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甲斐市立図書館
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レビュー一覧 (204件)
あめんぼうさんの投稿レビュー/東温市立図書館
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(2人)
81. 彼女はもどらない
宝島社 2017.7
降田天
あめんぼう さんの評価:
手がけた雑誌の広告がネットで炎上したため、ポストを追われた編集者の女性。
彼女はその苛立ちを、目にした人気ブログのコメントにぶつける。
そのブログとは、自分の娘の衣装を制作する男性のもの。
男性は妻が入院中で娘を実母に預けて働く公務員。
彼は批判的なコメントに腹を立て、女性にネット上で報復を始める。
この作者の本は初めて読んだけど、どうも少しずつ、感覚のズレを感じた。
文章もくどい所があり、何となく読みづらかった。
結末的には、ああ、そうだったのか・・・と思わせるものだったけど、こうも色んな方面から攻撃され、それがつながっているというのも出来過ぎだな・・・とも思った。
それよりも、もっとネット上の過激なやりとりが見たかったというのがあるし、そこからの対決が見てみたかった。
序盤の方が期待度が高く面白かった。
この物語の主な登場人物の男女は、二人共真面目に仕事をしている普通の社会人なのに、ちょっとした事で攻撃的になってしまう。
その様子を見てると、ストレスのたまりやすい社会だな・・・と思う。
ネットが普及し、便利になって、その分、生活に余裕が生まれたかというとそうでもなく、不思議に心も生活的にも余裕がなくなっている。
だからって、知りもしないし、自分に関係ない人にいきなり攻撃的なコメントをしたりする、さらに、それに応報するというのは幼稚なやりとりだな・・・と思った。
手がけた雑誌の広告がネットで炎上したため、ポストを追われた編集者の女性。彼女はそ...
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(19人)
82. 婚活食堂
山口 恵以子‖著
PHP研究所 2018.6
あめんぼう さんの評価:
元占い師で、人のオーラのようなのが見える女将が営む食堂ーというかおでん屋に集う人々の物語。
全5章。
1章「結婚してない女たち」では、主人公が占い師から食堂を営むようになったいきさつ、常連客の紹介がされた章になっている。
「幸せになりたい女」
常連客で婚活中の女性が見合い相手を連れて食堂にやって来た。
その相手の男性にはどす黒い影がー。
「母に愛された女」
常連客の仲良し親子。
母親は娘に良い縁談があればと願っている。
娘は美人で若く、その気になれば良い縁があるはずなのに、人見知りな性格が災いして婚活がうまくいかない。
それで、相談された主人公は銀座でお試しで働く事を勧めるが、その結果ー。
「高嶺の花の女」
食堂の常連客で高嶺の花の女性ー有名な美容外科の娘でお金持ちのバツイチ女性がミュージシャンに熱を上げる。
その話に危ういものを感じた主人公は、本人が知らない内に話を破談にもちこむ。
「結婚を選んだ女たち」
3章の親子の、親の方の恋愛話と主人公にも恋愛の兆しが・・・という話。
最後の話の後に、この食堂で出されている料理のレシピが紹介されている。
料理のことを書いてある文章がすごく生き生きしていて、美味しそうだった。
読後感も良く、さらっと読める。
深くささる事もない代わりに、嫌悪感もない、感じの良い本だった。
元占い師で、人のオーラのようなのが見える女将が営む食堂ーというかおでん屋に集う人...
