三つの話がそれぞれリンクしていて、エピローグに繋がっていく。

人と人は、気付かないうちに、細い糸で繋がっているのかもしれないと、じんわり胸が熱くなった。
過去に人を傷つけ、後悔するような行動を起こしてしまったとしても、人は人を許し、また繋がっていく。コロナ渦だからこそ、人との関わりを見直して大切にしたいと思わせてくれる物語だった。今回著者の作品を久々に読んだけれど、紆余曲折経て最後に救いがあるのは嬉しかった。（道尾氏の作品の多くはそうだと思っている）さすがだな、と再確認した。

一見つながりのない出来事が数十年の時を結ぶ。
読み進めていくうちに、不可解な人間関係が繋がっていくすじがきの面白さに堪能できる本。
過ぎた出来事が絡み合って今の自分がいるとと実感する。