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レビュー一覧 (39件)
悲しみの青春さんの投稿レビュー/和泉市立図書館
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21. 疑惑 なぜB29は”反転”したのか?
ワック 2020.5
長谷川熙
悲しみの青春 さんの評価:
「エノラ・ゲイ」が、なぜ投下地点「広島」へ直行せず、通り過ぎ・迂回し・反転してから投下したのかを問う。人体に与える原爆の被害状況を知りたいとの米国科学者たちの希望を満たすべく、警報が解除された直後という最大の被害が期待される時刻を狙って爆発させたのではないかと著者は推理し、それを裏付けるためにエノラ・ゲイの飛行航路調査記録を追う。こんな論点があったとは知らなかった。しかし極少数意見のため広島平和資料館の説明では言及されていないという。元朝日新聞記者のくせに文章が読みにくいのが難点。
「エノラ・ゲイ」が、なぜ投下地点「広島」へ直行せず、通り過ぎ・迂回し・反転してか...
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22. BC級戦犯裁判
岩波新書 新赤版 952 林 博史‖著
岩波書店 2005.6
悲しみの青春 さんの評価:
「私は貝になりたい」は、第二次世界大戦中に二等兵だったフランキー堺演じる主人公が、上官の命令で捕虜を刺殺し、戦後に理髪店を営んでいたところ、C級戦犯として逮捕され処刑されるまでを描き、日本のテレビドラマ史に語り継がれる名作として、後に映画化もされるなど大いに話題を呼んだ。しかし、本書によれば、二等兵で死刑が執行された戦犯はいないそうで、命令に従っただけの下級兵士までもが厳しく罰せられたという理解は必ずしも正鵠を得ていないことを知って、「私は貝になりたい」が謳う悲劇性に疑問を持つようになった。
「私は貝になりたい」は、第二次世界大戦中に二等兵だったフランキー堺演じる主人公が...
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23. 不屈の棋士
講談社現代新書 2378 大川 慎太郎‖著
講談社 2016.7
悲しみの青春 さんの評価:
本書では11人の現役棋士が取り上げられているが、藤井聡太は含まれていない。藤井が注目を浴び始めたのは、2015年10月に史上最年少で奨励会三段に昇段した頃からで、同じく史上最年少で四段昇段し、加藤一二三との対局でプロデビューを果たしたのは2016年12月だから、本書が発刊された2016年7月当時は著者もノーマークだったのか。コンピュータ将棋といかに対峙していくかに重点が置かれているが、コンピュータの能力が人間を凌駕し、コンピュータにひれ伏して教えを乞うという現状においては、問題意識も希薄化した嫌いはある。
本書では11人の現役棋士が取り上げられているが、藤井聡太は含まれていない。藤井が...
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24. 90歳を生きること
生涯現役の人生学 童門 冬二‖著
東洋経済新報社 2018.11
悲しみの青春 さんの評価:
著者は歴史小説家として多数の著作があるが、元は都庁職員として美濃部亮吉都知事を支えてきた異色の経歴を持つ。90歳を過ぎても現役を保ち続ける精力的な生き方の秘訣の片鱗を知りたいとの思いで取り上げた。それは「スティング」と題した項によく示されていた。
イギリスのロック歌手スティングのファンであると自認し、彼のアルバム制作過程を記録するドキュメンタリー映画を観に行った時に、映画館の売り子から傑作喜劇の「スティング」ではないと何度も念を押されたというのだ。高齢者がスティングを愛聴して何が悪いと内心で憤慨しつつも、映画の迫力に圧倒されて深い感動を得たそうだ。
著者はかって若い人から「あなたは若者の気持ちを完全に理解しているとは言えない。でも理解しようと努力していることは認める。」と言われたそうだ。要するに、元気に生きる要諦は絶え間ぬ好奇心を持ち続けることに尽きるのである。ところが、認知症はこの機能が低下するとのことで、心掛けだけでは如何ともし難いところがもどかしい。
著者は歴史小説家として多数の著作があるが、元は都庁職員として美濃部亮吉都知事...
