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レビュー一覧 (149件)
はるちゃんさんの投稿レビュー/小郡市立図書館
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図書
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(3人)
31. コモリと子守り
歌野 晶午‖著
光文社 2012.12
はるちゃん さんの評価:
引きこもりの少年、馬場由宇は、向かいのアパートに住む幼女が虐待されている事を知る。
ある日偶然通りかかったパチンコ店の駐車場の車の中に、その幼女が放置されているのを発見。
家に連れ帰り、幼なじみの舞田ひとみに相談すべく僅かな時間、家を空けている隙にその子は誘拐されてしまう。
同じ子どもが日を置かず二度も誘拐されるという意表をついたストーリー、背景にある幼児虐待、そして何より〔葉桜の季節· · ·〕を思いおこさせる藤田ひとみの毒舌の連発。
唯一、難をつけるとしたら、犯人の緻密な犯行と実像にギャップを感じたところ。
(アレだけザツでバカなヤツらが、ここまで周到な計画をたてられるとは思えない)
しかし軽妙なタッチで書かれた歌野晶午さんらしい作品で、シリーズの他作品も読みたかったのだが、小郡図書館には置いていないらしく残念。
引きこもりの少年、馬場由宇は、向かいのアパートに住む幼女が虐待されている事を知る...
図書
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(46人)
32. 朝が来る
辻村 深月‖著
文藝春秋 2015.6
はるちゃん さんの評価:
親子3人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた「子どもを返してほしい」という一本の電話。
電話口の女が口にした「片倉ひかり」は、確かに息子の産みの母の名だった· · ·
という序盤の内容から、ミステリーだとばかり思って読み始めたが、特別養子縁組をテーマにした小説だった。
片倉ひかりは中学生の時、同級生の男子と付き合い妊娠し、出産。
子どもを養子に出すが実家の母との確執から家出、
その後は、絵に描いたような転落人生。
住込みで働いていた広島の新聞販売店で知り合った女に
保証人になる書類を偽造され、身に覚えのない借金から
逃れるため横浜に移るもすぐに借金取りに見つかってしまい、職場から多額の金を盗むもバレてしまい、
返済に瀕した ひかりは子どもを養子に出した栗原家に
子どもと引き換えに金を要求する。
が、これも栗原夫妻は「養子縁組の時、泣きながら謝り続け、子どもを託した少女がこんな事をするはずがない、
貴女はいったい誰?」と拒否。
全てが悪い方へ進む、読後感が悪いストーリーだなぁと
辟易しながら読んでいたら、ラスト数ページで
いきなり栗原夫人が子どもと共に登場し、
ひかりに「信じてやれずに申し訳なかった」と謝罪。
何なんだ、この都合のいい お涙頂戴的展開は!
ここ数年に読んだ本の中で上位に入る腹立たしい
小説だった。
親子3人で穏やかに暮らす栗原家に、ある朝かかってきた「子どもを返してほしい」と...
図書
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(58人)
33. 盤上の向日葵
柚月 裕子‖著
中央公論新社 2017.8
はるちゃん さんの評価:
江戸時代の三大名工の一人、初代菊水月の名駒と
共に発見された男性遺体。
被害者の身元は?
なぜ犯人は高価な将棋の駒を一緒に埋めたのか?
と、冒頭からしっかり引きつけ、
少年時代、父親から虐待を受けていた主人公を
将棋の世界へと誘ってくれた心優しい
元教師との出会い、
「鬼殺しのジュウケイ」こと真剣師、東明重慶への
崇拝と憎悪、
主人公の実業家としての成功を知り、
金の無心に来る最低な父親から知らされた
衝撃的な出生の真実、
そして菊水月の名駒が主人公の手に渡った経緯とその後
· · ·と、全く中だるみがなく、一気に読み進んだ。
将棋の知識は皆無だが、勝負のヒリつくような
緊張感も十二分に伝わり、
読み応えのある重厚なミステリーだった。
それなのに第15回本屋大賞2位❗
大賞は辻村深月の【かがみの孤城】
私は圧倒的に【盤上の向日葵】の方が
面白かったので、納得がいかない。
江戸時代の三大名工の一人、初代菊水月の名駒と共に発見された男性遺体。被害者の身元...
