない時期に入ってしまってー。
妊娠する大元になった男性には彼女がいて、だから結婚を望んでない、だから彼には何も言わない。
・・・というのも、潔いようだけど、黙っておけるものかな?と思う。
後で分かった時の衝撃はすごいと思うけど・・・。
さらに、子供ができたら働けなくなるかもしれないし、実際、仕事を辞めなきゃいけないような状況にもなりかけたのに、その時もどこか緊張感がない。
のんびりして明るい性格ともいえるけど、どこかネジが一本抜けてないか?と思った。
男の彼女が性格悪くて、かなり失礼な言動を主人公にしているけど、それに対してキレたりしないのはすごいな・・・と思った。
私なら大激怒してる。
そして、この作者の本はいつも結末はハッピーエンドにおさまるという定番通りの結末。
これはこれで軽く読めていいはいいんだけど、実際はこんなもんじゃないだろうな・・・と思う。
でも、子供を産むという選択は何となく分かる。
40代を目前にして、女性が子供を出産できる体のリミットが迫っている。
お金にかえられないかけがえのないものを得るチャンス(と言ったら感じ悪いけど)を生かしたいという思い。
中々ありえないけど、この主人公の女性のようにお金にある程度目途がついて、周囲も協力的という、子供を産む環境が整っていたら、未婚でも産む選択をする人はいるだろうと思う。
タイトル通り、40歳目前のキャリアウーマンが未婚のまま母親になろうという小説。父...
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(14人)
144. わたしの本の空白は
近藤 史恵‖著
角川春樹事務所 2018.5
あめんぼう さんの評価:
主人公は記憶をなくした主婦。
彼女は階段から落ちてそれが元で記憶を亡くし、病院で目を覚ました。
そこを訪れる夫と名乗る男性、義理の妹。
彼らの口から自分の事を聞かされるも、彼女にはピンとこない。
やがて、退院し、彼らの住む家ー我が家に帰るも、彼女にとってそこは居心地の良い場所ではないし、夫にも愛情を感じない。
その頃、彼女は魅力的な男性の夢を見る。
彼女は夫には感じないトキメキを彼に覚える。
彼は誰なのか。
そもそも自分は何者なのか。
本当にここは自分のいる場所なのかー。
彼女は混乱しながら記憶を徐々に取り戻していく。
読んでいる時はそれなりに面白くひきつけられて読む事ができた。
それは内容が内容だからだと思う。
この彼女は本当はどんな人なんだろう?
そして、本当に彼女の夫と名乗る人は夫なのか。
彼の言う事は本当なのか。
夢の中の男性は誰?
なんて事を思い、謎が解き明かされていくのを楽しみながら読むという感覚で読めたから。
でも、真相はその割には・・・というものだった。
記憶と感情は別ものなんだなと思う。
激しい恋情も、それが思考にとってかわると無意識に自分でストップをかける時がある。
だからって、「こうした方が得だよね」という方にいくには感情が邪魔をしてー。
人を支配したがる女性を通して作者は何を言いたかったんだろう?と思った。
主人公は記憶をなくした主婦。彼女は階段から落ちてそれが元で記憶を亡くし、病院で目...
