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レビュー一覧 (24件)
チルダさんの投稿レビュー/菊陽町図書館
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図書
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(10人)
11. 僕はロボットごしの君に恋をする
山田 悠介‖著
河出書房新社 2017.10
チルダ さんの評価:
山田悠介という作家は、Wikipediaによれば中高生に人気であるらしい。
ほうほう、この作家は読んだことなかったし、今風の人気作家のヤツをひとつ読んでみますかね。そんな気持ちで手に取った訳だが、完全に期待外れであった。これ本当に中高生に人気なの? 中高生をバカにしてない? というのが正直な感想である。
まず、全体的に設定が甘い。AIやロボットが物語の中心となっているが、恐らく作者は関連書籍の一つも読んだことはないだろう。例えば瀬名英明のような理系SFを期待してはいけない。まるでアホな芸能人がシンギュラリティについて語っているようなもので、作者が全然わかっていないということだけは理解できるのだ。
そのような浅い知識をベースにした世界なので、物語の背景部分がとても安っぽい。まるで低予算のB級ドラマを延々と見せられているような気分になる。未来感なんか全然全くちっともないのである。そもそもロボットを操作するにあたって、パソコンから呼びかけるだけというのが恐ろしい。まるで鉄人28号だ。いや、腕時計じゃなくてパソコンで操作しているので、テクノロジー的には鉄人28号よりも退化しているかもしれない。横山光輝に謝れ。
さらに主人公が共感できない、伏線がバレバレ、しまいにはオチが斜め下方向…etc、悪い点を挙げれば枚挙に遑がない。書いていて疲れてきたので、この辺で止めておく。中高生の皆さん、時間を無駄にしたくなければ、他の本にしときましょう。
山田悠介という作家は、Wikipediaによれば中高生に人気であるらしい。 ほ...
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(12人)
12. 本好きの下剋上 第1部[1]
司書になるためには手段を選んでいられません 兵士の娘 1 香月 美夜‖著
TOブックス 2015.2
チルダ さんの評価:
【あらすじ】
本に埋もれて死亡した本須麗乃は、異世界の少女マインに転生し俺Tueeeライフを始める。何やかやあって貴族院に進んだマイン。ある日図書室の倉庫で見つけた石仮面を被って、うっかり究極生物ローゼマインとなってしまう。
全世界を図書館とするべく暴走を始めるローゼマイン。対策本部長となったフェルディナンドは、眉間の皺を深くしつつも「電磁ネット・ワイヤー作戦」を立案、ローゼマインを宇宙へ放り上げるべく上海の地に降り立つ。
だが作戦は、ローゼマインを守る十傑集の脳筋美少女アンゲリカ,死の商人ルッツ,究極ロリ・シャルロッテ以下略の攻撃により失敗、魔法科学の粋を集めた巨大ゴーレム、ジャイアントロボも失ってしまう。
完全に追い込まれた人類。だが、ある日カトルカールをやけ食いしていたフェルディナンドが、読書中のローゼマインなら隙があるんじゃね?俺天才じゃね?と思いつく。鼻血を吹きながら卒倒するエルヴィーラ、ヲホホと笑う女装ユストクス。そして練り上げられた最後の作戦は、全世界の魔力を一点集中させての超長距離魔法狙撃「ヤシマ作戦」であった。
作戦当日。世界の命運をその肩に背負った下級騎士ダームエル(フェルディナンドの圧に負けて受託)は、「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」と呟きながらエントリープラグに搭乗する。ダームエルは勝てるのか?それとも結婚もできないまま塵となるのか!?
