トップ
甲斐市立図書館
ログアウト
ログイン
レビュー一覧 (11件)
ハルさんの投稿レビュー/津島市立図書館
投稿順
評価順
図書
(73人)
1. 六人の噓つきな大学生
浅倉 秋成‖著
KADOKAWA 2021.3
ハル さんの評価:
とある大企業の最終面接まで残った6人の大学生が、突如変更となった選考方法に戸惑い、お互いの裏の顔を暴け出されるのが前半の章となっており、この章の内容はお世辞にも面白いと思わせるものではなかった。(寧ろ大変不愉快な結末だと思ってしまった)。
まぁ初めての就活なので学生はある意味混沌とした気持ちの中、就活をしてる雰囲気がよくでていたので過去に就活で苦労した経験のある人なら共感できる部分は多いにあるかなとおもったくらいの感想しか持てなかった。
ただ、後半の章でどんでん返しがまっておりその内容がとても素晴らしい出来(人によっては綺麗事が過ぎると辟易するかもしれないが)になっており、主人公(仮)の思いやりや誠実さがそこかしこに表現されているので今までの印象が180度ひっくり返り感動した。
惜しむらくは主人公(仮)が既に**となってしまったこと、そして同じ経験をした他の5人(+妹)以外にはその結末が作中で提示されていないであろうと予想される為、勘違いされたままではないかと思わせる結果となってしまったことだけが物語の締めとして残念だと思う。
とある大企業の最終面接まで残った6人の大学生が、突如変更となった選考方法に戸惑い...
図書
貸出可能
(9人)
2. 九度目の十八歳を迎えた君と
ミステリ・フロンティア 104 浅倉 秋成‖著
東京創元社 2019.6
ハル さんの評価:
高校時代に片想いしていた子を町中で偶然見かけたときにフラッシュバックする当時の切なさや自己意識の塊がうまく表現されていて、あぁ学生時代はこんな感じだったなと我が身を振り返った。
作品のSF要素である不老については全く説明されず謎のまま残っているが、この作品はSF要素が売りなのではなく思春期特有の甘酸っぱさだったり若気の至りを大人になったとき振り返っていくところが主題なのでこれはこれで良かったと思う。(学生時代、優秀だったり音楽に傾倒していたクラスメートたちが世間の波にのまれながらも生きている姿は感慨深いものがあった)
作品のラストの〆で主人公と初恋の子との恋愛の行末については自分の望んだ結末にはならなかったのは、やはり同級生だったとはいえ既に9歳ほど歳が離れてしまった両者の関係がもう昔とは違ってしまったんだ。。と少し切ない思いがした。
この作者の他作品「六人の嘘つきな大学生」でも思ったが、主人公とヒロインの恋は最終的に破局(死別)に向かってしまうがそれでも後味の悪さは感じないところは素直に上手いストーリー展開だなと感心する
高校時代に片想いしていた子を町中で偶然見かけたときにフラッシュバックする当時の切...
図書
貸出可能
(10人)
3. 大鞠家殺人事件
芦辺 拓‖著
東京創元社 2021.10
ハル さんの評価:
明治から昭和初期におこった一連の事件を解き明かすミステリー小説。
どちらかというと昭和時代の連続殺人事件が主題となっており第一章は内容が薄くサラッと読み進めるのでとっかかりやすいのだが、
なにぶん昭和初期という時代背景が今より100年近く前ということもあり言葉の使い方や聞き慣れない用語があったりと(船場と呼ばれる商人街特有なこともある)古き時代の日本を想像させる部分に以前の日本はこういうくにだったのかなと夢想させられる一作だった。
時代背景がちょうど第二次世界大戦下ということで当時の庶民暮らしぶりや庶民が感じていた思いが文章から垣間見えるのも作者が実際に見聞きしたことが本作に反映されているのかもしれないなと思わせる。
肝心のミステリー部分に関しては、トリックに多少の疑問が残るが全体的な総称としてはとても素晴らしい作品であることには変わりない。
最終章の犯人の独白「ああ、でも○○○○でいたかったな。」という切ないセリフに心揺さぶられた
明治から昭和初期におこった一連の事件を解き明かすミステリー小説。どちらかというと...
