（第一部）赤朽葉 万葉
中国地方を放浪して暮らす“サンカ”に置き去りにされた
未来を可視する能力を持った少女、万葉。
村の若夫婦に引き取られ、後に製鉄業で財を成した
旧家 赤朽葉家に望まれ輿入れする。

（第二部）赤朽葉 毛毬
万葉の長女 毛毬は丙午生まれの女。
気性が荒いが、情の深さと責任感の強さを併せ持ち、
学生時代は女暴走族の頭になるが、
親友の死をきっかけに引退し、
その後、超売れっ子の漫画家へ。
早逝した兄に代わって跡を継ぐべく婿を取り、
バブル崩壊の煽りを受けた赤朽葉家を金銭面でも支える。

（第三部）赤朽葉 瞳子
毛毬の一人娘。祖母や母親と違い、ごく平凡な女性が
縮小して行く赤朽葉家と会社を担って行かなければ
ならない苦悩と、
死に際に祖母が言い残した
「わしは昔人を一人殺した」という真相を探る話。

（第一部）と（第二部）は、戦後間もない時代から
昭和の終わりという激動の時代に加え、
個性の強い女性が主役だったため一気に読めたが、
（第三部）に入ると 途端に失速。
敢えてそういう書き方をしているとは分かるが、
面白さで言えば圧倒的に（第一部）と（第二部）だった。