図書
(10人)
83. 失踪.com
東京ロンダリング 原田 ひ香‖著
集英社 2016.9
あめんぼう さんの評価:
この作者の本は2冊目。
最初の本が結構ヘビーだったのと、今回のこのタイトルで今回もヘビーな内容だと思ったらそんな事はなかった。
むしろ、中には読後感の良い話もあった。
ロンダリングー事故物件に移り住み、部屋を浄化する事が話の軸となっている短編集。
「うちの部屋で人が死んだら」
主人公はパートで働きながら、ダンナ名義のアパートの管理をしている女性。
そのアパートに住む男性が亡くなり、彼女は不動産屋からいくつかの提案を受ける。
その内のひとつがロンダリングだったー。
この話で、不動産におけるロンダリングとは・・・とか、訳あり物件に住む人の事を「影」と呼ぶといった事が書かれている。
それを踏まえての2話。
「君に栄光を捧げよう」は、同僚が訳あり物件に住むことになった男性の話。
同僚はやがて行方不明になる。
「幽霊なんているわけない」
不動産屋の紹介で訳あり物件に住むことになった男性。
その部屋に幽霊が訪れる。
「女が生活保護を受ける時」
前話で登場した不動産屋の紹介で、訳あり物件に住むことになった生活保護を受けることになった女性の話。
この話が一番良かった。生活保護に訳あり物件。
相当キツい状況なのに、何となく希望がもてる内容。
主人公の女性がまともな感覚でキチンとしているのが救われる。
「地方出身単身女子の人生」
前話、前前話で登場した不動産屋の女性の話。
「失踪、どっと混む」
その不動産屋の社長が主人公の話。
「昔の仕事」
「東京ロンダリング」
は、前作に登場した登場人物たちの話ーとあとがきに書いてあった。
一応、最初の話とも話がつながっている。
後半3話を読むまでは、評価は☆4つだと思っていた。
でも、後半3話で、いきなり話の様相が変わって、それまで出てない登場人物が出たりして頭がこんがらがったし、その3話は面白くなかった。
何か、イメージとして、いきあたりばったりで一冊の本に仕上げたという感じがする。
最初のアパートを舞台にしたロンダリングの話かと思ったら1話と2話の主人公たちは接点がないし、その後の話もそう。
それなのに、途中からいきなり不動産屋の登場人物たちが主人公となって回りだす。
どっちかに定めた方が読む方も分かりやすいし、気持ちが入りやすかった。
最終話で最初の話を持ち出すのもとってつけたような感じがした。
この作者の本は2冊目。最初の本が結構ヘビーだったのと、今回のこのタイトルで今回も...
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(6人)
84. みちづれの猫
唯川 恵‖著
集英社 2019.11
あめんぼう さんの評価:
猫を主題にした7話からなる短編集。
「ミャアの通り道」
子供の頃拾った飼猫の寿命が近い一家。
「運河沿いの使わしめ」
不幸な人のもとを渡り歩く猫の話。
「陽だまりの中」
亡くなった息子のつき合っていた女性となりゆきで同居するようになった女性。
彼女のお腹には息子の子供が宿っていた。
「祭りの夜に」
認知症の祖母が若い頃好きだった男性の事を思い出して、待ち合わせをした祭りに行くと言う。
祖母を追いかけた主人公の女性が目にしたものはー。
「最期の伝言」
子供の頃に家出した父親の相手の女性から連絡を受けた女性。
父親は余命わずかで今入院していると言う。
主人公は父親に会いに行き、言いたかった事を言う。
やがて、彼女は意外な真実を知る事となる。
「残秋に満ちゆく」
軽井沢で花屋を営む女性のもとに昔つきあっていた男性から連絡が入る。
彼女は彼に自分の子供の事を話し、ある約束をする。
「約束の橋」
病を患い、一人暮らしの女性。
彼女は自分の人生とそこにいた猫たちのことを振り返る。
どの話もさらっと書いてあって短い話なのですぐに読める。
だけど、どの話もよく出来てるな~、練れてるな~と思った。
言葉を駆使して、自由自在に文章が書ける人がさらっと書いた印象の短編集。
私は特に猫好きじゃないけど、猫が好きな人が読んだら感動できる話や好きだと思う話がいくつかあるかもしれない。
私は中では最初の話が好きだった。
ものすごくさりげなくて、何てことない話だけど、それがいい。
爽やかな風が通るような話だと思った。
猫を主題にした7話からなる短編集。「ミャアの通り道」子供の頃拾った飼猫の寿命が近...
