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甲斐市立図書館
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レビュー一覧 (204件)
あめんぼうさんの投稿レビュー/東温市立図書館
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図書
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(89人)
91. コンビニ人間
村田 沙耶香‖著
文藝春秋 2016.7
あめんぼう さんの評価:
ちょっと・・・というか、大分変った女性が主人公。
彼女は子供の頃から飼っていた鳥が死んだら食べると親に言ったり、同級生を力の加減なく叩いたりという所のある人で、「普通」の感覚から外れている。
親や妹は彼女に「普通」になってほしいと願っている。
そんな彼女が働くのはコンビニ。
彼女はここで18年も働いている。
そして、自分が変っているのを自覚していて、そこで働く人の言動を真似たりしている。
ある日、コンビニに変わった男性がアルバイトで入ってきて、サボったり、コンビニの女性客にストーカーをしたりして辞める。
偶然、彼と外で出会った彼女は、何となくなりゆきで同居するようになる。
かなり観念的な話だけど、分かりにくくはない。
文章も読みやすい。
本自体もページ数が少なくて文字も大きいのですぐ読めてしまう。
主人公はかなり変わった人で、言ってみれば「自分」というものがない。
だから欲もないし、怒りもない。
スポンジのように、人の言った事をそのまま受け止めて吸収してしまう。
だから人真似をしていかようにも自分を変えられる。
だけど、それはやはり周りから見ると奇異にうつる。
それでいながら、彼女のような真っ白な者から見るこの世の中のおかしさを見せてくれている。
人は何歳になったらこうしてああして、こうあるべき。
そういうのが自然に世の中にはあって、そのくせ、個性を大事にしようだとか、ありのままに・・・なんてなっている。
その空気を察して、彼らが望むように「普通」でいないと攻撃されたり、困った事になる。
それは主人公のような変わった人ですら感じていて彼女なりに「普通」を演じている。
私は気が弱いのと生まれ育った環境で、かなり空気を読むし、周りに気を遣う。
そして、自然に主人公のように、周りに浮かないようにしている。
そういうのは誰でも少なからずあるだろうし、それを分かりやすく書いてるんだな・・・と思った。
ちょっと・・・というか、大分変った女性が主人公。彼女は子供の頃から飼っていた鳥が...
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図書
(3人)
92. 黒鳥の湖
宇佐美 まこと‖著
祥伝社 2019.12
あめんぼう さんの評価:
主人公は有名な会社の社長。
財産もあり、家庭も順風満帆な彼だが、実はある秘密を抱えていた。
それは、若い頃、お金がなく、今の妻と結婚したいが許されなく困っていた頃に探偵の仕事をしていた彼が仕事を通じて知り合った依頼人を利用して今の地位を手に入れた経緯。
依頼者は自分の娘がある男に監禁され、娘の持ち物を送りつけられていた。
その後、娘は無事帰ってきたが、娘を監禁した男をつきとめて欲しいというものだった。
そして、それから何十年もたった今、同じような事件が起きる。
さらに、一人娘が急にグレて家出をし、娘の持ち物が送られてくるという事件が起きる。
娘はあの頃つかまらなかった同一犯人に監禁されているのかー。
何故、娘は急に非行に走ったのか。
やがて、心身共に疲れ果てた夫婦は寺の大黒さんにはまり、足しげく通うようになる。
過去が語られていた中盤までは面白く読めたけど、現在の話になってからイマイチになった。
読むのに割と時間がかかったため、この本の冒頭の話もすっかり忘れていて、後半でその話が出てきた時に、ああ、なるほどな・・・となった。
何となく、言葉にできないけど、どうにも読んでいて違和感やおかしいな・・・と感じる話だった。
登場人物の言動に、どこか私の感覚とは違う、ズレを感じるからだと思う。
人はそんなにきれいに自分の中にある本当の姿を隠しきれるものだろうか。
何十年もの付き合いの中でそれに気づかない、感じないもんだろうか。
私が主人公の奥さんだったら、とてもじゃないけど自分を痛めつけた人間に関係のある所にはいられない。
何故、この夫婦は・・・というか妻は娘に本当の事を話して捨て身で向き合わないんだろう。
寺に行く前に。
などなど。
ただ、色んな事柄をきれいにまとめてるな・・・と読み終えて思った。
この話を読むと、正義とか善とかいうのと正反対の所にある悪が実は紙一重にあるもののように感じた。
行き過ぎた正義、偽善、それってもう善を通り越して悪に姿を変えてるって事か・・・。
主人公は有名な会社の社長。財産もあり、家庭も順風満帆な彼だが、実はある秘密を抱え...
