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レビュー一覧 (204件)
あめんぼうさんの投稿レビュー/東温市立図書館
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(4人)
51. 邯鄲の島遙かなり 中
貫井 徳郎‖著
新潮社 2021.9
あめんぼう さんの評価:
上巻に引き続き、小さな島の、とある一族を描いた物語。
今回の時代は昭和初期からで、時代が時代だけに戦争という大きな出来事が話に関わってくる。
「第一回男子普通選挙」
最初の一ノ屋の子孫は若い男性。
彼は島で最初の政治家になろうと、選挙に立候補する。
うーん。この結末か~。もっと何かあると思ったけど・・・。政治家向けの性格ってあるんだろうなと思った。それに、公然と今でいう所の賄賂を配りまくる様子。配る方も配られる方も素朴で何となく微笑ましい。
「ご落胤騒動始末」
一ノ屋の成功者、島で企業を営む一家の創業者が亡くなる。ちょうどその日、一人の少女が自分は隠し子であると名乗り出て来る。
一方、一家の長男は会社の発展のため、軍のお偉いさんに取り入り、軍艦製造に手を染める事となる。
「人死島」
島の火山口に身を投げて心中をはかるアベックが相次ぐ。さらにその山で幽霊を目撃した人たちが相次ぎ島には人が押し寄せる。島の発展を望む男性はそれに人為的なものが絡んでいると見て調査する。
「超能力対科学」
一ノ屋の子孫の少女が予知能力を発揮する。
それに気づいた父親は少女の能力を使って観光客相手に一儲けしようとする。
その騒ぎを聞きつけた科学者の男性は少女の能力に何かからくりがあると見てあばこうとする。
「勝ってくるぞと勇ましく」
仲の良い幼馴染の少年二人。
二人は山の地図を作ろうと山に入る毎日を送るが、一人の少年が崖から落ちて片足が不自由になってしまう。
もう一人の少年はその事に責任を感じ、何かと友人の力になるが、そんな二人にも戦争の影が迫ってきてー。
「子供たち」
子供がいない雑貨屋を営む女性。
彼女は自分の子供がいない分、島の子供たちを自分の子供のように思い可愛がる。
そんな子供たちもやがては戦争にとられ、戦地に送られる事となる。
これが昭和という馴染み深い時代に起きた出来事というのが不思議な気持ちになる。
特にその頃の人々の様子。
まるで素朴で、この状況でこうなるのが自然という態度をとっている。
シンプルという事は安心できる。
人もシステムも複雑な今の世の中はストレス社会だと思った。
上巻に引き続き、小さな島の、とある一族を描いた物語。今回の時代は昭和初期からで、...
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52. 邯鄲の島遙かなり 上
貫井 徳郎‖著
新潮社 2021.8
あめんぼう さんの評価:
一冊がまあまあの厚さで上中下巻のある小説。
しかも、歴史小説っぽいという事でどうしようかと迷っていたけど読んでみたら、歴史小説という感じではない。
読みやすい内容で読めば読む程どうなるんだろう?と興味をひかれる内容だった。
今から100年以上前、江戸末期か明治時代か・・・。
そんな時代のとある小さな島に一ノ屋という家系があった。
その一ノ屋には言い伝えがあり、美男子が産まれるとその男性が島に福をもたらすと言う。反対に女性はほとんどが美しくない顔で産まれてくる事が多い。
その言い伝え通り、誰もがほれぼれするような美しい男性が産まれ、その男性は島中の女性と関係し、子種をばらまいた。
その子孫たちの話が続く2話、3話・・・の話となっている。
最初の話の美男子と関係した女性たちはお互いが嫉妬しあうという事なく、「福を分けてもらう」という意識でいた。
その後の子孫は最初の美男子のように島の役に立ちたいと思ったり、見た目は賢くないのに賢くて後に社長になったり、今でいう所のウーマンリブ活動を島でしたり、徳川埋蔵金が島にあると信じて探したり、一ノ屋にしては珍しく美女で産まれたがために島中の男を夢中にさせて自分が不幸になったり、多才で美しい男性が産まれたり・・・と個性的でユニークな人生を送る人々ばかり。
話が進むにつれて時代が新しく、今に近づいていくという趣向になっている。
ひとつひとつの話において全く違う小説を読んでいるような感じがしてそれぞれに考える所もあるような話ばかり。
そして、登場人物たちの思いややりとりによって、いつもはちょっと恐い話を書く作者のユーモアのある部分がかいま見えた。
自分の親が美男子で女性にモテモテだからと自分もそうなると思いこんでいて、それを幼馴染の女性に的確にコテンパンに指摘される様子など滑稽で面白い。
微笑ましく読める本で読みやすいので厚い本でも読み進めようと思える。
次の話はどうなるんだろう?どんな子孫が産まれるんだろう?そして今の時代になるとこの微笑ましい話も殺伐とした感じになるんだろうか?なんて思いながら中巻を楽しみにしている。
一冊がまあまあの厚さで上中下巻のある小説。しかも、歴史小説っぽいという事でどうし...