【あらすじ終わり】
「このライトノベルがすごい!」2017年版で単行本・ノベルズ部門第5位、2018年版・2019年版で同部門第1位、2020年版で同部門第2位を獲得。2020年版で発表された「2010年代総合ランキング」でも第7位(単行本・ノベルズ部門の作品としては最上位)に入った人気作。(Wikipediaより)
所謂なろう作品であり、分類するなら異世界モノ・俺Tueeeモノとありがちなジャンルであるが、丁寧な造りに好感がもてる。また、椎名優によるイラストが美麗過ぎて溜息が出る程。子供から大人まで、万人に安心してお勧めできるラノベと言えよう。なお、冒頭に書いたあらすじは、真っ赤な嘘だスマン(でもだいたい合ってる)。
【あらすじ】 本に埋もれて死亡した本須麗乃は、異世界の少女マインに転生し俺Tue...
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(7人)
13. ソードアート・オンラインオルタナティブガンゲイル・オンライン 1
スクワッド・ジャム 電撃文庫 2853 時雨沢 恵一‖著 川原 礫‖監修
KADOKAWA 2014.12
チルダ さんの評価:
【通信開始】
(……きこえますか…きこえますか…我が町の…司書さん… 利用者です… 今… あなたの…心に…直接… 呼びかけています…ガンゲイル・オンラインシリーズが…5巻迄しか…ありません…とても…モヤモヤします…本シリーズは…10巻まで…刊行されています…続きが…気になるのです…早く続刊を…入れるのです…本棚に…並べるのです…)
【通信終了】
ガンマニアで知られる著者が、原作の設定に惚れ込んで二次創作の許可を得たという本作。見た目はクールビューティ系の主人公がチビ可愛いアバターを操る一粒で二度おいしいキャラ設定、黒星紅白のイラストが素敵である。
2018年には原作3巻迄の内容がアニメ化もされており、こちらもお勧めしておく。なお本作であるが、登場する銃器の数が半端ない。そこそこ銃器に詳しいつもりの僕も降参であった。ガンマニア・サバゲマニアは挑戦してみては如何?
2020/07/24追記
我が町の図書館に10巻まで入ってた。貴方が神か。ありがとうございます。ありがとうございます!
ついでに10巻までの感想だが、相変わらず物語としてはほぼ何も進展せず、常にドンパチやってるだけである。だが本書に関してはそれで良いと思う。読了するとサバゲなりPUBGを一戦終えて良い汗をかいた気になる、それが本書を読む理由であろう。
余談だが、本書が好きならスティーヴン・ハンターの、「極大射程」に始まるスワガーシリーズをお勧めしたい。スナイパーモノの傑作だ。
【通信開始】(……きこえますか…きこえますか…我が町の…司書さん… 利用者です…...
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(4人)
14. 三角の距離は限りないゼロ [1]
電撃文庫 3395 岬 鷺宮‖著
KADOKAWA 2018.5
チルダ さんの評価:
「このライトノベルがすごい!2019」文庫部門新作3位という本作。層の厚い電撃文庫だけに、ハズレとまでは言えない。しかし、個人的にはそこまで面白いとは思えなかった。いや、全く駄目な訳ではなく、普通に読めるのではあるけれども次の二点が気になった。
一つ目、シナリオは決して悪くないと思うが、登場人物達の行動が不自然。良い物語はキャラに感情移入でき、その行動をドキドキハラハラしながら追えるものだが、本作はまず筋書きがあって、それに沿ってキャラが強制的に動かされてる感が強い。物語の核であるところの、ヒロインの二重人格についても、周囲の人物の対応にとても違和感がある。
二つ目、物語のエピソードに既視感がある。具体的に挙げると、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」、「青春ブタ野郎シリーズ」、「弱キャラ友崎くん」辺りに似ている部分が多々あるし、しかも劣化コピーだ。ここに挙げた作品はどれも良作なので、この三つを青春モノとしてはお勧めしたい。
最後に関連として、多重人格モノならダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリガン」という作品があるので紹介しておこう。もし気に入ったなら、同じくキイスの「アルジャーノンに花束を」はSF史に輝く傑作なので、ぜひ手に取ってもらいたい。
「このライトノベルがすごい!2019」文庫部門新作3位という本作。層の厚い電撃...