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(12人)
145. ロンリネス
桐野 夏生‖著
光文社 2018.6
あめんぼう さんの評価:
先に出ていた「ハピネス」の続編。
これを読む前に自分のレビューをちょっと読み返して何となくうっすらと内容を思いだした。
改めて今回、このレビューを書く意義があるな・・・と再確認した。
主人公は離婚歴のある、幼い娘をもつ主婦。
彼女はタワーマンションの住人で、海外赴任していた夫も今は帰国し、親子3人で暮らしている。
前回登場した土屋アンナ似の美人のママ友は他のママ友の夫と不倫関係になり、お互いの家庭はメチャメチャに。
不倫されたママ友は青山でセレクトショップを始めた。
他のママ友二人はその様子を面白がっている様子。
そんな中、主人公は自分の住むタワマンの斜め下の部屋の既婚者の男性に心惹かれていく。
読む前に期待していたせいで、はっきり言って期待外れな内容だった。
主人公の女性が鼻につく。
きどった話し方も、元夫の婚家に置いてきた子供に対する態度も、さっきまで別れると言ったかと思うと恋にうかれた様子になったり、抱かれる、抱かれないでワーワーやっている様子も・・・
とにかく、自分に酔ってると思えて鼻白んだ。
かと言って、彼女が羨ましいからとかいうのでもない。
タワマンに住むとか別に羨ましく思った事ないし、結婚して恋をしているというのも特にいいな・・・と思わない。
彼女の恋する、相手の男はどう見たって不実で計算高い男で癖がある。
何でこんな男に夢中になるかな・・・と思うけど、それが恋の当事者の事か・・・とも思う。
私が読み終えて気になったのはタイトル。
タイトルって、最近、作品について大きなものだと感じている。
だから、この主人公の主婦みたいに、割に経済的に困ってなくて、夫も娘もいる。
そして、仕事もちゃんと見つかり、愛人までいる。
そんな人が「ロンリネス」?
と思うけれど、実はその辺りが深いのかな・・・なんて思ったりもした。
何も考えずにタイトルをつけるという事はないだろうし、私はこの女性を見て、他の登場人物が彼女の事を言うように優しい女性ではなく、むしろ、冷たい心の人だと思い、彼女の考えやしている事が空しく感じられた。
その虚しさこそが「ロンリネス」?
なんて事を思った。
先に出ていた「ハピネス」の続編。これを読む前に自分のレビューをちょっと読み返して...
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146. 熟れた月
宇佐美 まこと‖著
光文社 2018.2
あめんぼう さんの評価:
読んでいる途中、ちょっと白けて離れてしまいそうになる心を後半にグッと引き戻してくれる本だった。
この本では何人かの登場人物がいて、その人物ごとの目線で描かれている。
まず、最初に登場するのは高校生の子供を一人で育てている母親。
彼女は何らかの事情を抱えており、それが元で、勤め先の上司を殺してしまう。
次の主人公の女子高生は、最初の主婦の息子に恋する少女。
彼女は主婦から息子に伝えて欲しいとある伝言を託される。
それから話は一変。
全く違う話になる。
癌が再発し、余命いくばくもないヤミ金を営む女性。
そして、彼女の元で働く元銀行マンの男性。
彼が関わる事になった高校生の少年。
ヤミ金の女性の話を黙って聞く車椅子の男性。
そのパートで語られるのは女性がヤミ金業を営むようになったいきさつと彼女の生い立ちと従業員男性の生い立ち。
読んでいて途中で、何だこれ、最初に登場した女子高生ってこの話に必要だったん?
最近、実は誰と誰がつなっていた・・・系の話が多いけど、これもその類の話?
なんて思っていると、最初に殺人なんて興味惹かれる事を描いて、実は大したつながりでもない、奇をてらった話なのか・・・としらけ始めた頃に、「ああ、そうだったんだ・・・」という内容が描かれていた。
人と人とのつながりをテーマにした話なので、こういう構成にしたのは納得だし、どの登場人物もそれぞれが重要なパーツだったと読み終えて分かった。
そして、人のつながりをこれほど深く感じるのは、登場人物たちそれぞれが深い孤独を抱えているからだと思った。
自分の抱えている事情を身近な人に言えない、友達もいない、相談する人もいない・・・そんな人々。
だけど、世界中で一人だと思えるようなそんな人々も実は誰かと知らない所でつながっている・・・。
どんな小さな関わりでも、それは相手にどういう影響を与えているか分からない。
内容的にはディープな雰囲気だけど、読後感は爽やかだし納得できる本だった。
読んでいる途中、ちょっと白けて離れてしまいそうになる心を後半にグッと引き戻してく...