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(9人)
85. 毒母ですが、なにか
山口 恵以子‖著
新潮社 2017.10
あめんぼう さんの評価:
初めて読んだ作者の本。
中々面白かった。
主人公は若い頃に両親をなくし、祖父母に育てられた女性。
彼女は美しく頭もよく、育ててくれた祖父母は裕福な名家・・・と、何もかも揃った女性で、やがて東大を出て、名家に嫁ぐ。
夫は優しい人柄の男性だったが、姑、小姑は性格が悪く、姑には最初に出来た子どもを中絶するようにと言われる。
その後に生まれた双子の男の子と女の子。
男の子の方は出来がいいが、女の子はグズで彼女の思うように育たず、苛立ちを子供にぶつけてしまうようになる。
やがて、子供を名門校に入れるべく彼女は奮闘する。
タイトルに「毒親」とあるけど、私からすると、この主人公の女性は毒親というよりも教育ママというイメージだった。
毒親っていうのはもっと、子供の事だけでなく、自分だけに意識がいっている人だし、子供の足を引っ張る人、夫婦ともに似たような感覚でもっと狡猾で外面がいい、というのが多いと思う。
それで言うと、この人はかなり感情的になっているものの、理性的な面もあるし、父親は子供を愛している。
結果的に子供が成功者になっているのを見ると一概に悪いとも言えないのでは・・・と思う。
むしろ、子供の様子を見ていると、主人公目線で見るせいか、私もイライラする所もあった。
ただ、毒親という言葉は広く使われていて、定義もちゃんとないので、これが毒親だと思えばその人にとっては毒親なんだろうと思う。
タイトルからして子供と毒母のことばかりを書いてあるのかと思いきや、最初は主人公の生い立ちを描いていて、ここ、そんなに丁寧に書く必要あるかな?と思ったけど、それがあって彼女の心情が理解できるというのがあった。
だから、イライラする気持ちや自分だけがのけ者になっているという疎外感もよく分かった。
ずっと自分の確たる居場所のなかった人だったんだと思う。
どんなに完璧にやっても認められない虚しさ。
自分がこんだけ頑張ったんだから子供も・・・と思う。
いつも、どこか満たされない気持ちがあって、それを身近な者に求めてしまったー。
・・・と、真面目ぶって感想を書いてるけど、物語のイメージとしてはシリアスというよりはどこかコミカルだった。
特に主人公が腹が立つ姑、小姑、子供に悪態をついたり、悪口を心の中で言ったり呟いたりするのには何となく読んでてスッキリした。
もっと言ってやれ!と思った。
毒母の主人公よりも周りの人間に私も腹が立った。
人が良くて優しいと描かれている夫も勝手なもんだと思う。
彼女は出来る人なんだから、子供に期待する分、自分自身が成功するように動いたら良かったんだ・・・と思う。
その方向性の違いが悲劇(喜劇?)を生んだ。
結末は主人公がしたたかにしぶとく生きている様子がうかがえて良かった。
新しい目的ができたんだね・・・。
また、この作者の本は別のを読んでみようと思う。
初めて読んだ作者の本。中々面白かった。主人公は若い頃に両親をなくし、祖父母に育て...
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(3人)
86. 世界で一番カンタンな投資とお金の話 生涯投資家VS生涯漫画家
文藝春秋 2019.6
村上世彰 西原理恵子
あめんぼう さんの評価:
タイトル通り、投資とお金について、投資家の村上さんと漫画家の西原さんが対談している内容の本。
詳しく投資とは・・・と語るというよりは、投資ってこんなもんなんだよーくらいで書かれている。
西原さんは今までギャンブルとかFXで大損していて、だから何も知らない訳でなく、私よりはいろいろ投資の事について知ってる。
それでも、今回の会談で投げかける質問は普段、素人の私が思うような事ばかりなので読んでいて分かりやすかった。
まず、投資とはどういうものなのか、ギャンブルと株は違うという話、今話題のビットコインやFXとはどういうものか、という事が語られ、実際に村上さんにアドバイスを得て、西原さんと西原さんの息子さんが株を買っている。
西原さんは日経225というやつ、息子さんは自分が好きなゲーム会社とラーメンチェーンの株。
それを通してゲーム会社の株を買うことは・・・とか、ラーメン屋の株を買うことは・・・というのが具体的に見える。
実際にやっているのを見ていると、ああ、そうなんだな・・・と分かりやすい。
株をやっていると世の中の動向が気になったり、ニュースを見たり、それを家族で話題にしたりと、もし、儲からなくても利点もあるな・・・と思ったし、興味をもった。
その反面、数字に強い人が株に向いていると言うのを見ると全く私には向いてないと思ったし、実際に西原さんが株の口座を開く時、書類がどうの、印鑑証明がどうのとすぐに作れなかったというのを見ると面倒だな・・・とも正直思った。
村上さんという人はこの本で初めて知ったけど、元官僚で、小学生の頃に親から100万円もらって投資を始めたらしい。
そんな子供の頃からお金に慣れ親しんで、自分で増やす事をしていたというのは筋金入りだと思うし、そういう人と全く投資なんて無縁な人間とではお金に対する考え方が違うのは仕方ない事だと思う。
私がこれを読んで思ったのは、当たり前の事だけど、もし投資するなら上がっても下がっても笑える範囲でやるものだという事。
した事もないのにいきなり投資で儲けようという気持ちでつぎ込むのは危険だと思う。
それで言うと、指導された村上さんもいきなり投資家でなく、官僚になってから・・・という事で、多分、お金をある程度貯めて、余裕のある中でしたんだろうと思う。
村上さんは年金をもらうのを辞退して、今はお金を放出する方に力を注いでいるらしい。
お金がある程度以上ある人は皆、ボランティアや寄付をしたりしているけど、お金はもういらないって一度は言ってみたいな~と、ずんの飯尾さんみたいに寝っ転がって思った(^^;
タイトル通り、投資とお金について、投資家の村上さんと漫画家の西原さんが対談してい...