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(130人)
15. かがみの孤城
辻村 深月‖著
ポプラ社 2017.5
チルダ さんの評価:
2018年の本屋大賞受賞作。
辻村深月は不思議な作家である。まぁまだ著者の作品は、本書を含め三冊しか読んだことがないのだが。何が不思議って、どんな作家にもある、手癖のようなものがその三冊には見受けられないのだ。文体であったり、登場人物の言い回しであったり、舞台背景のチョイスであったり。そういう、同じ人が書く限り必ず出てくる個性が、彼女の作品には希薄だ。多分、僕は著者名を隠してこの人の本を読んだら、「これは辻村深月だ」と言い当てる事はできないだろう。
ただ、だからと言って面白くない訳ではない。むしろ逆だ。これは想像でしかないが、彼女は恐るべき技術と執念で、作品毎に緻密な最適化を行っているのではないか。「辻村深月の作品」としてではなく、「この物語」として何が最適か。そういう事を計算して創り込む。その結果として、作家としての個性が希薄化している。そんな事を、読みながら考えた。
さて、本書についてであるが、重要な伏線が余りうまく隠せていないところがマイナス。ただしラストに向けての展開は見事。個人的な好みを言えば、「ハケンアニメ!」の方が良いなと思った。
ここまで書いて、唯一この作家の個性が見えてきたのだが、それは「読者の心情を操るのが上手い」ということだ。「水底フェスタ」ではどんどん沈みマイナス方向へ。「ハケンアニメ!」では熱く熱くプラス方向へ。そして本書では…。これは読んで確かめてもらいたい。何れにせよ、辻村深月は貴方の「こころ」を揺さぶってくる。それだけは確約できる。
2018年の本屋大賞受賞作。 辻村深月は不思議な作家である。まぁまだ著者の作品...
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(2人)
16. 相田家のグッドバイ
Running in the Blood 森 博嗣‖著
幻冬舎 2012.2
チルダ さんの評価:
単行本で228ページ。たいして長い話ではない。小品である。そして話はやたらと淡々と進んでゆく。もしもこの本が初めて読む森博嗣であったら、なんだかつまらん話だなと途中でギブアップしかねない。僕的には、森博嗣にチャレンジする際には、腰を据えて最初からなら「すべてがFになる」から始まる一連のシリーズを、とりあえずお試しであれば「スカイ・クロラ」シリーズか「ヴォイド・シェイパ」シリーズをお勧めしておく。
理系ミステリィなどと評される事が多い森博嗣であるが、彼の本当の魅力はそんなところには無いと僕は思っている。じゃあ何処が良いのかというと、一言では難しいのだが。それは垣間見える死への渇望であったり、身体的接触を伴わない愛情表現であったり、「口を斜めにする」というジェスチャーであったりして、そしてそれを積み上げた先にあるものは、決して理系でもなくプログラマチックなシナリオでもない、ある意味真逆の極めて文学的な何か、ではないだろうか。
この本の内容は、どこ迄が事実でどこからが創作なのかは判然としないが、彼のファン(もちろん僕もだ)が好きな要素がたっぷりと詰まっている。正直に申し上げるが、ラストでは泣いてしまった。誰にもわかってもらえなくて結構。大好きな一冊である。
単行本で228ページ。たいして長い話ではない。小品である。そして話はやたらと淡...