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147. 世界一ありふれた答え
谷川 直子‖著
河出書房新社 2016.10
あめんぼう さんの評価:
薄い本だった。
本自体もページ数が少なくて薄いし、文字が大きくて子供でも読めるくらい。
内容はそれ以上に薄くてふわついているイメージの本だった。
主人公は政治家の夫と別れ、それがもとでうつ病になった女性。
彼女は心療科か精神科に通っていて、そこでピアニストの男性と出会う。
彼もうつ病でピアノが弾けなくなっていた。
私はうつ病になった事はないし、精神科や診療科にかかった事もないのでよく分からないけど、主人公のかかっているカウンセラーってどうなん?と思った。
患者さんに自分の意見をバンバン言うし、それもダメだしばかり。
これじゃ、良くなるどころか悪化するんじゃないかと思う。
しかも、「~べき」なんて言葉を軽く使うあたり。
主人公はカウンセラーの対応に落ち込みながらも通い、その口調をまねてピアニストの男性と会話したりしているけど、そういうのに「うーん・・・」となった。
そして、後半のとってつけたような出会い。
貯金がなくなるのが不安で働かないと・・・と言うと、ピアニストの男性がここでバイトしてくれと言ったり・・・。
設定がとってつけたような感じで、私からするととにかく現実味の薄い話だった。
この本を読む前に、ずっしりした本を読んだので余計にその印象が大きかった。
薄い本だった。本自体もページ数が少なくて薄いし、文字が大きくて子供でも読めるくら...
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148. 野の春
流転の海 第9部 宮本 輝‖著
新潮社 2018.10
あめんぼう さんの評価:
流転の海シリーズ最終巻。
あとがきによると、このシリーズは37年間続き、この9巻目で最後になる。
とにかく、それだけで感慨深いし、読んでいてしみじみきた。
そして、何だか後半になるにつれてすごく悲しくて胸がつまるような思いがした。
今回の話は特に大きな動きはなかった。
結末以外は。
熊吾は中古車販売の仕事に関わり、愛人が世話をしている老女の遺産について、いつもの如く奔走し、
房江さんは社員食堂で働き、そこで熊吾の妹も働くようになる。
伸仁は大学生になり、やがて20歳になり、彼女もできた。
そして、彼らがこれまで関わった人たちが登場し、そのあれこれが描かれている。
野の花というのは、本作の文章によると、一本松の土俵に咲く花の事なのかもしれない。
そして、それらの花は熊吾や房江さん、一家が関わった人々の事なのかな・・・と思った。
今回タイトルが野の花だからか、一家の関わった人々について読んでいると、彼らは熊吾たちの蒔いた種のように思えた。
それは、綺麗な花もあれば見かけは綺麗だけど毒のあるもの、しおれたものもある。
そして、やはり、いい人には気持ちのいい人しか結局周りにいないようになるんだな・・・と思った。
最終的に。
私はこの本は伸仁が大人になり、ひとかどの人間になる所まで話が続くのだろうと何となく思っていた。
でも、この最終巻ではそこまではいかなかった。
だけど、それはそれで、登場人物たちの人生は結末の後も続いていくのだろうと・・・自分の中で生きているような思いにもなった。
とにかく、この本を最初に手に取ったのは20年以上も前の事で、最初から読み返したりしてないので、ここに書かれている人々も私は全く覚えてない。
それはそれで感慨深くは読めたけれど、今度一どきに1部からこの最終巻まで読み返したらどうだろう?なんて思ったりするけど・・・。
そうしないままもいいような気がしている。
流転の海シリーズ最終巻。あとがきによると、このシリーズは37年間続き、この9巻目...
