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レビュー一覧 (204件)
あめんぼうさんの投稿レビュー/東温市立図書館
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(7人)
111. 初恋さがし
真梨 幸子‖著
新潮社 2019.5
あめんぼう さんの評価:
主人公は調査事務所の所長である女性。
初恋の人探しますという、「初恋さがし」の名目を掲げる彼女の元に調査依頼に来るのはちょっと訳ありで癖のある人々。
そして、事務所で働く面々も癖のある女性ばかりでー。
結局、彼女が携わった案件に関わった人々が次々と死んでいく。
いつも通り、登場人物が多く、微妙にそれらの人々が関わっていて、しかも勘違いさせるように書かれているために読み進めるごとに訳が分からなくなってきた。
本来なら遡って読んで把握しながら読んだら良かったんだと思うけど、それすら面倒になって分かったつもりになって読んだ。
そんな調子でも最終的にはとりあえずの人間関係、結末は一応把握できた。
結末を知って驚くという事もないし、これを読んで何か印象に残るとか、心に響くとかいう事はなかった。
でも、読んでいる時はそれなりに楽しめる。
登場人物紹介が癖のある人間ばかりで、その人物の行動や考えが読んでいると笑えた。
作風としてはブラック味のあるものだけど、恐いという事もなく、むしろ私には滑稽でコミカルな本に思えた。
主人公は調査事務所の所長である女性。初恋の人探しますという、「初恋さがし」の名目...
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(9人)
112. ブルー
葉真中 顕‖著
光文社 2019.4
あめんぼう さんの評価:
平成の中期と後期に起きた2件の殺人事件。
最初の事件の被害者は夫婦と長女、その子供。
犯人は凶器に指紋が確認された一家の次女で、次女は家族を殺害した後、風呂場で変死をしていた。
その犯行には共犯がいたとされる。
事件を追う中、引きこもりとされていた次女が実は家出をしていて壮絶な人生を送っていた事が分かる。
彼女には子供がいて、その子供の名前は「ブルー」と言う。
後に起きた事件は、内縁関係にあった若い男女の殺害事件。
彼らには子供が二人いて、その内の一人を虐待していた。
その二つの事件に関わる人たちーベトナム人の女性、事件を追う刑事、事件の証言をする人たちの話が細切れに、代わる代わる進んでいく。
話は登場人物が多くて、彼らの話が代わる代わる進んでいくので、ゴチャゴチャになりそうだけど、そうならなかった。
それに、話が短く区切られていくと中々話に入りこむのが難しいけれど、そういうのもなかった。
とても読みやすく、読んでいく毎に自然に引き込まれて読書できた。
この本は平成に起きた事件という事で、物語の中には当時の平成に起きた出来事が散りばめられていて、読んでいると懐かしい・・・と思った。
この本を読むまで忘れていた事もいくつかあった。
そして、事件とあわせて読んでいくと、平成というのはどういう時代だったのかというのが改めて見えてきた。
どんどん衰退していき、格差が広がり、それが見えにくくなっているーまるで張り子の虎のような時代、そんな風に見えてきた。
この世の中は弱い者には徹底的に厳しい。
そして、取りやすい所から搾取する。
それがもう既に当たり前になっておかしいと感じる人間が少なくなりつつある。
虐待、貧困、援助交際ーそんなディープな事が描かれているけれど、読むのがつらくなるような書き方でなく、それなのに伝わってくるものがあった。
むしろ、露悪的に書いてあるものよりも見えないものを想像させ、刺激させて読ませてくれた。
この作者の本を読む度にどんどん筆が洗練されて言ってるな・・・と思う。
平成の中期と後期に起きた2件の殺人事件。最初の事件の被害者は夫婦と長女、その子供...
