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熟れた月
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双葉図書館 <2811015920>
貸出可 / 一般小説913.6ア-ト / / /913.6/ウ/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-334-91205-5
13桁ISBN 978-4-334-91205-5
書名ヨミ ウレタ ツキ
著者ヨミ ウサミ マコト
分類記号 913.6
価格 ¥1700
出版者ヨミ コウブンシャ
大きさ 20cm
ページ数 297p
抄録 癌で余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。生まれてから車椅子の生活しか知らない身体不自由な博-。底辺で生きる人間たちの業と、人生の不思議な縁を描く、書下ろし長編ミステリー。
著者紹介 1957年愛媛県生まれ。「るんびにの子供」で第1回『幽』怪談文学賞<短編部門>大賞、「愚者の毒」で第70回日本推理作家協会賞<長編及び連作短編集部門>を受賞。
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孤独なつながり
(2018/12/02)
あめんぼう/東温市立図書館
読んでいる途中、ちょっと白けて離れてしまいそうになる心を後半にグッと引き戻してくれる本だった。

この本では何人かの登場人物がいて、その人物ごとの目線で描かれている。
まず、最初に登場するのは高校生の子供を一人で育てている母親。
彼女は何らかの事情を抱えており、それが元で、勤め先の上司を殺してしまう。
次の主人公の女子高生は、最初の主婦の息子に恋する少女。
彼女は主婦から息子に伝えて欲しいとある伝言を託される。
それから話は一変。
全く違う話になる。
癌が再発し、余命いくばくもないヤミ金を営む女性。
そして、彼女の元で働く元銀行マンの男性。
彼が関わる事になった高校生の少年。
ヤミ金の女性の話を黙って聞く車椅子の男性。
そのパートで語られるのは女性がヤミ金業を営むようになったいきさつと彼女の生い立ちと従業員男性の生い立ち。

読んでいて途中で、何だこれ、最初に登場した女子高生ってこの話に必要だったん?
最近、実は誰と誰がつなっていた・・・系の話が多いけど、これもその類の話?
なんて思っていると、最初に殺人なんて興味惹かれる事を描いて、実は大したつながりでもない、奇をてらった話なのか・・・としらけ始めた頃に、「ああ、そうだったんだ・・・」という内容が描かれていた。

人と人とのつながりをテーマにした話なので、こういう構成にしたのは納得だし、どの登場人物もそれぞれが重要なパーツだったと読み終えて分かった。
そして、人のつながりをこれほど深く感じるのは、登場人物たちそれぞれが深い孤独を抱えているからだと思った。
自分の抱えている事情を身近な人に言えない、友達もいない、相談する人もいない・・・そんな人々。
だけど、世界中で一人だと思えるようなそんな人々も実は誰かと知らない所でつながっている・・・。
どんな小さな関わりでも、それは相手にどういう影響を与えているか分からない。
内容的にはディープな雰囲気だけど、読後感は爽やかだし納得できる本だった。

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