ブルーツ・リーさんのブックリスト / 飯能市立図書館

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51. 世界の歴史 24
アフリカの民族と社会 樺山 紘一‖編集 礪波 護‖編集 山内 昌之‖編集
中央公論社 1999.1
ブルーツ・リー さんの評価:
文化相対主義、というものがある。
全ての文化は台頭で、世界のどこの国も平等。
文化に価値はつけられないし、上下なんてありえない。
とする立場だ。

一応理解はできる。理屈として。
ただ、実際問題、それならばなぜアフリカ大陸に世界文化遺産が少ないのか。

この本でも一生懸命頑張って、文化遺産を探したみたいだけれど、
学者の先生が一生懸命探し回っても、
やっぱりアフリカ大陸にはモンサンミシェルはどこにもないのだ。

もちろんアフリカにも文化はある。
ただそれらが、所謂先進国とされる国では、2000年前に通過してきた、
アニミズムの域を出ているものはあまり無い、ということを考えると、
どうしても先進国目線で見た場合、文化的には2000年前と一緒。
という話になってしまう。

人類学を研究している人の間では、アフリカに文化遺産が少ないのはけしからん!
という、あくまで相対的なのだ、という立場の人もいるけれど、
それでも、エジプトのピラミッドは正当に評価され、世界遺産になっているわけで、
別に先進国がアフリカを差別して文化的に劣っている!
と主張しているわけではないと思う。

あとはそれこそ科学を超越したところ、先進国の常識を常識と考えず、
現地の人たちの常識こそが、文化的に優れているんだ!
という主張を本当に覚悟を持ってできる人ならば、
アフリカの文化こそが、本当の文化で、
先進国の文化は金まみれ、キリスト教まみれじゃないですか!!
みたいな主張をすることは可能だとは思う。

個人的には、それでも先進国の意識を捨て去ることはできない。
先進国に生きる者のある意味での呪縛から逃れられていないのかも知れないが、
それでも先進国の生きやすさを享受していながら、
先進国はダメだよね、とは言い切れないように思う。
いくらなんでも、先進国の文学や芸術を捨て、
途上国のような芸術の中でのみ生きる覚悟は、私には無いからだ。

もちろん、途上国の文化は全てダメだよね、という話ではないし、
アニミスムの文化にも、人間が本来持っている温かみのようなものも感じられるのは事実。

この二つの認識のあいだで、揺れ動いている。
文化相対主義、というものがある。全ての文化は台頭で、世界のどこの国も平等。文化に...

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52. 世界の歴史 23
アメリカ合衆国の膨張
中央公論社 1998.6
ブルーツ・リー さんの評価:
200年の時は、現代とダイレクトに通じる時間だと感じた。
戦争、価値観の押し付け、差別。
このみっつについて、この本を読むことによって、考えさせられた。

アメリカ合衆国にとって、最大の内乱だった南北戦争。
これって、ここまで甚大な被害が出た戦争だったんだな、と。

もちろん、南北戦争自体は知っていたし、
映画「風と共に去りぬ」「リンカーン」あたりで、
大きな被害が出た戦争だったことは知っていたけれど、
しかし、それにしてもその死者数が群を抜き、
一国の内乱としては、実は人類史最大の内乱だった、
という事実は、初めて知った。

ビッツバーグの戦いは、日本の関ヶ原みたいなものかと思っていたのだけれど、
とんでもない。
武器の質があまりにも違い、まさに虐殺に次ぐ虐殺。
さらに、戦争自体が終結するまでに、何年もかかっている事実を、
この本を読んで初めて知った次第。

もちろん南北戦争だけではなくて、「明確なる宿命」により、
西へ西へと領土を広げていったアメリカの拡張もしっかりと捉えており、
この辺りは、歴史に興味が無い人でも、
ぜひ知っておいていただきたい事象。
西の土地は、何も無人の荒野ではなくて、先住民、ネイティヴアメリカンの住む土地。
それらがいかに征服されていったのか。
この事実は、現代の日本に住む私たちにとっても、知らない、で済ませていい事実ではないと思う。
現に、先進国が「未開」としている国々では、現在も、先進国化、というより、
欧米と同じような国に変えてしまえ!
という流れは、グローバリゼーションの名の元、着々と進行中だ。