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113. 平気で他人を攻撃する人たち
加藤 諦三‖著
大和書房 2019.1
あめんぼう さんの評価:
平気で他人を攻撃する人たちはどんな人たちで、どうして彼らはそういう事をするのか、というのを説いた本。
これを読むと、周囲にいる「困った人」がどうしてそうなったのか分かるけれど、彼らを理解して許そうという本ではない。
むしろ、そんな人たちには関わってはいけない。
という事を思わされる。
誰がどんな事情をもっていようと、それは他人には関係ない事だと思う。
それなのに、彼らは他人に関係ない自分の事情でもって人を振り回す。傷つける。
私は平気で他人を攻撃する人たちに攻撃される側の人間だとはっきり自覚している。
家庭でも職場でもずっとそうだった。
そして、ずっと我慢して、我慢できなくなったら逃げてきた。
何故いつもそうなるのか。
それは私が、
弱くて優しい。
彼らにはそんな風に見えるからだと思う。
こいつなら反撃をしない。
おとなしそうでやりやすい。
そんなオーラが出てるんだと思う。
だから、この本では攻撃されないように、優しさと弱さを隠すように、とある。
私はそうしているつもりだけど、でも攻撃的な人間にはまるで獲物がうろついているように光って見えるんだろう。
道を歩いていてもやたら知らない人に声をかけられるし、声をかけにくいような雰囲気を出しているつもりでもたくさんいる中の私を選んで声をかける。
攻撃する人間、攻撃される人間、どちらとも原点となる人間関係を解決しなくてはならない。
私は彼らに近づかないのが良い、という結論にいたっている。
少なくとも今の所は。
他の加藤諦三さんの本に書かれている事と変わらないような事が書かれている本だけど、それはむしろブレてないという事だと思う。
そして、他の本と同じように、巷にあふれる自己啓発本のようにだからこうしろという具体的なノウハウは書かれていない。
だけど、私の事を分かってくれる数少ない人がこの世にいると思える本だった。
平気で他人を攻撃する人たちはどんな人たちで、どうして彼らはそういう事をするのか、...
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(3人)
114. いきぢごく
宇佐美 まこと‖著
角川春樹事務所 2019.3
あめんぼう さんの評価:
このタイトルと、これまでのこの作者の作品からして、どれだけハードな内容かと思ったらそうでもなかった。
むしろ、甘い、と感じた。
それは主人公の性格と話の筋。
読めば読むほど、自分に酔う主人公の性格に嫌気がさす作品だった。
主人公は親友と旅行会社を立ち上げ働く女性。
彼女には彼女の事を熱烈に慕う年下の恋人がいるが、彼女は彼との関係に冷めている。
それは彼女に他に想う男性がいるから。
その男性とは姉の夫で、姉夫婦は今イギリスで暮らしているが、近く帰国すると言う。
そこで浮上したのが、彼女の生家である、遍路宿の存在。
さらに、旅行会社の企画で四国八十八か所巡りの企画がもちあがり、その家にスポットライトが当たる。
今は近くの老女とその息子に管理を任せてあるその家に久しぶりに帰った彼女はそこで一冊の手記を見つける。
それはある女性の遍路日記で、彼女はその内容に引き込まれていくー。
罪を犯し、自分を罰する女性お遍路さんも、罪な関係に罪悪感を覚える主人公の様子も私には自分に酔ってるようにしか見えなかった。
それは後半、主人公が思った一言で頂点に達した。
自分と兄の関係は不倫などというありきたりな言葉では言えない、などという言葉。
じゃあ、何なん?と突っ込んでやりたくなる。
純愛とでもいうんじゃないだろうな!と心の中で罵った。
罪を犯したというのなら潔く償えばいいのに、それをせずに自分を痛めつけてそれで償った気になるなんて、ただの自己満足だと思う。
とにかく、そんな甘えがこのストーリー全体にも漂っていた。
普通に自由な恋愛をして、それで自殺するなんて、どれだけその人を好きだとしても可哀相なんて思えない。
主人公が好きな義理の兄も何じゃ、この不実な男・・・としか思えなかった。
彼らの全ての行動や思いが私には響くものがなかった。
彼女たちにもっと共感できる所があって気持ちが汲めれば感動できる作品となったのかも・・・と思う。
このタイトルと、これまでのこの作者の作品からして、どれだけハードな内容かと思った...