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25. 鳥羽伏見の戦い
幕府の命運を決した四日間 中公新書 2040 野口 武彦‖著
中央公論新社 2010.1
悲しみの青春 さんの評価:
鳥羽伏見の戦いは、幕末史のキーワードであるにもかかわらず、これまで「まじめに論評されたことはなかった」ことに憤慨した著者が、その思いの丈をぶつけるがごとく、わずか4日間の出来事を、通常の歴史書では触れられていない枝葉末節的な部分にも踏み込んで、新書1冊を使って描き切った労作である。引用する一次資料も原文のまま掲載されているから、通読しようとすると息切れがするが、興味の向いた箇所だけを拾い読みしていくだけでも十分に楽しめる。私の好きな新選組の土方歳三の奮戦を取り上げた箇所があったのは嬉しかったし、徳川慶喜の大阪城から江戸への逃亡に際して進言した神保修理という会津藩士が、東帰をそそのかしたとの罪状(濡れ衣に近い)を着せられて切腹を命じられたというのには同情を禁じえなかった。
著者はHPも開設しており、「2010年、半年間に脳の病気を三つ(髄膜炎、脳梗塞、脳出血)患う。小脳障害(バランス失調、構音障害)が後遺症として残り、現在もリハビリを続けながら、片手で執筆作業をしている。」とあるから、発病直前の著書となるのか。文芸評論家として多くの著作をものにし、あまたの文学賞を受賞してきた著者の執筆に対する衰えぬ意欲に敬意を払う。私もこのようにして老いてゆきたい。
鳥羽伏見の戦いは、幕末史のキーワードであるにもかかわらず、これまで「まじめに論...
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(1人)
26. 室町戦国史紀行
講談社 2003.12
宮脇俊三 〔著〕
悲しみの青春 さんの評価:
史跡を年代順に辿るという、歴史に忠実な日本通史の旅である。史跡がたとえ隣り合わせに存在していても、時代が異なれば改めて出直すという凝りようで、無駄は多いが贅沢な旅行記となっている。細かい歴史を拾い上げた本文は読み応えがあるが、鉄道旅行作家の泰斗でもあるので、鉄道に関する記述も随所に織り込まれていて、初めて新幹線500系に乗った喜びも記されていた。雑誌の連載として古代史から始まり、今回が3冊目であるが、関ケ原の戦いの項で終わっている。それは日本の歴史の区切りであるという面もあるが、著者の体力がなくなったことを自覚したからだと、あとがきに書かれている。「石段の上に目指すものがあっても登れない」とは苦渋の呻きである。そして、その2年後に著者は亡くなった。
著者のデビュー作で、鉄道紀行文を文学にまで昇華させたと讃えられる「時刻表2万キロ」が図書館の蔵書に無いのは残念である。
史跡を年代順に辿るという、歴史に忠実な日本通史の旅である。史跡がたとえ隣り合わ...
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(2人)
27. 私(わたし)が最も尊敬する外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六
講談社 2014.8
佐藤優 著
悲しみの青春 さんの評価:
著者が最も尊敬する外交官である吉野文六氏に対するインタビューという体裁を取っているが、ありきたりの対談本ではない。著者の第二次世界大戦に関する知識や情勢分析がふんだんに盛り込まれており、現代史の教科書を読んでいるようである。また、大戦末期の在独日本大使館から見たヨーロッパ情勢の描写が随所に示されており、歴史の裏側を垣間見るようで興味深かった。中でも、ベルリンにロシア軍が迫りつつある危機的状況下で、在留邦人の保護という義務を果たさず安全地帯に逃げた大島駐独全権大使が、ワインと酒の肴を吉野氏に避難先まで届けさせた話には、呆れるのを通り越して怒りすら感じた。こうした無責任な扇動者が実権を握っていたことが日本を滅亡に導いた原因であることは間違いない。
大使館と外務本省の国際無線電話は、盗聴を警戒して鹿児島弁で行ったという笑えない話など、マル秘情報が満載で、漫然と読み流すのはもったいない。幸い、講談社から文庫本になって再刊されたので、迷うことなく購入して傍線を引きまくった。
沖縄密約事件では、吉野氏は国会でうその答弁をし、刑事裁判では偽証までして外務省組織を守ったが、後に密約の存在を認めた。「国民に嘘をつく国家は滅びる」という歴史の法則を実践して、外務省ひいては政府に対して警鐘を鳴らしたもので、その毅然とした態度は尊敬に値する。
著者が最も尊敬する外交官である吉野文六氏に対するインタビューという体裁を取って...