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(55人)
87. 沈黙のパレード
[ガリレオ] [9] 東野 圭吾‖著
文藝春秋 2018.10
あめんぼう さんの評価:
文句なしに面白い本だった。
これで終わりかと思ったらまだ続きがあったり、オチもきれいに作られている。
読んでいる間中だるみする事もなかった。
この本はガリレオシリーズ。
今回、ガリレオの親友であり、刑事の草薙が担当する事になったのは、3年前に行方不明になった女性が火事にあった家屋から死体で見つかった事件。
彼女はいなくなる前に、実家のレストランに来る嫌な客につきまとわれていた。
その男は以前も女の子を殺害した罪に問われるも、黙秘を続けて無罪になった、という過去のある男だった。
しかも、その客は火事にあった家の息子だった。
真っ黒な容疑のかかる男だが、今回も黙秘を通し、結局釈放されてしまう。
それに釈然としない、殺された女性の周辺の人間たちは、年に一度行われるパレードに乗じて男をこらめてやろうと画策する。
たまたま、事件の起きた場所にガリレオは仕事で滞在しており、彼も事件に関わることとなる。
ヘリウムガスを使った犯罪という事で、化学に詳しいガリレオが謎解きするも、その犯罪にはどうしても無理がある。
それを年に一度のパレードを利用した犯罪にする、というのがよくできているし、これで終わりかと思ったら、次々と別の真相が出てくるのも面白い。
ひとつ釈然としなかったのは、殺された男が、多分安楽死で死んだということ。
寝ながら何も知らず死ぬなんて・・・。
この男には死ぬ恐怖や苦しみを感じて欲しかった。
それくらいこの男はひどい。
被害者に罪の意識をもたない所か、かえって被害者にお金を要求するなんて、犯罪者の中でもかなりな悪党だと思う。
でも、殺された女性の様子、その前の少女の事件のことも際どい事は書かれておらず、上品な感じで仕上がってると思った。
そういうのもあって、この本なら誰にでも「面白いよ」と勧められる本だと思う。
タイトルも表紙もいい。
私の頭の中で、この物語の登場人物たちがそれぞれの思惑でもって犯罪を遂行しようとするさまと色とりどりのパレードが鮮やかに画像となって重なった。
まるでそれは華やかな葬送の列のようだと思う。
それと表紙のイラストが合ってるし、中のピンクか紫かの紙がセンスいい。
こういう素敵な装丁を見ると、こういう本が買うのに値する本だな・・・と思う。
文句なしに面白い本だった。これで終わりかと思ったらまだ続きがあったり、オチもきれ...
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(3人)
88. 監禁探偵
我孫子 武丸‖著
実業之日本社 2019.10
あめんぼう さんの評価:
とても読みやすい本だった。
発想も面白いし、序盤は面白くてすいすい読めた。
・・・が、どんどん尻すぼみになり、結末はどうにも無理のあるものだった。
この本は大きく3つのパートに分かれている。
その3つ共に登場し話の軸となるのが「アカネ」という少女。
最初の話の主人公は、仕事を辞めたばかりの自称イケメンの若い男。
彼は親に買ってもらったマンションに住んでいて、向いのマンションに住む若い女性の覗きをしている。
ある日、彼は街でナンパした、ツインテールの美少女を家に連れ帰り、なりゆきで家に監禁してしまう。
美少女の名前は「アカネ」。
やがて、覗きだけでなく、向いの彼女の部屋に忍び込んだ所、彼女は死んでいた。
それをアカネに話した所、アカネは状況から犯人を読み解いていく。
2話の主人公は若い医師の男性。
彼の勤める病院は評判は悪いが、凄腕の外科医がいて、彼はその医師に憧れている。
その病院に記憶を無くした少女が運び込まれる。
彼女は持ち物から「アカネ」という名前だと分かる。
やがて、病院で幽霊騒ぎ、若い看護士の自殺、相次ぐひき逃げ事件が起き、それをアカネは解きほぐしていく。
3話目では、2話の後行方不明になったアカネを追う、1話目、2話目の主人公たちの話。
この話で謎の多いアカネの正体が明らかになる。
物語の中心人物であるアカネの設定が面白い。
彼女は1話目では監禁されていて、2話目では入院している、という設定で自由がきかない中で事件を推理していく。