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(15人)
53. 代理母、はじめました
垣谷 美雨‖著
中央公論新社 2021.2
あめんぼう さんの評価:
この人の書く本は何だか途中からご都合主義でストーリーが進んで安易にハッピーエンドで終わるというのがパターンだったけど、この本は特にそれが顕著だった。
本当に、激しくネタバレ内容になるので、まだ読んでない方はこのレビューは見ない方がいいです。
主人公は二人。
10代の少女と婦人科の女医。
10代の少女、ユキは母親が家出してから、義理の父親と妹、弟と暮らしている。
金に困った父親はユキに代理母をさせ、大金を手に入れる。
二度とそんな体験をしたくないと思ったユキは男友達と家出。
何だかんだあってタワーマンションの最上階に住むことになる。
やがて、自分の代理母の経験からお金に困っている女性と子供が欲しい人との橋渡しの仕事をしようと思うようになるユキ。
一方、婦人科医の芽衣子は仕事を通して、様々な理由で子供が欲しくて代理母を望む女性を見る。
・・・という事で、代理母の側、それを望む側、それぞれの目線で描かれたストーリーになっている。
そこが焦点でないからというのは分かるけど、代理母になった少女の妊娠しているくだりはほとんど描かれていなくて、彼女の辿る運命の展開もあまりにスピーディーでその分、安易に感じられた。
家出したと思ったら、その数日後か時間の経たない内にタワーマンションの最上階に住んだり、まだ10代なのに代理母の斡旋業を始めたり、一緒に家出した男友達がゲイでパソコン知識に優れている・・・なんて、あまりに出来過ぎでストーリーが薄っぺらい。
テーマにしている事は重いのに。
結末もあまりに大団円すぎる。
家出してた母親が戻ってきて偶然出会ったり、父親が死んだり・・・。
代理母というものに興味がなかったり、自分に関係のない人はその内容をほとんど知らないと思う。
私もそう。
だから、代理母というものをこの本を通して知る事ができるのはいいかもしれない。
この人の書く本は何だか途中からご都合主義でストーリーが進んで安易にハッピーエンド...
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(9人)
54. 子供は怖い夢を見る
宇佐美 まこと‖著
KADOKAWA 2021.9
あめんぼう さんの評価:
家族、血縁というものについて考えさせられる本だった。
主人公は子供の頃に、母親と赤ん坊の妹との3人で宗教施設で育った経験をもつ男性。
彼はそれが元で学校でひどい虐めにあっていた。
そんな折、彼の前に転校生の青い目の少年が現れる。
彼は誰とも仲良くなろうとしない少年で、やがて主人公と仲良くなる。
少年も主人公と一緒に虐められるようになるが、彼は淡々とそれを受け入れている。
彼には不思議な力があった。
それは彼の家族も同様で、特に祖父は死んだ生き物を生き返らせる力をもっていた。
ある日、妹が熱を出して苦しむも病院には行けず、宗教施設の手当てにより死んでしまう。
彼らはそれを隠蔽しようとし、母親も止めようとしない。
死んでしまった妹を友人の祖父の力で生き返らせる主人公。
やがて成長した彼はふとした事がきっかけで一人の男性と出会い、彼の経営している会社で生き別れとなった妹を見つける。
妹は友人の家族と途中まで暮らしていた。
そして、妹は友人家族の事を「魔族」だと言う。
この物語に出てくる「妹」が嫌いだった。
最初から彼女のとる態度の一つ一つが癇に障った。
最初、主人公を拒絶しながら、必要な時だけ頼ってくる。
母親を嫌う主人公の気持ちを理解しようとせず、自分は母親と暮らして可愛げのない態度をとる。
何故、それが気になるかというと、自分も同じようにされてきたからだと気づいた。
多分、そういう経験がない人は読んでいて、それは当然だよね、という感想になると思う。
私も早めにガオのようになれば良かった。
彼の言った、淋しさが弱みだというような言葉。
その通りだと思う。
もし、血のつながってない人間ならここまで憎むだろうか、蟠りをもつだろうか。
何年も。
何十年も。
縁を切りたくてもどこかで切れずにいる自分というものに嫌悪を感じてしまう。
今、コロナが世界中に蔓延している。
それを仄めかす世界がこの話の中でも広がっていて、コロナに似たウイルスが描かれている。
鳥を介してーというのはなるほど・・・と思った。
自分自身、鳥のフンのウイルスで2回ほど病院にかかるような事になったので頷ける。
話の着地点がいい。
読後感がいいし、この結末につながるのか・・・と思った。
だけど、お金がある、無しの一点で人の人生って変ってしまうんだろうかとも思った。
この母親の性格は同じはずなのに・・・とまで考えるのは私個人の嫌らしい考えだとは思う。
家族、血縁というものについて考えさせられる本だった。主人公は子供の頃に、母親と赤...