図書
貸出可能
(15人)
34. ハーメルンの誘拐魔
中山 七里‖著
KADOKAWA 2016.1
はるちゃん さんの評価:
【ネタバレ】
子宮頚ガンワクチン予防接種で重篤な副作用が
出たにもかかわらず、利権のため問題をひた隠し
中止しようとしない厚労省、産婦人科協会、製薬ニ社。
義憤にかられた産婦人科協会会長の娘が首謀者となり、
因果関係は確定されないものの副反応が原因と
思われる事故で娘を喪った医師、
苛烈な副反応に今も苦しむ娘を持つ家族たちによる
集団誘拐事件が起こる。
社会問題となった子宮頚ガンワクチンをテーマにし、
スピード感溢れるサスペンスに仕上げる
中山七里さんは流石!
【ネタバレ】子宮頚ガンワクチン予防接種で重篤な副作用が出たにもかかわらず、利権の...
図書
貸出可能
(7人)
35. 風に舞いあがるビニールシート
森 絵都‖著
文藝春秋 2006.5
はるちゃん さんの評価:
・器を探して
上司である天才的ケーキ職人に翻弄され結婚との狭間で揺れる女性
・犬の散歩
捨て犬の世話をするボランティア活動に一主婦が献身する姿を描く
・守護神
大学二部で学ぶ男性がレポートの代筆を依頼するため伝説的な先輩学生を探す
・鐘の音
仏像修復に尋常ならざる情熱を燃やす不器用な職人と親方との確執を描く
・ジェネレーションX
クレームへの謝罪に赴く中堅の出版社社員と若い玩具メーカー社員の世代間ギャップを描く
・風に舞い上がるビニールシート
東京のUNHCRに勤務する女性の愛と転身
・器を探して上司である天才的ケーキ職人に翻弄され結婚との狭間で揺れる女性・犬の散...
貸出不可(未所蔵)
(2人)
36. 異国のおじさんを伴う
文藝春秋 2014.10
森絵都 著
はるちゃん さんの評価:
何気ない、あるいは少しだけ異質な日常に
登場人物が大きく心を揺さぶられ、
何らかの事に気づく様子が描かれた短篇集
· · ·と書くと、何の変哲もない小説といった
感だが、さすが森絵都さん
ハッとさせられる表現や、短編ならではの
切れ味いい終わり方で読み手を引きつける。
1.藤巻さんの道· · ·◎
〈僕〉が贈った写真集の中で最も荒んだ一枚を
気にいったという藤巻さん。
普段、笑顔を絶やさない彼女に陰の部分があるのか
と探るうちに恋に堕ちる。
藤巻さんの真実にクスリと笑わされ、〈僕〉の
一言でスパッと終わるラストが小気味いい作品。
2.夜の空隙を埋める· · ·◎
アパートの中で毎晩〈私〉とミセス・グハーの
部屋だけが停電する珍現象が発生。
原因は水道工事という事を突き止め、
二人は文句を言いに夜の街に出かける。
《星の王子様》を思い起こすラストシーンが
心に沁みる。
3.クリスマスイヴを三日後に控えた日曜の· · ·◎
人混みに疲れ果てて買い物をする気力を
失った〈私〉がプラダの靴売り場で見かけた
老婦人と付き添いの男性が騒ぎ出す。
ラスト、〈私〉の心の声
「最後に笑うのは最後まで生きて求め続けた
人間なのだ」に揺さぶられた。
4.クジラ見· · ·◎
旅先で「クジラを見たい」という彼女に渋々
付き合った男。
彼の心の中の毒舌がユーモラスで
文句を言い続けているのだが憎めない。
船酔いでボロボロの自分にに比べ、
活き活きと楽しんでいる、おおらかで器の大きな
彼女に発した最後の一言も笑える。
5.竜宮· · ·△
6.ぴろり· · ·○
7.ラストシーン· · ·○
着陸態勢に入った飛行機の中で、
映画《検察側の証人》(邦題:情婦)のラストを
見そびれた男性客が騒ぎ出す。
初めは何と我儘でハタ迷惑な乗客、と思うのだが
社会主義国に住む彼の実情と
「彼の胸を塞いでいたのは作り話の結末などでは
なかった」の文に胸が締めつけられた。
8.桂川里香子、危機一髪· · ·○
9.母の北上· · ·○
10.異国のおじさんを伴う· · ·△
何気ない、あるいは少しだけ異質な日常に登場人物が大きく心を揺さぶられ、何らかの事...