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(4人)
115. 一日の苦労は、その日だけで十分です
三浦 綾子‖著 三浦綾子記念文学館‖監修
小学館 2018.4
あめんぼう さんの評価:
三浦綾子さんのエッセイ。
タイトルに沿った内容の本というよりは、様々なテーマでもって書かれたものをひとつにまとめたようだな・・・と思いながら読んでいたらやはりそうだった。
今まで別の本や媒体で発表されているエッセイを抜粋したものらしい。
読んでいると途中から涙が出てきた。
それは、知恵おくれの子供の事について書かれた箇所。
その10歳の子供は三浦綾子さんに、
「まんじゅう甘いぞ」
「母さん、今日くるんだ」
と何度も言ったと言う。
それを見ていた友人から後で、その子の母親はもう2年も来ないのに、毎日そう言うのだ、というのを見て涙が出た。
しかも、その話を淡々と書いていて、だから余計胸に迫った。
そんな話や、ご自身の病気の事、死生観、ご主人との関係などについて書かれていた。
まず、最初の話「この夢は誰の計らい」という話を読んで、日々を丁寧に生きようと思った。
それは日頃自分のことを敵視する人間の夢を見たという話で、それに対してこういう事を思えるという心持ちに感心した。
私なら夢占いでも見ておしまいになってる。
そんな何気ない出来事をおざなりにしない。
それは、丁寧に日々を生きているからで、だからこそ感じること、受け取れることがある、そして、その姿勢はどこから生まれたものなのか、というのも後々の話で分かった。
そういった話を読んでいて、この本を読んでいる間だけでも私も心が少し穏やかになれたし、三浦綾子さんという人について今までよりも理解を深くできたと思う。
それが、ああいう作品たちにつながっているんだな・・・と思えた。
心は何故あるのか、という話も印象的で共感した。
『神はどうして私たちに、心というものをお与えになったのか。それは与えられている一切を受け止めるためではないか。善きものも、苦しいことも、思わしくないことも、すべて受け止めるためではないか。病気もまた、私たちには計りしれない大きな知恵によって、なにか意味があって与えられるのではないか。だから病気もまた恵みであるし、幸せなのだ。そういう気がするのです。』
悪い事は見て見ぬふり、いい事、ポジティブな事を心にとどめよう、というのに普段から反発を感じているけど、それはこういう事なのだな・・・と思った。
ただ、こういう境地に生きている間、いけるかどうか分からない。
病気になった時、もう一度この本を読みたいと思う。
三浦綾子さんのエッセイ。タイトルに沿った内容の本というよりは、様々なテーマでもっ...
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116. 逃げ出せなかった君へ
安藤 祐介‖著
KADOKAWA 2019.3
あめんぼう さんの評価:
ブラック企業に勤める社員と彼らに関連した人々の連作短編集。
1話を読んだ時点で、「あ~、これはダメだ」となってほぼ斜め読みになった。
文章が面白くない。
私には合わなかった。
登場人物の心情に全く入りこめず、ただ、「大変だよね・・・」となってしまった。
最初の話はブラック企業に勤める社員たちの物語。
彼らの内の一人が事故死する。
続く話は、彼らが立ち寄った居酒屋チェーンの店長の話。
続いて、事故死した社員の父親の話、その父親と関わった警察官の話、彼らに関わりある美しい非常勤講師の話、そして最終話にまた最初の話の主人公の話で締めくくられると言う形式になっている。
読めないと思い、斜め読みしていたら、途中ちょこちょこと面白いと思える部分もあった。
でも、全体通して私には伝わるものがなく、退屈だった。
最初の話を読んで、「この人、自分に酔ってるな」と感じたのがこの本を読み終えての感想になった。
まるで、自己犠牲、欺瞞を美しく描いているように感じた。
ストーリー自体は面白いと思う。
構成もいいので、書きようによっては面白いと思えたと思う。
ブラック企業に勤める社員と彼らに関連した人々の連作短編集。1話を読んだ時点で、「...