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(8人)
55. 老い蜂
櫛木 理宇‖著
東京創元社 2021.9
あめんぼう さんの評価:
若い夫婦が何者かに襲われ、夫は死亡、妻は連れ去られるという事件が起きる。
事件を追うのは自身も子供の頃に姉を殺害された経験をもつ刑事。
やがて、事件を追う内に、20年前に若い女性が一人の男に殺される連続殺人が関係した事が分かる。
さらに、別の話で、見知らぬ老人につきまとわれる二人の女性の話。
それも殺人事件に関係した事が見えてくる。
どちらかと言うと、いつもの櫛木理宇さんのオーソドックスなストーリーのパターンという感じだった。
酷い事件が起きる。
その事件を追う刑事も過去に身内を殺されるという経験をしている。
だから、通りいっぺんの捜査でなく、自身の経験と重ねながら事件を追う。
今回はいつものような酷い暴行、殺害の様子は描かれていない代わりに、女性が老人につきまとわれ、嫌がらせを受ける様子が描かれている。
それは、女性ならば誰もがこんな事をされたら嫌だというものだけど、その気持ちを周囲の男性は分かってくれない。
軽くあしらわれる様子に見ていてヤキモキした。
老人だから・・・と言うけれど、老人だからこそ余計に気持ち悪いというのもある。
いくつになっても若く美しい女性に欲情する、それをストーカーという形で表す、というのに醜さを感じた。
犯人も結末も私には読めなかった。
いつものように、その結末よりも若い女性が男性(年老いた男性を含めて)の欲望の対象としか見られていないという描写が生生しくリアルで、あっという間に読めてしまった。
若い夫婦が何者かに襲われ、夫は死亡、妻は連れ去られるという事件が起きる。事件を追...
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(10人)
56. 儚い羊たちの祝宴
The Babel Club Chronicle 米澤 穂信‖著
新潮社 2008.11
あめんぼう さんの評価:
5話からなる短編集。
それぞれの話、主人公には共通点がある。
それは、「バベルの会」という読書会に何らかの形で関わっていること。
そして、主従関係の主か従のどちかが主人公だということ。
ただ、彼らは直接関わっている訳でなく、あくまで独立した話が5話収録されている。
「身内に不幸がありまして」
主人公は財閥のお嬢様とその召使いの女性。
素行の悪い長男に代わり、財閥の跡取りとされているお嬢様には常に完璧が求められている。
読書家の彼女は大学で「バベルの会」という読書の会に入り、夏休みの合宿を楽しみにしていたが、長男である兄が乱心し人を殺めてしまい、参加できなくなる。
その裏にはー。
多分、こうだろうという予想が覆された。なるほど・・・という結末。
「北の館の罪人」
母親の死を機に、財閥である父方に引き取られる事になった女性。
彼女は「北の館」と呼ばれる本館の離れで、その家の長男の世話をするよう、次男である義理の兄に言われる。
やがて、彼女は監禁されている兄と仲良くなり、買い物を頼まれるようになる。
その買い物の意味するものはー。
「山荘秘聞」
金持ちの山荘の管理を任されている女性が主人公。
きちんと別荘の管理をしているが、お客も山荘の持ち主も訪れる事はない日々を送っていた彼女は、ある日、雪山で滑落し怪我をした男性を見つけ別荘で手当てする。
やがて、彼を探して捜索隊がやって来るも・・・。
「玉野五十鈴の誉れ」
旧家の跡取り、長女として生まれた女性。
彼女には五十鈴という頭の良い、同年代の女中が与えられる。
やがて彼女と仲良くなり、無二の親友となるも、叔父が不祥事をおかした事により、彼女は跡取りの座から降ろされ、いつ死んでもおかしくないような待遇を受ける事となる。
仲の良かった五十鈴とも引き裂かれ、あとは死を待つばかりだったがー。
「儚い羊たちの晩餐」
成金の家に生まれた女性。
父親は金に飽かせて「厨娘」というものを雇う。
彼女は一流の料理人で、作る料理は変わったものばかり。
そして、その料理にはとにかく金がかかる。
料理を完璧にするため、食材のほんの一部しか使わず、後はほとんど捨ててしまう。
今まで彼女を雇っていた金持ちへの対抗心から料理を次々と作らせていた父親は、やがて、とある食材の料理を彼女に作るように命ずる。
この本の時代設定はいつなのか・・・。
明治、大正、昭和初期?
