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レビュー一覧 (7件)
un topo di bibliotecさんの投稿レビュー/島本町立図書館
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(1人)
1. 愛を知らなかった子
ネグレクトされた少女が家族を得るまで ダイアン リーロウ‖著 バーニー リーロウ‖著 庭田 よう子‖訳
講談社 2012.5
un topo di bibliotec さんの評価:
7歳まで母親から疎まれ、食事もろくに与えられず、愛もそそがれず、もちろん教育も受けられないで育った女の子をたまたま見つけ、養子にもらい受け育てる実話である。まず、このように悲惨な生活環境に育った子がいることに驚くと同時に、その子を敢えて受け入れ育てるというバーニー(引き受けた本人の名)とその妻(ダイアン)の心の広さと忍耐強く数年間育てたという辛抱強さにも驚かざるをえない。著者夫婦はホームペイジのアドレスも掲載しており、その後の経緯もすこしではあるが読むことができる。バーニーがあまりにもその子ダニーにかかり切りであったためかその夫婦は別れたようである。つまりハッピーエンドの物語ではない。しかし一人の女の子の人間復活の話ではあり、現在進行形の物語(本の発行は2010年)である。
7歳まで母親から疎まれ、食事もろくに与えられず、愛もそそがれず、もちろん教育も受...
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図書
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(0人)
2. ユーカラの人びと
平凡社ライブラリー 1 金田一 京助‖著 藤本 英夫‖編
平凡社 2004.4
un topo di bibliotec さんの評価:
最近、日本古典文学大系の「古事記」を読み始めた。註を参照しながら読み進むうちにふと、アイヌの古典ともいうべき叙事詩「ユーカラ」を読もうと思い立った。そう思ったのは「ユーカラの人びと」の著者金田一京助のこの著のおかげである。著者のユーカラへの思い入れは、本著書を読めばよくわかる。貧乏学者が北海道へ単身滞在し、アイヌの人びとから信頼され、とうとうかれらの叙事詩「ユーカラ」を大巻として世に残した。また、この業績がアイヌ人に対する日本人の差別意識を取り払う一助となった。ユーカラはこれから読もうと思っているが、著者がいうように、日本の古事記、ギリシャ神話のホメロス、オデッセイに匹敵する世界の遺産であると思うと、金田一京助の業績は世界遺産に匹敵すると思う。
最近、日本古典文学大系の「古事記」を読み始めた。註を参照しながら読み進むうちにふ...
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(7人)
3. 世界のはての少年
ジェラルディン マコックラン‖著 杉田 七重‖訳
東京創元社 2019.9
un topo di bibliotec さんの評価:
スコットランドで18西紀に起きた事実を基に想像を膨らませて書かれた少年たちにまつわる物語である。登場人物は12人、3人は大人、9人は少年である。9ヶ月もの間岩しかない孤島に残され生きびたびた少年たちの話である。一番年長の少年が少年達をまとめ、島にくる鳥を採り、冬を乗り越えることも考え計画的に食料を保管し、冬の寒さに耐え生き抜く。不思議なのは一緒に上陸した大人3人の影が薄いことである。少年たちが主人公であるとは言え余りにも不自然であることに引っかかりを感じる。この点に工夫があればもっとすばらしい物語になったと思う。
スコットランドで18西紀に起きた事実を基に想像を膨らませて書かれた少年たちにまつ...
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(3人)
4. 武漢日記
封鎖下60日の魂の記録 方方‖著 飯塚 容‖訳 渡辺 新一‖訳
河出書房新社 2020.9
un topo di bibliotec さんの評価:
独裁国家内のコロナ禍という二重苦の中で、市民がどのように生きているのかがよく伝わってくる。独裁下では必ず、国にヘつらう輩が出てくる。著者はコロナウィルス感染患者を最初に診た医師をデマを拡げるとして断罪した武漢政府の幹部や医師が勤務していた病院幹部を批判する。政府の提灯持が著者のブログ日記に攻撃をしかける。他方で、著者の友人や隣人が著者の相談相手になり、手助けをしてくれ支えあって封鎖令下の60日を生抜いた記録である。カミュのペストに比肩する人もいるが、この著作は日記だから、市民が封鎖された生活環境でどのように毎日を過ごしたか、が書き綴られる。もし、自分がこのような状況におかれたらどうするであろうと考えさせられた。
独裁国家内のコロナ禍という二重苦の中で、市民がどのように生きているのかがよく伝わ...