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117. 白昼夢の森の少女
恒川 光太郎‖著
KADOKAWA 2019.4
あめんぼう さんの評価:
どこか不思議で怪しげな雰囲気の漂う話が10話おさめられた短編集。
作者のあとがきによると、この短編集は今まで本におさめられず埋もれていた作品やアンソロジーにおさめられていた作品の寄せ集めらしく、それだからか、SFチックなものもあればホラー色の強いもの、ダークファンタジーっぽいのと、様々な雰囲気の作品が収録されている。
すごく短いもので、とりとめもない作品もあり、それは読んだ先から忘れてしまったけれど、中にはすごく印象的で、情景を想像するとその世界に入りこんでしまうような、そしてどこか哲学的でささるものもあった。
「古入道きたりて」
突然の雷雨により雨宿りした山の中の一軒家。
そこで男は家主である老婆から「古入道」が夜現れるという話を聞いて、実際目の当たりにする。
「焼け野原コンティニュー」
焼野原となった世界をさまよう男の話。
「白昼夢の森の少女」
森に意識を侵食された人々の話。
「銀の船」
大きな銀の飛行船に乗り、この世界から離れた女性。
その船は乗る時はお金を出せば乗れるが、降りる時は肉体に変異を生じると言う。
「海辺の別荘で」
海辺の別荘で、カヤックで島に到着した女と話をする男性。女がこの島に流れ着いた訳はー。
「オレンジボール」
ボールになった「ぼく」の話。
「傀儡の路地」
傀儡に操つられ、自分にとってよろしくない行動に走る人々の話。
「平成最後のおとしあな」
平成のスピリットと名乗る女性からの電話をとる女性。
彼女は通話の中で、平成について回顧する。
「布団窟」
見知らぬ人の家で布団の穴に引きずり込まれそうになった経験をもつ男性。
「夕闇地蔵」
生まれた時から色の判別がつかず、その代わり、別の世界が見える男性。
彼は幼馴染が殺人をおかしている事を知るがー。
個人的には、「布団窟」と「夕闇地蔵」が良かった。
どの話も、話の筋がいい、というよりも、発想が独特で面白くイメージが広がる。
その想像の世界でしばし遊ぶ、という感覚が良かった。
どこか不思議で怪しげな雰囲気の漂う話が10話おさめられた短編集。作者のあとがきに...
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118. 友達未遂
宮西 真冬‖著
講談社 2019.4
あめんぼう さんの評価:
山の中にある寄宿舎で生活する4人の女子高生の物語。
母親に見捨てられ、実の祖父母にも冷たくされ、結局、寄宿舎に入る事になった茜。
その寄宿舎でマドンナ的な存在の桜子。
男っぽい性格で美大を目指している千尋。
天才的な美術の才能がある真琴。
全寮制の女子高である、彼女たちのいる高校では歴代受け継がれている、ある制度がある。
それは3年生が1年生とペアを組んで、指導するというもので、マザー制度と呼ばれる。
茜と桜子、千尋と真琴はそれぞれペアを組み、一緒に生活していく中で彼女たち、それぞれの事情や思惑が見えてくる。
彼女たち、それぞれの目線で描かれた話がパートごとに分かれて進む。
そして、最初は分かり合えなかった彼女たちがお互いの事情が見えてくる事によって分かり合う関係になっていく。
これを読んでいて、自分と彼女たちを置き換えて読んでいた。
私が苦手だと思う人、嫌いな人。
それらもこの物語のように、その人の事情が分かれば、「ああ、この人にもいろいろあるんだな・・・」と、多分、分かり合えるまでいかなくても今ほど嫌、苦手一辺倒じゃなくなるだろうな・・・と。
だけど、そういう個人的事情というのは大人になればなるほど皆見えにくくなるし、だから分かり合いにくいという事になるんだろうな・・・と思う。
大人になると親友ができにくい。
と、昔から聞く言葉だけど、それはそうだろうな・・・と思う。
女ばかりの世界の話で、ドロドロした所も描かれている話だけど、それはさほど過激なものじゃない。
私とは全く年代の違う少女たちの物語なので、書き方によってはすごく退屈な本になっていたと思うけど、この本はそんな事はなかった。
一気に読めたし、一気に読む方が面白い話だと思う。
山の中にある寄宿舎で生活する4人の女子高生の物語。母親に見捨てられ、実の祖父母に...