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17. 神は妄想である
宗教との決別 リチャード ドーキンス‖著 垂水 雄二‖訳
早川書房 2007.5
チルダ さんの評価:
「利己的な遺伝子(The Selfish Gene)」で有名なイギリスの進化生物学者、リチャード・ドーキンスによる徹底的で容赦ない宗教批判。
日本は八百万の神がおわす国である。だがそれを心から信じている人がどれだけいるだろうか? ドーキンスが本書でも軽く触れているが、アジアにおける宗教は哲学や文化としての側面が強く、無条件に妄信している者の割合は少なかろう。そういう意味でキリスト教圏と比較すると、この国はとても健全であると言える。何しろアメリカなど、大統領が神に宣誓するのだから…。
本書は批判の対象をキリスト教に絞っているが、あくまでも科学的証拠に基づいて合理的に判断すべしという考え方は、ドーキンスが批判する疑似科学、代替医療、占星術、スピリチュアリズム、ホメオパシー…etc.に騙されないためにはとても有効だと思う。これから社会に出る、学生の皆さんに読んでいただきたい良書である。なお、本書を読むのであれば、いっそのこと最初に挙げた「利己的な遺伝子」(とても分厚いけど)を先に読んでおくと、より楽しめると思うのでお勧めしておく。
「利己的な遺伝子(The Selfish Gene)」で有名なイギリスの進化生...
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(35人)
18. 鹿の王 上
生き残った者 上橋 菜穂子‖著
KADOKAWA 2014.9
チルダ さんの評価:
2015年本屋大賞、第4回日本医療小説大賞。いわゆる異世界ファンタジーである。
個人的に、ラノベは除きファンタジーものは好みではなく、今回も読み始めた当初は「しまったファンタジーだったか」という気持ちだった。
ところが読み進むにつれ、細かいところまで創り込まれた世界観に驚くことになった。つい漫画に例えてしまうのだが、古いところだと大友克洋「AKIRA」、最近なら樫木祐人「ハクメイとミコチ」のレベルで世界が構築されている。
この重厚な世界観を土台に、著者は複雑な織物のような物語を組み込むことに成功している。あとがきで著者は「書き上げるまでには、三年もかかりました」と述べているが、むしろ三年で完成させたことに畏敬の念を抱く。
なお、Production I.G制作によるアニメ映画が、2020年9月18日に公開予定とWikipediaには記載されていた。コロナ禍に立ち向かう現実世界に、最高のタイミングで提示される異世界ファンタジー。期待して良いのではないか。
2015年本屋大賞、第4回日本医療小説大賞。いわゆる異世界ファンタジーである。...
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(29人)
19. あの家に暮らす四人の女
三浦 しをん‖著
中央公論新社 2015.7
チルダ さんの評価:
2015年に織田作之助賞を受賞。古い洋館に住む四人の女性を描く。
女性が四人というと思い浮かぶのは若草物語であるが、この作品は枯草物語である(うまいこと言った)。妙齢(オブラートに包んだ表現)の、少々個性的(優しい言い方)な女性たちの日常が淡々と描かれるが、それぞれ様々に残念(あっ、言っちゃった)な登場人物が絡み合って妙なおかしみが発生している。数ページに1回の割合で吹き出すようなポイントがあり、公共の場での読書は止めておいた方が良い。ニヤニヤしてると変態と思われる。
全体に喜劇風味のこの作品であるが、後半の展開をどう捉えるかで評価が変わるように思う。許せない人なら星2、許せる人なら星4というところか。僕はどちらかというと許せる派なので、星3.5としておく。
2015年に織田作之助賞を受賞。古い洋館に住む四人の女性を描く。女性が四人という...
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(23人)
20. ハケンアニメ!
辻村 深月‖著
マガジンハウス 2014.8
チルダ さんの評価:
2015年本屋大賞で三位。所謂クリエイターものである。このジャンル、漫画で言うなら古くは島本和彦「燃えよペン」、最近なら山口つばさ「ブルーピリオド」や大童澄瞳「映像研には手を出すな!」辺りが思い浮かぶ。
このジャンルに共通の傾向として、主人公の情熱が描かれるという点があると思うが、本作も例外ではなく、全力で目標に向かってゆく登場人物達の姿勢が心地よい。また、アニメ業界を丹念に取材したと思われる舞台背景の確かさも、物語の骨格を太いものとすることに成功している。読後感も爽やかな良作である。
2015年本屋大賞で三位。所謂クリエイターものである。このジャンル、漫画で言う...
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幻冬舎 2012.2
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早川書房 2007.5
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KADOKAWA 2014.9
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