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図書
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(13人)
93. 三匹の子豚
真梨 幸子‖著
講談社 2019.8
あめんぼう さんの評価:
いつものように登場人物が多く、途中、他の事をして再読したら訳が分からなくなってしまった。
・・・と言っても今までのこの作者の本に比べると分かりやすい方だとは思う。
話の後半では分かりやすいように、人物相関図も図として作中にあった。
物語の冒頭に、1960年代に一人の女性が引き起こした集団殺人事件について書かれている。
その後、始まる本文。
大まかに二方向から話が進む。
一つは、母親から自立を言い渡される三姉妹の話。
彼女たちはその後、それぞれ「レンガの家」を建てる事を目指して生きる。
そして、それぞれ娘を産み育てる。
もう一つの話は、父親から祖母が危篤だという電話を受ける男性の話。
冒頭の話、三姉妹の話、男性の話。
それぞれ、全くつながりがないと思われる話が結末では一つになり、事件の真相も見えてくる。
-という形の話。
文字が大きいので読みやすいし、文章が面白いのでスラスラ読める。
だけど、読み終わって特に思う所もなし・・・というのはいつも通りで、読んでる時に面白いからいいか・・・となった。
もし、この話を通して作者の言いたい事が何だろうって思った時、出てくるのは、やはり「女性は弱い」って事。
たった一人の男にここまで人生狂わされるなんて・・・。
表紙の絵は初めて見たけど、絵から少女たちの内面が見えてくるようで、この話に合ってるな・・・と思った。
いつものように登場人物が多く、途中、他の事をして再読したら訳が分からなくなってし...
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図書
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(8人)
94. カインは言わなかった
芦沢 央‖著
文藝春秋 2019.8
あめんぼう さんの評価:
カインとアベルのバレエ舞台。
そのカイン役の男性が失踪した。
彼の替りに他の劇団員の男性が代役に抜擢されるも、彼は演出家の厳しい指導に疲弊していく。
さらに、失踪した男性の恋人の女性は彼を探し始める。
他にも、失踪した男性の弟で美形の画家。
彼の恋人。
絵のモデルの女性。
演出家の厳しい指導により娘を亡くした夫婦。
と、劇に関係ある人物のそれぞれの視点で話は進んでいく。
一言で言って、分からなかった。
同じような場面が何度も出て来て退屈だし、登場人物の心情に共感できなくて文章を端折りつつ読んだりもした。
だから理解できなかったし、読み切れてないというのもあるけど、芸術家なら「この心情分かる」という話なのかもしれない。
読み切れてないせいで、犯行動機も分からなかった。
この人物の話、ここまで細かく書く必要あるかな?と読み終えて思うようなのもあった。
自分に関係ない世界の話でも、全く違う環境の人の話でも登場人物の気持ちが分かる時は分かる。
そういう本は引き込まれるように読む。
面白い。
これは特に、分からないならそれでいいかという本だった。
カインとアベルのバレエ舞台。そのカイン役の男性が失踪した。彼の替りに他の劇団員の...