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119. わたつみ
中央公論新社 2017.2
花房観音 著
あめんぼう さんの評価:
主人公は、東京で映画監督をしていたが、とある事情により故郷に帰り、カマボコ工場で働くようになった女性。
そのカマボコ工場では様々な事情を抱える女性がいて、
主人公の同級生で、バツイチの女性。
彼女は元夫と再び関係をもっている。
かなり年上の夫がいる、モデルのような外国人女性。
生まれてから一度も男性とつきあった事のない女性。
都会からこの街にやって来て、自然食品を扱うレストランを営む夫婦。
それらの人々に少しずつ関わっているのが、バツイチ女性の後釜に座り、民宿のおかみとして町おこしをはかる若い女性ー。
最初はこれらの女性のそれぞれの目線で彼女たちの心情や状況が語られていて、その合間に主人公目線の話が入るという形式だった。
それはとりとめのない感じだったけど、そのパートを読んでいる時が面白かった。
何だかんだと、女性特有のそれぞれの悩みがあり、共感できたり、そんなものかと思いながら読んでいるのが楽しかった。
多分、そんな感じでずっと続いていくんだろう。
そして、不倫している女性や民宿の後妻の話もあるんだろうと楽しみにしていたらそうでなかったのがガッカリだった。
中盤あたりから主人公の話主体になり、最後に彼女がどうして映画監督という仕事や都会を捨てて故郷に帰ってきたのかが語られている。
そこに関しては特に新鮮な驚きというのもなく、想像していた通りのもの、という感じだった。
この小説をひと言で自分なりに言うと、女性の性(サガ)と性を描いた本だと思う。
ただ、性描写が多い作品だけど、そこに特化したという訳でもなく、嫌悪感を抱くような描写ではない。
地方都市ー何かあればすぐ話題になるような所の、さらに狭まったカマボコ工場という場所。
そんな閉塞感感じる場所で生きる女性たちの、人に言えない暗い部分が怪しく描かれていた。
主人公は、東京で映画監督をしていたが、とある事情により故郷に帰り、カマボコ工場で...
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120. 未来
湊 かなえ‖著
双葉社 2018.5
あめんぼう さんの評価:
久々に一気読みした。
最近、心が不安定で本を読むのに集中できない。
だから、一冊読むのに相当時間を要しているのに、この本は3時間ほどで読んでしまった。
この本では物語の視点となる登場人物ごとにいくつかのパートに分かれている。
最初のパートは、未来の自分からの手紙を受け取った少女の話。
彼女は父親を癌で亡くし母親と二人暮らし。
所が、母親は精神的に不安定な人で、だけど美しい彼女に男たちが寄ってくる。
そんな生活状況を未来の自分にあてた様子で描かれている。
続く、パート1というパートでは、最初に登場した少女の友達の話になっている。
彼女も家庭環境は複雑で、父親の虐待に苦しめられている。
しかも、彼女の弟に対して父親がした事は虐待にとどまらずー。
パート2は、少女たちの学校の女性教諭の話。
パート3は、最初に登場した少女の父親の話。
そして、終章で締めくくられる。
この本では常に二種類の人間が登場する。
弱い人、その弱い人を利用する人。
美しい人、醜い人。
悪魔のような人、その悪魔に虐げられる人。
人の心を壊したり、大事なものを奪ったり、辱めたり、自殺まで追いつめたり・・・。
それらの事を平気でして普通に生活できる人たち。
そして、そのせいで人生を狂わされて普通に生活を送る事ができず、何故か悪者にされる人たちー。
残念だったのは、この本を読む前に、普段ならしないのに人のレビューをチラッと見てしまい、その冒頭にこの物語の要になっているような事が書かれていたこと。
それを頭に入れて読んでいたために何となく予想がついた部分があったのが残念だった。
夢中になって先に先に読んでしまう本だったけど、何となく違和感もあった。
それは何で最初に手紙の形式にしたのか?とか、母親はいくら精神的に病んでるといっても、子供の異変に全く気付かなかったのかーとか。
また、未来の自分から手紙を受け取るという設定ありきで書かれているようなのも気になった。
ただ、結末はタイトル通りの未来を感じさせて良かった。
どんな事があろうとも、未来を自分の手で切り開く事ができる。
そんなメッセージを受け取った。
今が苦しい人は未来からのプレゼントを受け取れる人かもしれない。
生きる事をあきらめなければー。
今より明るい未来を夢見て今を生きていよう。
そんな風に思えて、私自身も少し慰められた。
久々に一気読みした。最近、心が不安定で本を読むのに集中できない。だから、一冊読む...
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