今の時代では無い、ありえない世界が広がっている。
絶対的な主従関係。
ここまでの厳しさを求められるのか・・・と読んでいて思う。
何故か、その厳しさがちょっとだけ羨ましく感じられるのが不思議だった
5話からなる短編集。それぞれの話、主人公には共通点がある。それは、「バベルの会」...
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57. 殺人依存症
幻冬舎文庫 く-18-5 櫛木 理宇‖著
幻冬舎 2020.10
あめんぼう さんの評価:
都内で女子高生が暴行、殺害されるという事件が起きる。
その後、ほどなくして小学生の男児が暴行、殺害される。
自分の子供も同じように暴行、殺害された過去を持つ刑事は事件を追う。
そこからネットで仲間を集めて痴漢をしていた男共とその男達を痴漢だけでなく、残虐な暴行、殺害行為にまで誘導した存在が見えてくる。
男達を操っていたのは一人の中年女。
やがて、女の魔の手は刑事の周辺にも及ぶー。
いつものように引き込まれ、読まされる内容だった。
とにかく、いつもの如く被害者の暴行された様子がむごたらしくて、ただ小説を読んでるだけなのに顔が歪んだ。
もっと酷い暴力描写を読んでも何も思わない事もあるのに・・・。
この作者のその部分の書き方は巧みだと思う。
あまりにひどいからこそ、後の話が伝わってくるし、ドキドキハラハラする。
設定もストーリーも今までの定石にあてはまらないもので、中盤まで読んでも先が読めなかったし、時々出てくる伏線のストーリーにもすっかり騙された。
この話では加害者も被害者も酷い性的虐待、暴力を受けている。
この物語のある人物は言っている。
「人じゃなくなればなんでもできる」
そして、性的虐待は身体は生きていても心が死ぬのだとも別の人物が語っている。
だから加害者は怪物なんだー。
怪物を生むのは救いようのない家庭環境。
これでは心を殺すしか生きようがないと思う。
もちろん、加害者に同情はしてないけれど。
彼女の酷い状況とは比べようもないけど、私は今職場でかなりひどい嫌がらせにあっている。
やり返したいと思う事もあるし、心は怒りでいっぱいになるし、帰ったらその怒りをぶちまけている。
それと反対に、その人が可哀相だと思う時もあるし、同じ土俵に立たないようにしようと努力もしている。
自分が耐え難い事をされたからそれをやり返す。
ましてや関係ない他人にそれをぶつける。
それは怪物のように強く思えるかもしれないけど、本当は自分で止める事のできる人の方がその何万倍も強く勇気があるのだと思う。
やられっぱなしで自分は弱い・・・と思っている人ほど、実は強い人なんじゃないかとこの小説を読んで思った。
都内で女子高生が暴行、殺害されるという事件が起きる。その後、ほどなくして小学生の...