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図書
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(15人)
95. とめどなく囁く
桐野 夏生‖著
幻冬舎 2019.3
あめんぼう さんの評価:
主人公は父親くらいの歳の離れた裕福な男性と結婚した女性。
彼女の前夫は海で行方不明になり、八年間帰りを待つも帰ってこなかった。
その間に出会った今の夫と結婚し、穏やかな日々を過ごしていた彼女に元夫の母親から連絡が入る。
前夫に似た人を見かけたとー。
それを機に彼女は親友、前夫の釣り仲間に連絡を取り、話を聞く。
その中で当時は知らなかった出来事が次々と分かる。
親友が釣り仲間の一員で、その中の一人とつきあっていたこと。
夫が仕事上の悩みがあり、自殺したのではないかということ。
釣りに出かけて他の事をしていた可能性があることー。
さらに、今の夫の娘で、彼女と同じ歳の女性がブログに、彼女たち夫婦の事を悪意をもって書いていることを知る。
読んでいて、ふと以前友達に言われた言葉が浮かんだ。
職場の人間関係に悩んでいた私に、友人は、
「結局、人が何を考えとるかなんて分からんよ。だから、そんなん考えても仕方ない」
と言った。
それを聞いた時、確かにそうだ・・・と思いながらも、でも考えまいとしても考えてしまうんだよな・・・と当時は思っていた。
どこまでも前夫の事、義理の娘の事を考える主人公を見ていて、
この物語の主人公の女性はそれほど今の夫を愛してないのではないか。
今の生活にどこか満足してないのではないか。
さらに、もし今生活に追われて忙しくしていたらこんな風に考える事もないんじゃないか。
心に隙間があるから、これほど過去に心が揺さぶられるのではないか。
そして、まだ会ってもない娘のブログに動揺して恐怖を覚えるのではないか。
あの時、あの人はこう思ってるだろう、ああだろう、と悩む私みたいに・・・。
自分の分からない、どうしようもない事を考え出すととめどなくて、ごうごうと頭の中でそれらがリフレインする・・・。
それがこの本の言いたい事かな・・・と思ってたら後半違う方向に進んで、結末を見るとそういう事じゃなかったのかな・・・と思った。
面白くてすぐに読めたけど、後半はあまり好きじゃなかった。
主人公の女性の言動がチグハグな感じで、話し方も気取った感じなのが好きじゃない。
優しい、理知的と描かれているけど、それは中途半端なものだと感じた。
彼女の母親の考え方が、合理的と書かれているけど、その方が私には好感がもてた。
主人公は父親くらいの歳の離れた裕福な男性と結婚した女性。彼女の前夫は海で行方不明...
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図書
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(2人)
96. ブラック・ドッグ
葉真中 顕‖著
講談社 2016.6
あめんぼう さんの評価:
草食主義であり、過激な動物愛護団体の「DOG」。
彼らは、
理想的な犬を生産するため、過酷な交配で犬をボロキレのように扱う企業とそれに対をなす、遺棄され処分される運命にある犬たちを救うボランティア団体の集う場所に「黒い犬」をはなつ。
そこには中学生の団体、上手に生きられない息子と老いた母親もいた。
ボランティア団体の一見いい人っぽい代表。
そこに属する女性と彼女の恋人。
自閉症で特別な能力をもつ中学生の少年とその幼馴染、彼をいじめるクラスメートたち。
犬を生産する企業の代表と犬の心が分かるというカリスマ的な女性。
政治家ー。
彼らに「黒い犬」は襲いかかる。
割に分厚い本だけど、すぐに読めてしまった。
内容よりも文章で読まされたという感じ。
これを下手に書いてたら、ただのつっこみどころ満載の小説になっていたと思う。
登場人物が多く、彼らが個性的で一人ひとりをちゃんと描いているのが良かった。
彼らがどうなるんだろう?
という思いでぐいぐいと惹きつけられる。
考える所もいろいろとある本だった。
ただ、「DOG」という団体のしている事は矛盾だらけだと思う。
人間と動物は同じ、平等だと言い、黒い犬を仲間だとしながらも彼らを殺人マシーンとして利用している。
自分の手を実際に汚す覚悟もなく、上から見下ろしている人間たちは見ていて気持ち良くないし、共感もできなかった。
天使のように可愛い白い犬と狂暴で巨体の黒い犬。
その差は遺伝子上ではほんのわずかな差だと言う。
同じように自閉症の少年と他の子たちの違いもほんのわずかな差。
元々は同じ種なんだから・・・。
それなのに、周りの扱いは全然違う。
自分たちと違う性質のもの、違う主張のもの、そういうのはただ排除すればいいんだろうか。
この本では他にも対なるものが多く描かれていた。
犬を繁殖の機械としか見ない団体と処分される犬を救う団体。
人生上手に生き抜いてきた人、生きるのが下手な人。
貧しく泥臭く生きてきた人間とインテリや金持ちの人間ー。
それらもこの本の結末の視点からすると、そう大した差ではないのかも・・・と思ってしまう。
この本を読んで、ペット業界は裏の世界とのつながりが昔からあるというのは初めて知った。
ペットブームの昨今、その裏にあるものはどういうものか知っておくのはいい事だと思う。
こんな風にいろいろと考えさせられる本で、それだけに視点がバラけたような気もする。
後味の良い本ではないし、犬好きな人にとっては読むのがつらい本だとは思う。
草食主義であり、過激な動物愛護団体の「DOG」。彼らは、理想的な犬を生産するため...
