甲斐市立図書館

・祝葬　　　　　　　△
・真令子　　　　　　⭕
・ミンナ死ヌノダ　　○
・希望の御旗　　　　✕
・忌樹　　　　　　　✕

医師一族、土岐家にまつわる医療連作短編集。

【真令子】はサスペンス小説的な作品。
夫、伊織の異様まなでの愛情と嫉妬心に苦しむ真令子と
伊織に想いを寄せる芳美のドロドロ愛憎劇で
真令子のしたたかさが怖かった。

それ以外は、久坂部羊さんの作品に毎回出てくる
〔過度の医療行為は果たして正しいのか〕という
テーマが全作取り上げられており、やや食傷気味。
特に【希望の御旗】と【忌樹】は執拗でウンザリ· · ·

・祝葬　　　　　　　△・真令子　　　　　　⭕・ミンナ死ヌノダ　　○・希望の御旗　...

・人間の屑　　　　　　　　　　　○
・無脳児はバラ色の夢を見るか？　◎
・占領　　　　　　　　　　　　　△
・不義の子　　　　　　　　　　　△
・命の重さ　　　　　　　　　　　△
・のぞき穴　　　　　　　　　　　✕
・老人の愉しみ　　　　　　　　　△

・人間の屑　　　　　　　　　　　○・無脳児はバラ色の夢を見るか？　◎・占領　　　...

（第一部）赤朽葉 万葉
中国地方を放浪して暮らす“サンカ”に置き去りにされた
未来を可視する能力を持った少女、万葉。
村の若夫婦に引き取られ、後に製鉄業で財を成した
旧家 赤朽葉家に望まれ輿入れする。

（第二部）赤朽葉 毛毬
万葉の長女 毛毬は丙午生まれの女。
気性が荒いが、情の深さと責任感の強さを併せ持ち、
学生時代は女暴走族の頭になるが、
親友の死をきっかけに引退し、
その後、超売れっ子の漫画家へ。
早逝した兄に代わって跡を継ぐべく婿を取り、
バブル崩壊の煽りを受けた赤朽葉家を金銭面でも支える。

（第三部）赤朽葉 瞳子
毛毬の一人娘。祖母や母親と違い、ごく平凡な女性が
縮小して行く赤朽葉家と会社を担って行かなければ
ならない苦悩と、
死に際に祖母が言い残した
「わしは昔人を一人殺した」という真相を探る話。

（第一部）と（第二部）は、戦後間もない時代から
昭和の終わりという激動の時代に加え、
個性の強い女性が主役だったため一気に読めたが、
（第三部）に入ると 途端に失速。
敢えてそういう書き方をしているとは分かるが、
面白さで言えば圧倒的に（第一部）と（第二部）だった。

（第一部）赤朽葉 万葉中国地方を放浪して暮らす“サンカ”に置き去りにされた未来を...

年々顕著になっている患者と医者の医療格差を
テーマにしたサスペンス。
現役医師である作者ならではの筆致で、
現在そしてこれからの医療の問題点を炙り出している
点はさすが。

ただテロという手段を日本人が使うかという疑問と、
テロ首謀者を道連れに、末期癌の医師が爆死する
というラストに違和感を感じたのでマイナス１点。

年々顕著になっている患者と医者の医療格差をテーマにしたサスペンス。現役医師である...

・医呆人（異邦人）　　○　　　

・地下室のカルテ（地下室の手記）◎

・予告された安楽死の記録　　○
　（予告された殺人の記録）

・アルジャーノンにギロチンを　○
　（アルジャーノンに花束を）

・吾輩はイヌである　　　○
　（吾輩は猫である）

・変心（変身）　　　◎

・カネと共に去りぬ（風と共に去りぬ）◎

・医呆人（異邦人）　　○　　　・地下室のカルテ（地下室の手記）◎・予告された安楽...

父は保険金目当てで継母に殺害されたのではないかと
疑う主人公が１週間以内に証拠が見つからなければ
死んで世間に告発するという話で、
秋吉理香子さんの作品なので期待して読んだが、

・父の死因は病死、継母は疎まれながらも主人公が
成人した暁には事業を譲るべく懸命に働いていた

・主人公に協力していた美少年の幽霊の正体は実在

・自殺するために宿泊した田舎の寂れた温泉宿は
主人公の亡くなった実母の夢だったオーベルジュとして
再建、世話なった女将と喫茶店マスターを雇用する

・主人公の浅はかな行為で仲違いした友人たちとも
アッサリ仲直り

· · ·と、全てが予想出来る展開＆都合良すぎるハッピーエンドで肩透かしだった。

父は保険金目当てで継母に殺害されたのではないかと疑う主人公が１週間以内に証拠が見...

院長選挙における各科のバトルを描いた小説だが、
ユーモアがユーモアになっていない。

特に眼科医と整形外科医の結婚披露宴で繰り広げられる
招待客の出し物や大喧嘩のシーンや、
ラストの船上パーティーでの立候補者である
副院長たちの乱闘シーンは
三流お笑い芸人のドタバタコントのようで
読むのが苦痛だった。

また、前院長の急死の原因も、あまりにありふれていて
ガッカリ。

久坂部羊さん本来の重厚なタッチで書いたほうが
“現代版　白い巨塔”のような小説になって
断然面白かったと思う。

院長選挙における各科のバトルを描いた小説だが、ユーモアがユーモアになっていない。...

・寝たきりの殺意　○
・シリコン　　　　◎
・至高の名医　　　◎
・愛ドクロ　　　　△
・名医の微笑　　　✕
・嘘はキライ　　　○

・寝たきりの殺意　○・シリコン　　　　◎・至高の名医　　　◎・愛ドクロ　　　　△...

製菓会社に務める女子社員の奮闘物語。
話がうまく行き過ぎの感は否めないが
軽妙な大阪弁にコミカルな会話で終始笑えた。
特に超毒舌家のお局、尾藤景子と
セレブで一般的な感覚が皆無の海老原ミサトが最高。

製菓会社に務める女子社員の奮闘物語。話がうまく行き過ぎの感は否めないが軽妙な大阪...

作者の幼少期〜拝み屋になるまで、
実際に体験したことや、周囲の人から聞いた怪異小説。

語彙の豊富さと、文章の上手さは相変わらず凄いが、
前作の【花嫁の家】が抜群に怖かっただけに、
迫力に欠ける。

膨大な量の怪異に（怖い）という感覚が
麻痺してきたのか、食傷気味。
次作を読むのは、しばらく間を開けたほうがいい。

作者の幼少期〜拝み屋になるまで、実際に体験したことや、周囲の人から聞いた怪異小説...