図書
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(26人)
37. 合理的にあり得ない [1]
上水流涼子の解明 上水流涼子の解明 柚月 裕子‖著
講談社 2017.2
はるちゃん さんの評価:
公に出来ない揉め事を解決するなんでも屋、
《上水流エージェンシー》を経営する
元弁護士の上水流涼子と
その助手で東大卒の頭脳派、貴山の活躍を
描いた短篇集。
軽いタッチのミステリーで、サクッと読み終わる、
ドラマに向いた小説。
シリーズ化してほしい。
公に出来ない揉め事を解決するなんでも屋、《上水流エージェンシー》を経営する元弁護...
図書
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(21人)
38. 真実の10メートル手前
米澤 穂信‖著
東京創元社 2015.12
はるちゃん さんの評価:
フリージャーナリストの太刀洗万智が僅かな
情報を元に、事件の真相を暴く連作短篇集。
決して面白くないわけではないのだが、
最近は大どんでん返しの女王、中山七里さんの
《御子柴シリーズ》や《渡瀬警部シリーズ》を
連続で読んでいたので、
派手なストーリー展開に感覚がマヒしたのか
短篇集でありながら間延びした感を受けた。
フリージャーナリストの太刀洗万智が僅かな情報を元に、事件の真相を暴く連作短篇集。...
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(17人)
39. ネメシスの使者
中山 七里‖著
文藝春秋 2017.7
はるちゃん さんの評価:
【渡瀬警部シリーズ】
情状酌量の余地がなく、極刑が妥当と思われる
凶悪殺人事件の裁判で無期懲役の判決を下す
温情判事こと渋沢栄一郎。
その裁判の被告人家族が次々と殺害され、
現場には《義憤》を象徴するギリシャ神話の女神
《ネメシス》の文字が残される。
渋沢判事自身、孫を殺害された犯罪被害者で
ありながら無期懲役を下す理由は
死刑で簡単に終わらせない、
犯人を生かす事で一生苦しみを与えるという
ものだったが、私個人の意見としては
果たして殺人を犯した被告が皆、
苦しみ続けるだろうかという疑問で、
共感出来なかった。
むしろ犯罪被害者であり、一連の被告人家族を
復讐のため殺害した真犯人のラストの慟哭が
胸打たれた。
【渡瀬警部シリーズ】情状酌量の余地がなく、極刑が妥当と思われる凶悪殺人事件の裁判...
貸出不可(未所蔵)
(2人)
40. リズム/ゴールド・フィッシュ
KADOKAWA 2019.2
森絵都
はるちゃん さんの評価:
第31回講談社児童文学新人賞、
第2回椋鳩十児童文学賞受賞の《リズム》と
その2年後を書いた《ゴールド・フイッシュ》
中学1年の少女の平凡な物語で、大きな事件が
起こる訳でもなく、特別な山場がある訳でもないが
(強いて言えば、主人公さゆきの近所に住む
大好きないとこの真ちゃんの両親の離婚と、
真ちゃんがミュージシャンをめざして離れていく
といった程度)
ユーモアを交えながら心温まる作品に仕上げている。
森絵都さんの素晴らしい所は、登場人物の
繊細な心の内を、決して押し付けがましくなく
サラリと描きつつも印象づける表現力だと思う。
第31回講談社児童文学新人賞、第2回椋鳩十児童文学賞受賞の《リズム》とその2年後...
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