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図書
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(5人)
97. 虎を追う
櫛木 理宇‖著
光文社 2019.9
あめんぼう さんの評価:
主人公は元刑事の男性とその孫。
二人は30年ほど前に起きた女子児童暴行殺害連続事件の犯人が冤罪でないかと疑問をもち、世論に訴える手段に出る。
その方法はネットで、その協力者として孫の友達で今は引きこもりの少年も仲間に加わる。
事件には二人犯人がいて、一人は既に死亡、もう一人は主犯格ではなく、性格的にいって、あんな残虐な事件を起こすような人間ではないー。
その認識だったが、犯人に接見し、その周辺を当たる内に元刑事は彼が何かを隠している、と直感する。
やがて彼らのネット配信は世の中で大きな関心を呼び、テレビ番組まで企画される。
本当にこれは冤罪事件なのか?
そんな中、「虎」と名乗る犯人からコンタクトがあり、事件は大きく動き出す。
ぐいぐい読まされた。
犯人は誰だろう?その一点で。
読んでいる間、こうだろう、ああだろうと自分なりに推理していたが、それらは見事に外れて気持ち良かった。
犯人を推定するのはかなり難しかったと思う。
この本では何度も何度も少女が暴行されて殺される場面が描かれている。
それはものすごく残虐で、しかも同じような場面で、読むのがつらくはなるけど、必要な文章だったと思う。
どれだけ犯人が憎く思えるか、こんな行為がどれだけ非人道的なのか、それをしっかりと落とし込む必要があったと思う。
それあってのラストー。
やるせなくなるけど、それが現実だと思う。
今までの歴史からいって・・・。
残念なのは犯人の犯行動機がイマイチ、ピンとこないこと。
あれだけ残虐な事をするならそれなりに何かあると思いきや、これを見ると生まれつきの性癖なのか?性格の問題なのか?という感じだった。
主人公は元刑事の男性とその孫。二人は30年ほど前に起きた女子児童暴行殺害連続事件...
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(7人)
98. インドクリスタル
篠田 節子‖著
KADOKAWA 2014.12
あめんぼう さんの評価:
主人公は自社製品の開発に必要なクリスタルを買い求めるためインドを訪れた男性。
そこで彼は良質なクリスタルとロサという少女と出会う。
ロサはインドの有力者の家で下働き兼娼婦として働いていた。
彼女が相当な知能の持ち主で優秀な少女だと見抜いた主人公は彼女をそこから救い出し、教育の場を与える。
一方、クリスタルの買い付けでは思いもしないような出来事が次々と起こり難航する。
これを読むと相当綿密な取材と膨大な資料により、インドという国を理解したのだろうという事が分かる。
それを伝えたいという作者の熱意が伝わってきた。
ものすごいボリューム。
だけど、二段書きの文章は私にとってあまりにも長すぎた。
特に、途中のインドでの取引についてのあれこれ。
相当過酷な土地で、こういう人たちとビジネスで渡り合うのは骨が折れる所じゃないな・・・というのは分かったものの、読んでいてここまで細かく書かなくても・・・と退屈だった。
ロサという少女は人間爆弾にしたてられたり、売春婦にされたり、幼い時から相当に過酷な人生を生き抜いてきたカリスマ性のある少女・・・だけど、した事を考えるとどうしても好きにはなれない。
私がこの本を読んで救いを感じたのは、何にも感情を動かさない彼女が主人公の事を人間的に好きだったのだろうという事。
主人公の男性が良識的で人間的に好ましい人間だというのも救われた。
インドではカースト制度という厳しい身分制度があり、底辺の人々は人間扱いされない。
特に女性は。
その辺が詳しく書かれており、そういう人たちは生まれてからそうだから諦めてたり、傷つかないのか、というとそうじゃないんだって伝わった。
彼らは普段何も思ってないように過ごしているけど、その中にはマグマのように猛烈な怒りの炎が燃えている。
きっかけがあればいつ爆発するか分からないようなものを抱えている。
だからこそ人間なんだって、そして、それが生んだ後半の出来事なのだと思った。
主人公は自社製品の開発に必要なクリスタルを買い求めるためインドを訪れた男性。そこ...