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149. インシテミル
米澤 穂信‖著
文藝春秋 2007.8
あめんぼう さんの評価:
破格のバイト料につられて、とある建物の地下に集った男女12人。
そこは特殊なルールによって支配された場所「暗鬼館」。
ここでは殺人が起きても構わない。
・・・どころか、殺人者は特別に報酬を得ることができる。
12人はそれぞれ種類の違う武器をもつ。
12人には個室が与えられているが、扉に鍵はついていない。
夜間、部屋の外に出る事は禁じられており、それを「ガード」という機械に見つけられるとペナルティとなる。
この建物には抜け道がある。
など。
別に人を殺さなくても「暗鬼館」に7日間いるだけで時給11万2千円という破格のバイト料を手にする事ができる。
つまり、そこで何をしなくても莫大なお金を手にする事ができる・・・のに、最初の殺人が起きた。
そして、犯人が分からないまま続いて殺人事件が起きていく・・・。
多分、この話は映画化されていると思う。
それを観たけど、つまらなくて途中で寝てしまった。
それと全く同じ感想をこの本を読んでいてもった。
読んでも、読んでも、中に入れなくてつまらないので寝てしまう。
かなり苦痛な思いで最後まで読み切った。
映画でも最後がどうだったか覚えてないので、真相が知りたいというただ一つの思いで・・・。
そして、読み終えて、「ああ、これはこの結末、また忘れるわ」と思った。
この本は単行本で読んだけど、内容の割にあまりに表紙が可愛らしいイメージ。
ざっとあらすじを見ていたので、あってないな・・・と思ったけど、読んでいると、「ああ、これならあってるわ」となった。
内容はディープなのに、ストーリーの印象は軽い。
それは主人公の男の子が楽天家という設定で、殺人が起きてもあまり人が死んだ・・・という衝撃を感じない体で書かれているから。
これはこういう風に書こうとしたものだろうから、それはそれでいい。
それにしても、殺人者の設定、理由など、あまりに深みがないし、12人もの人が出てくるのに、人のつながりが薄くて、キャラがいかにも架空の人間という感じだった。
軽く読むにはいいかもしれないけど、私にはあまりに荒唐無稽で退屈で苦痛な本だった。
破格のバイト料につられて、とある建物の地下に集った男女12人。そこは特殊なルール...
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150. 私はあなたの記憶のなかに
角田 光代‖著
小学館 2018.3
あめんぼう さんの評価:
8話からなる短編集。
どの話も鋭い感性が光っていて、どちらかと言うと前半は現実的、後半にいくにつれて感覚的な作品だなという印象を受けた。
「父とガムと彼女」
父親の恋人だったのでは?という女性と再会した主人公の女性。
再会したのは父親の葬式で、主人公は子供の頃自分の世話をみる名目で家に出入りしていた彼女の事を回想する。
「猫男」
恋人と訪れた海外の地で、同級生の男性の事を回想する女性。
「神さまのタクシー」
鼻につくほど真面目な上級生との寮生活にうんざりしている少女。
「水曜日の恋人」
母親の恋人との当時のやりとりを回想する女性。
「空のクロール」
強豪の水泳部を有する学校に入った泳げない少女。
彼女はそこでいじめられる事になる。
「おかえりなさい」
お金に困っていた大学生時代に友人から紹介された宗教のチラシを配る仕事。
彼は仕事で老婆の住む家を訪問し、やがてそこが我が家のように出入りするようになる。
そんな事を回想する男性の現在はー。
「地上発、宇宙経由」
誤って届いたメールにより生まれる男女間のあれこれ。
「私はあなたの記憶のなかに」
「さがさないで」と置手紙を置いていなくなった妻。
主人公は妻との思い出をたどり、手掛かりとなる地を訪れる。
こんな感じで、今現在の話を描いているものもあるけど、ある時期を主人公が追憶する、という話が多かった。
そのそれぞれが感性豊かな視点で描かれていて、言葉も洗練されていると感じた。
個人的には「おかえりなさい」と「地上発、宇宙経由」が良かった。
こういうのってめったにない事だけど、状況的にありそうだし、登場人物もその状況に不思議な感覚でなじんでいるというのが良かった。
8話からなる短編集。どの話も鋭い感性が光っていて、どちらかと言うと前半は現実的、...
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