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(1人)
28. キンノヒマワリ ピアニスト中村紘子の記憶
高坂 はる香‖著
集英社 2018.1
悲しみの青春 さんの評価:
中村紘子の音楽家としての成功談と彼女を称える記述が続く中で、自ら手塩にかけた浜松国際ピアノコンクールの審査委員長の座を無念の退任となった箇所が気になった(P268)。「退任が決まった理由は一つではないが、コンクール界の潮流や、背後に控える複雑な状況がからみあって、本人は納得いかないまま、退任することになってしまった。」詳しい事情が書かれていないのが不満だが、音楽の世界も芸術の高みの追求という綺麗ごとばかりではないのだなと妙に納得した。
彼女の代表作「チャイコフスキー・コンクール」は処分してしまったが、吉田秀和氏が絶賛したそうで、惜しいことをした。
中村紘子の音楽家としての成功談と彼女を称える記述が続く中で、自ら手塩にかけた浜松...
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(2人)
29. 奨励会
将棋プロ棋士への細い道 マイナビ新書 橋本 長道‖著
マイナビ出版 2018.6
悲しみの青春 さんの評価:
「将棋棋士への細い道」がどんなものかが描き切れておらず、タイトルと中身が違い過ぎるとの酷評あり。確かに奨励会在籍中の苦闘を描いた記述の割合は少ない。著者は奨励会退会後、国立大学を卒業して金融機関に就職したが、会社組織になじめずに退社した後、小説すばる新人賞を受賞して作家デビューを果たしたという経歴からすると、奨励会退会者という負い目よりも、自ら歩んできた人生を冷静に見つめる余裕が感じられ、それが災いして、かって自分が置かれた境遇を分析する上で筆にためらいを生じさせたと言えよう。将棋棋士になれなかった挫折の人生を詳しく知りたければ、名著「聖の青春」を書いた大崎善生氏の「将棋の子」がふさわしい。
それでも「年齢制限があるために、奨励会員は年齢に敏感である。先輩に「誕生日おめでとうございます」というと大抵不機嫌になる」P76という箇所では、彼らの屈折した焦りに恟然としたし、「香落ちは奨励会員を哲学者にするようだ」P72とは、なかなか思いつかない言い回しである。
「将棋棋士への細い道」がどんなものかが描き切れておらず、タイトルと中身が違い過...
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30. 大正天皇
吉川弘文館 2007.8
古川隆久
悲しみの青春 さんの評価:
「大正天皇とは一体、いかなる人物であったのか。大正天皇について事実上何も知らないまま、近代天皇制を明治と昭和の二人の天皇だけで語ることは許されるのか。」という問題意識に基づいて書かれた原武史「大正天皇」は、大正天皇の人物を表すエピソードが色々語られていて興味深い。これに触発されて大正天皇のことをもっと知りたいと思って本書を手に取った。数行ごとに小見出しが入っているのが、内容を理解する上で大きな手助けになって、読者に親切な構成ではある。
原氏の本は、裕仁皇太子の摂政就任について、「大正天皇は…自らの意思に反して強制的に「押し込め」られ、天皇としての実権を完全に失った」と評して大正天皇の悲劇的側面を強調するとともに、皇太子時代には国内各地を積極的に巡啓するなど気さくな性格の好人物として描いているが、本書はこれに異を唱えて、気さくさは軽率の裏返しであるとし(P100)、虚弱体質という宿命を背負って、君主としての在位期間も短かったために、顕著な業績も上げていないと総括する。原説を否定するために大正天皇のネガティブな側面を過度に強調しているとの書評もあるが、以下の記述には驚いた。
大正天皇の日常生活を記した項で、午前9時から午後3時までは政務に就くが、午後の自由時間は「女官たちに漢詩を教えたり、菓子をやるという名目で女官たちに近づいて手をつかんだり、こっけいな格好で写真に収まったりしていた。」(P148)というのである。「こうした気晴らしは明治天皇もやっていたが、女官の手を握ることはなかった。」というダメ押しまでついてきて週刊誌のゴシップ記事めいてくる。本書は吉川弘文館という日本史の老舗の「人物叢書」という由緒ある伝記集の中の一冊であるが、こんなことまで書くことはなかったのではないか。このエピソードは「椿の局の記」からの引用とあるが、著者の山口幸洋は方言学者であって皇室関係の専門家でもないようだから、果たして信用のおける出典なのかしらん。
「大正天皇とは一体、いかなる人物であったのか。大正天皇について事実上何も知らない...
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宮脇俊三 〔著〕
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