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図書
(12人)
99. 震える天秤
染井 為人‖著
KADOKAWA 2019.8
あめんぼう さんの評価:
主人公は記者の男性。
高齢者が運転していた車がコンビニに突っ込み、経営者の息子である店員が死亡した事件を追う中、事件の別の側面を見出してー。
とにかく、退屈だった。
読んでいて何度も寝てしまい、中々ページが進まなかった。
途中斜め読みになりつつ何とか読み終えた。
事の真相は途中までは読めた。
そこから先を読むというのはちょっと難しかったと思う。
結末が読めても面白い本というのはあるけど、この話は私にとってそうじゃなかった。
登場人物に魅力を感じなかったし、結末以外の話に引き込まれる事もなかった。
主人公は記者の男性。高齢者が運転していた車がコンビニに突っ込み、経営者の息子であ...
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(3人)
100. 腸詰小僧
曽根圭介短編集 曽根 圭介‖著
光文社 2019.8
あめんぼう さんの評価:
皮肉のきいたブラック味の短編集。
7話収録。
「腸詰小僧」
主人公は記者。
両親と女性を殺害し、ソーセージにした犯人を直接取材した事があり、それを突き止めた被害者の父親が彼に接触してきた。
その父親は犯人の居所を知りたいと言う。
主人公には弟がいるが、弟は今ストーカー女に悩まされている。
弟に借りのある主人公がした事はー。
「解決屋」
殺し屋のスズキとその半生。
「父の手法」
主人公は介護施設で働く女性。
入所者の老人で彼女を見たとたん、怯える男性がいて、彼はやがて自分の犯した罪について語り始める。
主人公はその話が真実なのか、当時の事件を探るー。
「天誅」
児童ポルノ特捜班で、娘の裸をネットにさらす犯人を追う刑事たち。
同級生の少女が父親から性的虐待を受け、何とか彼女を助けようとする小学生の男の子。
刑事たちの話では、やがてネットカフェで犯人らしき男が来店したという情報が入り、小学生の男の子の話では大人たちに相談してもらちが明かず「天誅」と称し男の子は同級生の父親を殺そうとするがー。
「成敗」
元妻に恨みを抱く男性。
彼は犯罪をおかした人間のグループセラピーに参加し、そこで一人の女性と出会う。
彼女は罪を犯した人間を「成敗」する「新選組」のメンバーだと言う。
「母の務め」
誘拐の片棒をかつがされて刑務所に入った息子をもつ母親。
弁当工場で働き、新しく入ったバイトの女性に恋する男性。
全く接点がないと思われる両者にはある接点がー。
「留守番」
家で留守番をする男性。
そこに娘の婚約者と名乗る男性が表れるが、話をしているとどうもつじつまが合わない。
彼は偽物ではないのか疑った主人公がした行動はー。
どの話も皮肉がきいていて、ブラック味が漂っている。
だけど、どこかマンガチックで読んでいてユーモアを感じる。
とにかく、上手に騙された!
そのひと言。
こういう犯罪を犯すのはこういう人だろう・・・という読み手の固定観念を上手に利用して、その思いこみでもって、結末で「あ、そうだったの?」とさせる。
しかも、1話、2話とそういう話だったので、3話目もか、騙されないぞ・・・と読んでいたら、次はこうきたか・・・となる。
とにかく巧みで、それが奇をてらった、という体でないのがいい。
ただ、難を言えば、同じような話が多く、続けて読んでいるとどれがどれか分からなくなるという事。
私はこの本を読んで、自分が固定観念が強い人間なんだな・・・と改めて知った。
皮肉のきいたブラック味の短編集。7話収録。「腸詰小僧」主人公は記者。両親と女性を...
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