貸出不可(未所蔵)
(0人)
4. 少女探偵は帝都を駆ける
講談社 2009.8
芦辺拓 著
ハル さんの評価:
前作、「殺人喜劇のモダンシティ」の続編にして少女探偵 平田鶴子とその相棒 宇留木昌介の短編をまとめた一作
前作でも感じたのだが、時代背景を事細かに描写するモダンシティシリーズは推理小説としてだけではなく、時代小説としても一級品だなと感心させられた。
第二次世界大戦直前の大阪、東京を緻密に描写するだけでなく、その時代に生きる少女や登場人物の生き生きとした姿がまるで目に浮かぶかの如く書き込まれた本作は普段ミステリー小説を読んだことがない人にもお勧めできると一作だと思う。
本書の内容だが、今作を持って平田鶴子を主人公とする物語は終幕のためもっと読んでいたいという寂しい気持ちはあるが、同作家の他作品でもゲスト出演するようなのでまだ読んだことのないシリーズを読んで「あぁ少女探偵と呼ばれていた子の物語は続いているのだ」とノスタルジーな思いに耽ってみるのもなかなか面白そうだと今から楽しみである
前作、「殺人喜劇のモダンシティ」の続編にして少女探偵 平田鶴子とその相棒 宇留木...
図書
貸出可能
(0人)
5. 殺人喜劇のモダン・シティ
Golden thirteen 芦辺 拓‖著
東京創元社 1994.2
ハル さんの評価:
芦辺拓先生の作品は作中の時代背景や人々の生活が事細かに描写されていて、本当にその時代を生きてきたのではないか?と思うほどだが作者の生誕年を考慮してもそんなことはないため、本当に色々調べて作中に落とし込んでいるなと心から感心した。
探偵小説としての感想としては、トリックに破綻がなく(と思っているのは自分だけかもしれないが)ミステリー小説としても、時代小説としても素晴らしい作品だと思う。
登場人物たちは今ふうにいうとラノベちっくな個性を持ち合わせたキャラクターが多く、物語終盤まではミステリー小説というよりも探偵活劇を取り扱った小説だなと思うほどであった。
また、主要人物ではないが脇を固める人物たちが当時大阪で活躍していたエンジニアであったり探偵小説作家であったりと、当時を思い耽ることもできる作品だと思う
芦辺拓先生の作品は作中の時代背景や人々の生活が事細かに描写されていて、本当にその...
図書
貸出可能
(13人)
6. 名探偵のいけにえ
人民教会殺人事件 白井 智之‖著
新潮社 2022.9
ハル さんの評価:
同作家の作品としてはグロテスク要素がほぼ皆無だったので少し肩透かしを喰らったが、作品自体はよくできていた。
殺人事件自体は見覚えがありそうな密室殺人であったり毒殺であったりと奇抜なアイデアでこそなかったが、舞台背景がカルト宗教をモチーフとしたものであったので奇跡を前提としたトリックと現実的なトリックとを終盤立て続けに披露する展開は目新しさを感じる。
作中の舞台は実際に現実で発生した事件らしく、各々で当時の背景であったりを調べてみるとより作品理解度がますのでオススメ
後日談でのネタバレになってしまうのだが、最近のミステリー小説に登場する探偵は悪い意味でどこか人間味があってこの手の作中世界では生きづらそうだなーと思う(作家のラスト一捻りを加えて読者をあっと思わせたいという思いからだろうけど)
同作家の作品としてはグロテスク要素がほぼ皆無だったので少し肩透かしを喰らったが、...
図書
貸出可能
(18人)
7. ファラオの密室
白川 尚史‖著
宝島社 2024.1
ハル さんの評価:
表題から、古代エジプトを舞台とした密室ミステリーかと思いきや 内容は死者が蘇ることもあり得るという古代エジプトの死生観を元にした特殊設定ミステリーと言った方が正しい。
一応、ピラミッド内から先代ファラオのミイラが消失するという謎は存在するが、トリック自体はどこかで見たような内容な上にトリックの実行犯の行動が色々腑に落ちない(信仰する神を敬う王の遺体の扱いが雑すぎるとか等々)
登場人物については、主人公のセティについては物語の序盤から正体がほぼバレてる(物語的にはバレていてもさして問題はないが)ので古代エジプトの風習や考え方を現代人に伝える役割の登場人物としての意味合いが強い。(特に主人公人的な印象は受けない)
最後の告白は、まぁそうだよねという予想通りの結果
どちらかというと、登場時は不幸な幼い少女という役割の異邦人であるカリのほうが密室トリックの骨子を見抜いたり最後まで諦めないといった主人公的な印象を受ける。またカリはどちらかというと本作中で最も現代よりな考え方をする人物のため共感しやいキャラクターでもあった。
登場人物には歴史に名を残している実際の人物も含まれているのでそのあたりは自分で調べてみるとより古代エジプトに興味が惹かれるかも
総評すると、本格ミステリーと思って読むとちょっと肩透かしをする作品という感想。
古代エジプトに興味はあるが、本格的なミステリーはちょっとというライト層におすすめな作品という感じ
表題から、古代エジプトを舞台とした密室ミステリーかと思いきや 内容は死者が蘇るこ...