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58. まりも日記
真梨 幸子‖著
講談社 2021.6
あめんぼう さんの評価:
このタイトルと表紙のイラストの様子から、これまでと違うジャンルの小説?と思いきや、読んでるといつもと一緒だった。
たくさんの登場人物にタワーマンション、殺人という言葉・・・。
最初は日記調の構成で、これは分かりやすそうだ・・・と思いきや、話が進むにつれ、そして少し中断して読み始めた途端、頭がゴチャゴチャして有耶無耶になってしまった。
最初の話の主人公は売れない女流作家。
彼女は中古マンションを購入しているが、そのローンが払えない状態に。
それなのに、ペットショップで見かけた売れ残っている猫を買ってしまう。
その猫を「まりも」と名付けて可愛がるが、猫はお金がかかる動物でー。
そんな最中、大地震が起きる。
次の話の主人公は、またまた女流作家。
でも、こちらはデビューして30年の50代の作家。
彼女は雑誌のインタビューを受ける。
その様子がそのまんまこの章の話となっている。
3話目の主人公は離婚して田舎に移住してきた女性の話。
離婚のきっかけは大地震。
そして、猫の短編「まりも日記」を書く女流作家。
キャバ嬢に入れあげて破滅したお坊ちゃんの話・・・と続く。
その話の合間に猫目線の話が入ると言う構成。
女流作家が主人公の話がいくつかあって・・・どれも同一人物?それとも・・・と頭がゴッチャになるし、タワーマンションの話、猫が入り交じる話も、どれとどれがつながるのか分からないまま終わってしまった。
ほんのちょっとだけ読まないまま中断して、また読むのを再開したけど、続けて読んでたら良かったな・・・と思った。
このタイトルと表紙のイラストの様子から、これまでと違うジャンルの小説?と思いきや...
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59. 聖女か悪女
真梨 幸子‖著
小学館 2020.11
あめんぼう さんの評価:
いつもの如く、読んでいて登場人物がゴッチャになって訳が分からなくなった。
だけどいつも通りにそれなりに読めた。
人気ブロガーの女性は無実の罪で検察官の男性を陥れた。
彼女はその後、昏睡状態になり病院のベッドで寝たきりになる。
結婚したばかりの彼女の夫は彼女の財産をごっそり持ち逃げ。
そんな彼女の事を調べる人々は、昔マンションで起きた8人惨殺事件、8人の子供が監禁されていた「モンキャット事件」にブロガー女性が関わっていたと知る。
さらにその事件の裏には「町田の聖夫婦」と呼ばれた夫婦、宗教団体、有名女優が関わっていた事も分かる。
ーという感じで次々と別の話につながり、新たな登場人物が現れて前の出来事が何だっけ?となってしまう。
一気に読んだ方が面白い本だと思う。
いつもの如く、読んでいて登場人物がゴッチャになって訳が分からなくなった。だけどい...
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60. 悪の芽
貫井 徳郎‖著
KADOKAWA 2021.2
あめんぼう さんの評価:
アニコンで数多くのアニメファンが一人の男に殺害される事件が起きる。
犯人は子供の頃に虐めにあい、それがきっかけで不遇な人生を送っていた。
そのニュースを見たエリートサラリーマンの男性は犯人がかつての自分の同級生であり、自分が虐めのきっかけを作った人間だと気づく。
彼は罪悪感を抱き、かつて犯人を虐めていた首謀者の男性に連絡をとり、さらに犯行動機について探っていく。
また、犯人に子供を殺された母親は虐めのきっかけを作った男性をネットで追い詰めようとするがー。
今まで思った事もないような事が書かれていて、なるほどな・・・というくだりがあった。
それは、人間はまだ進化の途中なんだという話。
人間の究極の所は優しいもので、そこにいきつくにはまだまだ長い年月を必要とする。
そして、その優しさというのはある意味、想像力から生まれている。
そんな事も読んでいて感じた。
ただ、犯行動機には疑問を感じるし、そこまで・・・と思ってしまう。
彼は悪の芽にさい悩まされたけれど、自分で悪の芽を生んでしまってもいる。
想像力について語っていた人なのに・・・。
悪の芽というのはほんの些細な一言から生まれてしまう。
自分の名前や顔出しをせずにそれができる今の世の中ではそういうのが芽生えやすいと思う。
だけど、被害者の母親のようにここでそれを自分の手で摘み取る事もできる。
善の芽という言葉が作中出てきたけれど、むしろそれよりも悪の芽を摘み取る行為の方が分かりやすくて私にはしっくりきた。
アニコンで数多くのアニメファンが一人の男に殺害される事件が起きる。犯人は子供の頃...
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