彼女の親はどんな人か、どんな生い立ちの少女なのか、何故、見知らぬ男性の家に転がり込むという危険な事をしているのかーその辺にも興味がそそられる。
・・・という訳で面白く読んでいたのに、どんどんと設定や話に無理があるな・・・と感じ、それが結末に出たという感じだった。
話の最後はアカネ自身の目線から描いて欲しかった。
彼女の思い、行動の理由をアカネ目線で描かれていたらもっと深みを感じる話だったと思う。
これじゃ、この本は軽く読むエンタメ本の印象だと思う。
それと、全く関係ない話だけど、この本を図書館で手に取った時、思わずすぐに本棚に返してしまった。
まだ新刊の本なのに、ものすごく汚れていたから。
それとこの表紙のイラスト・・・。
いかにもきわどい内容を想像させる。
私が通ってる図書館では何故かこの作者の本はどれもひどく汚れていて、そういう読者層が読む本なのかな~と何となく納得してしまった。
とても読みやすい本だった。発想も面白いし、序盤は面白くてすいすい読めた。・・・が...
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(25人)
89. 星の子
今村 夏子‖著
朝日新聞出版 2017.6
あめんぼう さんの評価:
子供の湿疹に悩む夫婦。
夫の同僚から勧められた水を子供に与えた所、湿疹がなくなり、以来、彼らはその水と水を製造している宗教にはまっていく。
この物語はその湿疹がなおった少女の目線から描かれた物語。
テレビで、名前は忘れたけど作家がオススメしていた本で、試しに読んでみた。
私が通っている図書館では、この本は大人向けでなく、ヤングアダルトー中高生向けのコーナーにあった。
薄い本だし、それくらいの年代向けだからか、文字も大きく読みやすい。
だけど、正直読む前に思い描いていたのとは違う内容だった。
宗教に両親がはまっている家庭というと、そこで育つ子供はずい分、つらい思いをしているんだろうと単純に想像してしまう。
この本でも、親が宗教にはまったため、家庭の経済状態は悪くなったし、親が奇行に走る場面がある。
だけど、主人公である少女は、それにさほど嫌悪感を抱いている訳でもなく、淡々と受け入れている。
そういう少女の目線で描かれているため、彼女がそれほど大変そうにも見えない。
彼女には姉がいるが、彼女は家出をしている。
これは、その姉の目線でも描いていたら全く違うものになっていて心揺さぶられるものだったかもしれない。
考えてみれば、両親が宗教にはまったからといっても、それが日常的なら、主人公にとってはそれが「普通」という事で、別に私が思うほど変な事ではないんだよな・・・と何となく納得してしまった。
子供の湿疹に悩む夫婦。夫の同僚から勧められた水を子供に与えた所、湿疹がなくなり、...
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(1人)
90. 彼女たちがやったこと
筑摩書房 2018.11
唯野未歩子
あめんぼう さんの評価:
初めて読んだ作者の本。
どうにも理解できない内容、感覚の本だった。
この物語の登場人物は二人の女性。
一人は夫のDVに悩む貧しく弱い女性、紀子。
もう一人は彼女の親友で美しく裕福で二人の息子をもつ詩織。
紀子は夫の暴力に悩み生活に疲れているし、詩織は姑に二人の息子をとられ虚しい生活を送っていた。
彼女たちは・・・というか、詩織は自分たちを悩ますものから決別し、復讐するためにある計画を練る。
それは二人とも同じ時期に妊娠し、自分たちだけで育てるというもの。
まず、詩織は妊娠した後、紀子の名前で母子手帳を取得し、紀子にも同じようにするように指図する。
やがて、出産をひかえた女性二人は詩織の別荘で出産の準備期間に入るー。
これだけざっとあらすじを書いてもナンセンスでありえない設定だと思う。
何でこうしたの?というのの連続だった。
どちらかというと、弱くて小狡い紀子の方が理解できる。
彼女は深く考えず、常にその時、その場で自分にとっていいと思うものの方を選んで流されている。
よく分からないまま読んで、結末も結局分からないままの本だった。
初めて読んだ作者の本。どうにも理解できない内容、感覚の本だった。この物語の登場人...
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