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(2人)
5. 危機と人類 下
ジャレド ダイアモンド‖著 小川 敏子‖訳 川上 純子‖訳
日本経済新聞出版社 2019.10
un topo di bibliotec さんの評価:
危機と人類 Jared Diamond
大変素晴らしい本である。とくに政治家には読んでほしい。村長・町長・市長、そして知事さらに首相には必読の本であると思う
また議員にも読んでほしい。
著者の読書量と分析力は、人類の将来に革命もたらすとまでは言わないが、大きな希望をもたらすものである。
この本に書かれた課題を真摯に受け止め、計画を立て、実行に移すには一人の政治家では不可能であって、世代を超えた活動が必要である。
著者が述べた対象は七カ国で、日本と米国が含まれている。日本の課題は
1.歴代の日本の首相は、第二次世界対戦で侵略したアジアの国々に真摯に謝罪していない。 これはアジアの諸国からさげすまれる要因となっている。
2.先進国中で日本の男女差別の評価は低位に位置し、女性の社会的活動が制限されているのは、日本にとって大きな損失である。
3.人口減少は、少子化によるが、それへの対策が遅れている。
4.資源輸入国である日本は資源の輸入管理がおろそかである。輸出国への配慮が足りない。木材資源、農産物など。
など、詳細は本著を読んでいただきたい。
政治家には、日本の課題を念頭に置いた政策を考え、実施してほしい。
危機と人類 Jared Diamond大変素晴らしい本である。とくに政治家には読...
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(4人)
6. アウシュヴィッツのタトゥー係
ヘザー モリス‖著 金原 瑞人‖訳 笹山 裕子‖訳
双葉社 2019.9
un topo di bibliotec さんの評価:
ポーランドのアウシュヴィッツ収容所に収容されたユダヤ人が体験した実話。著者が本人から聞いた体験を脚色も交えて書かれた物語。この物語の主役タリはタトゥ係として生き延びる様を描いている。まず生き延びる意欲が強烈である。と同時に被収容者への眼差しも暖かい。この地獄の境遇でこのような他者を思いやる気持ちを持ち続けるタリは尋常な人間ではないと思う。作者は決してタリをそのようには描かないが読み終わってみるとそう感じざるをえない。タリはたまたま3年以上収容所で生き残り、収容所内の状況が克明に記録されたが、生き延びられずガス室送りとなった被収容者の中にもきっとこのような者がいたにちがいないと思う。これからもさらに同様に生き残ったものが何らかの形で世に訴える作品が続くと思う。また、日本の戦争体験者の作品も出版されることを期待する。
ポーランドのアウシュヴィッツ収容所に収容されたユダヤ人が体験した実話。著者が本人...
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(1人)
7. ケルトの魂 アイルランドから日本へ 鶴岡真弓対談集
平凡社 2019.4
鶴岡真弓
un topo di bibliotec さんの評価:
朝日新聞の「著者に会いたい」(2019年6月29日)で本書が紹介されていて読みました。しかし、最初の一、二篇を読んだとき大きな違和感を覚えました。対談者の間で言葉だけが上滑りしていると感じます。ケルト族には何か不思議な魅力を感じたので最後まで読みましたが、対談によって、著者の意図するところへ引っ張っていかれるという感じがぬぐえず心に訴えませんでした。
朝日新聞の「著者に会いたい」(2019年6月29日)で本書が紹介されていて読みま...
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