甲斐市立図書館

待ちに待った百物語。最初の語りの「開かずの間」は驚愕した。恐怖心が募る内容だ。おちかに従兄の富次郎を加えての聞き捨て役だが、このお話は守り役のお勝もさぞや肝を潰しただろう。そしてあと4つのお話が続く。
この後の展開を閑馬見ながらの読み進めは現代作品とは違う「あやかし」作品で想像しがたい領域。
読書とはなんとも贅沢な時間の過ごし方だと思いを深めた。

待ちに待った百物語。最初の語りの「開かずの間」は驚愕した。恐怖心が募る内容だ。お...

豊臣氏の家老の一人宇喜多秀家、心優しい領主の決断はそのたびに針のむしろを思い起こす。最後まで豊臣秀吉の恩に背くことなく巨大な家康に立ち向かい闘い敗北する。そこからの彼の人生の過ごし方に美学を感じた。そして恋女房の豪姫との情愛に心が揺さぶられる。

豊臣氏の家老の一人宇喜多秀家、心優しい領主の決断はそのたびに針のむしろを思い起こ...

一見つながりのない出来事が数十年の時を結ぶ。
読み進めていくうちに、不可解な人間関係が繋がっていくすじがきの面白さに堪能できる本。
過ぎた出来事が絡み合って今の自分がいるとと実感する。

一見つながりのない出来事が数十年の時を結ぶ。読み進めていくうちに、不可解な人間関...

ネグレクト・虐待・DV・レイプ・・
薄幸な3人の少女たちの生き様は壮絶だ。なんとか1日を生き抜く姿は、どの子供にも絶対にさせたくない過酷さだ。次のページでどうか明るい未来があるようにと祈りながら読み終えた。

ネグレクト・虐待・DV・レイプ・・薄幸な3人の少女たちの生き様は壮絶だ。なんとか...

介護士として働く日奈は富士山の見える小さな町で、祖父の残した古民家で暮らす。
さみしさとはかなさのベールにまとわれた日奈。
介護人の仕事の本当の姿は過酷で心が荒むことをこの本で知った。そしてその仕事に敬意と尊敬の念を深くした。
現代では人が生きていくうえで欠かせない大切な職業なのに、卑下した言葉が何度も出てくる。
その表現に社会風刺が含まれているように思われる。
日奈に手のぬくもりを感じられる幸せと、介護人の地位向上を切に願わずにいられない。

介護士として働く日奈は富士山の見える小さな町で、祖父の残した古民家で暮らす。さみ...

金に敏感な男女そして企業同士の騙しあい。謎の産業スパイ政治家そして企業、暗躍する利権の争奪戦に利用される。ルパン三世と峰子感が鷹野とアヤコに漂う。
権力とは金を生み出す。そこに真はないと思う。
ただおいたちににわずかながらの情と正義が垣間見られたことが救いだ。

金に敏感な男女そして企業同士の騙しあい。謎の産業スパイ政治家そして企業、暗躍する...

香田パティシエが作る優しさと愛に詰まったスイーツはお店と家族の基盤だ。
そして美しい景色の高台にある小さな店からの甘い香りは、廻りの人のちょっぴり甘く切ない思いも優しく包み込む。
どんな時も思いやりのある家族が織りなす店内で、美味しいスイーツを食べたら幸せに浸れないはずはない。
こんなお店近くにあったらいいのにと思う物語である。

香田パティシエが作る優しさと愛に詰まったスイーツはお店と家族の基盤だ。そして美し...

湊かなえ氏の得意とする分野の本です。
父を亡くしたばかりの10歳の章子へ30歳の章子から手紙が届くところから、物語は始まる。読んでいて心が痛くなる、爽やかさが全くない。
ラストまで読み終えて「さすがは湊かなえ！明るさのない中の落としどころを心得ている」と思わず唸ってしまう本です。最初は一気に読み、人間関係がわかったところで再度読み直ししました。

湊かなえ氏の得意とする分野の本です。父を亡くしたばかりの10歳の章子へ30歳の章...

全てを変えた14の夏。刀根秀俊・美月・亮介・陽菜乃の4人はある事件から逃げられないトラウマを抱えたまま時が過ぎる。
その時を得て、真実が浮き彫りにされていく。
純愛か狂気か・・はたまたただの暴力か・・・すべてが交差された恋愛小説だ。
展開が痛いほどだがそのスペクタクル感の描写に最後まで引きこまれた。

全てを変えた14の夏。刀根秀俊・美月・亮介・陽菜乃の4人はある事件から逃げられな...

江戸藩士の夫は転任先の大阪に大阪で急死。そこから後家の知里の奮闘記が始まる。
青物問屋の住み込みで働くことになり厳しいおかみさんにも少しづつ慣れていく。そんな中、すかたんな若旦那の青物に対する熱い思いに引きずられ、暴走に巻き込まれ行く。恋に落ちる様もシャキシャキと江戸っ子っぽい。
朝井氏の江戸ものの女たちは小気味が良い。ただ浪花の女たちも負けず劣らず、雄々しくジメジメ感がない。商魂も浪花的で現代の大阪と相俟って活気も読み取れる。読んでいて明るく元気になれる本だ。

江戸藩士の夫は転任先の大阪に大阪で急死。そこから後家の知里の奮闘記が始まる。青物...