図書
貸出可能
(19人)
8. アリアドネの声
井上 真偽‖著
幻冬舎 2023.6
ハル さんの評価:
地震被害のあった地下施設から救助されるのを待つ盲ろうの女性と、なぜか見えているとしか思えないその女性の行動の謎を追うストーリー。
初見で感じたのは、昔販売された絶体絶命都市というゲームに舞台背景がそっくりだなだった。
一応、ドローンを利用した災害救助といった現代風のアレンジはされているが、次から次へと発生する災害に翻弄される登場人物は当時の作品を思い起こさせた(もしかしたら意識されているのかも?)
作品の内容としては、災害時の苦労や焦燥感よりも前述の謎が主題となっている分 実際に災害現場を知らない人でもとっつきやすい内容になっていると思う。
なお最終盤まで主人公の高校時代の友人が登場する理由がまったくわからなかったが、ラスト数ページで「あぁなるほどこのキャラを登場させるためにこのキャラは登場させる必要があったんだな」と理解できた。
(まぁ理解はできてもほんとうにあの子は無事なものなのか?という疑問は残ったが…)
地震被害のあった地下施設から救助されるのを待つ盲ろうの女性と、なぜか見えていると...
図書
貸出可能
(20人)
9. ヨモツイクサ
知念 実希人‖著
双葉社 2023.5
ハル さんの評価:
作者の他作品が面白かったので、期待していたがいざ読み終わるとこれじゃない感しか残らなかった。
まず作品自体の内容だが、よくあるB級ホラーでありしかも展開がまんま有名どころのホラー映画やモンスター映画を丸々パクっていて、映画をよく見る人には中盤あたりで既に謎解きどころか結末まで想像できてしまうという肩透かしの展開。
一応、主人公が医療従事者であるため長々とモンスターが生まれた理由や生態を専門用語であたかもあり得る風に解説しているが、よくよく考えると疑問。(そもそも巨大モンスターがでてくるにしてもその巨体にあった生態系が地方の一森にあるとは到底思えない)
まぁ色々と不満点はあるし正直言ってお勧めはできないけど、エイリアンやスピーシーズ、はたまた巨大系モンスターがでてくるB級ホラーが好きで好きで仕方ない!かつ活字で楽しみたいというひとであれば読んでみるのもいいかも。
ラストのほうで六角館のオマージュで1ページぶち抜きで主人公が犯人だと告発される一文をがあるけど、まったく驚きもない上にそこもぱくんのかいっていう図々しさにミステリー好きはちょっと反感を持たれるかも。
作者の他作品が面白かったので、期待していたがいざ読み終わるとこれじゃない感しか残...
図書
貸出可能
(9人)
10. ぎんなみ商店街の事件簿 SISTER編
井上 真偽‖著
小学館 2023.9
ハル さんの評価:
第一印象は読みやすい文体で書かれている日常系ミステリー。
3姉妹が中心となって地元の商店街にまつわる事件を調べるという日常系ミステリーなのだが、読んでる最中なぜかジャンル違い(ホラーゲーム)の夕闇通り探検隊を思い出してしまった。
登場するメインキャラクターが三人だから?なんとなく登場キャラの性格が似てるから?
ただ上記作品と違って読みやすい文体かつホラー要素は皆無なのでどちらかというとライトノベル好きな人に刺さる内容かも。
各々のキャラクターも個性豊かで可愛らしいのもポイント(個人的にはポンコツ可愛い長女の佐々美さんがお気に入り)
なお一応最初の事件で死人も出るのだが、事件の内容としては殺人事件ではなく死亡事故であるため陰鬱な印象はそれほど受けない。
本作は同名作品である「ぎんなみ商店街の事件簿brother編」も存在しており、起きる事件は同じでも明かされる真実が異なる!と帯に記載されているのでそちらの作品も気になる(というかsister 編ではまったく解明されていない謎が数多く存在するのでbrother編で解明されるかどうか非常に興味がある)
第一印象は読みやすい文体で書かれている日常系ミステリー。3姉妹が中心となって地元...
1
2
>
(c) 甲斐市立図書館
戻る
カレンダー
お知らせ
マイページ
(73人)
KADOKAWA 2021.3
貸出可能
(9人)
東京創元社 2019.6
貸出可能
(10人)
東京創元社 2021.10
貸出不可(未所蔵)
(0人)
芦辺拓 著
貸出可能
(0人)
東京創元社 1994.2
貸出可能
(13人)
新潮社 2022.9
貸出可能
(18人)
宝島社 2024.1
貸出可能
(19人)
幻冬舎 2023.6
貸出可能
(20人)
双葉社 2023.5
貸出可能
(9人)
小学館 2023.9