私たちが知らなければならない事実、という意味では、
黒人奴隷の現実、それらが本当に解放され、
本当の意味での自由を得たのは、実は現代ですらない。
未来に起こって欲しい事象。
2014年には、黒人が白人警官によって銃殺される事件が起こり、
黒人差別撤廃を訴える黒人たちのデモ活動も活発に、今、この時も起こっている。

戦争、価値観の押し付け、差別は、何も過去にのみ起こる事象では無い。
この本を読むことによって、200年前から人類は本当に進歩したのか、
少しでも、いい社会を作ってこられているのか。
そんな事を自問自答した。
200年の時は、現代とダイレクトに通じる時間だと感じた。戦争、価値観の押し付け、...

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53. イラスト西洋美術史
新版 視覚デザイン研究所 編集室‖編集
視覚デザイン研究所 1990.12
ブルーツ・リー さんの評価:
美術史って全く分からんなあ~とか思ってるインチキ学徒。ブルーツ・リー。
せめて中学生向きくらいのこの本ならば読めるはず!と思い読んでみた。

うん、知ってる。ワシぬーらでもこの流れは知ってる。
そんなに深くないのは仕方ないかもしれないけれど、
何か、根本的に、「イラスト」と「美術作品」と「文章」がごちゃまぜで読みづらいんですが~!
ゆとりっ子にはこういう漫画ちっくな本の本が読みやすいんでしょうか??

こちらもさすがにいつも文章ばかり読みたいわけじゃなくて、
せめて美術に関するときくらいは、美術作品の美しさに心ふるわせたいわけですYO!
あんまりイラストと美術作品と文章がごっちゃになった漫画は読みたくないわけですYO!

なんだか、構成が…。
そんなこと言うならもっと専門的な美術書読めよって話なのかもですが。
中学生、高校生くらいで、まだ大学レベルの美術を知らなくて、
マンガ感覚で、さらっと美術を知りたい!
くらいの人におすすめ。

てかわしゃ一応純文学が専門なんですYO!
中高生とそんなに美術の知識はかわらないですケド~?

ワシがマンガ読めるようになればいいのかな(笑)

最後くらい真面目にまとめると、
中高生の入門書としてはおすすめ。
大人には不向き。
という感じの一冊でした。
美術史って全く分からんなあ~とか思ってるインチキ学徒。ブルーツ・リー。せめて中学...


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54. 終わらない原発事故と「日本病」 
新潮社 2013.12
柳田邦男
ブルーツ・リー さんの評価:
大企業がしばしば陥る責任回避の動き、
血が通わないお役所体質。
それらは、高度成長以来の日本において、
「日本病」としてはびこり、
結果、被害者の視点を欠いた企業対応、
繰り返される大きな事件事故を引き起こしている、
という問題提起を行っている本書。

こういった本の場合、
「日本は全てがダメなんだ!」
という調子で書かれる事も多いのだが、
本書においては比較的客観性を持った内容で、
中立性を担保しつつ、しかし被害者の視点を失わない、
筆者の言うところの、「2.5人称の視点」
の発現として、バランス感覚を持った書きぶりに共感を覚えた。

ただし、ある意味ではそういったあくまで第三者の視点。
時に冷徹に過ぎる視点こそが、日本の社会を作って行ったのも事実。
それこそ大企業の不祥事が起きた場合、
必死になって責任を回避しようとするのは、
責任問題が重くなった場合、容赦なく、冷徹に、
「加害者」とされる側を法的のみではなく、
社会的に断罪する文化があるからこそ、
ある意味において、日本の文化や秩序が保たれているのも事実。
司法や行政が、「2・5人称」の視点ではなく、
あくまで客観的に物事を動かすことによる利点が存在することも事実だろう。

その一方で高度経済成長期、日本人が切り捨てて来たものは、
人間の心ではないだろうか。
公害も発生し、健康被害や、酷いケースでは死者も出た。
それらはすでに日本社会において、高度経済成長の闇として認知される。
しかし、同時に日本人が忘れてしまったのは、人間の心ではないか。
被害者はどういった心を持っているのか、
加害者の感情は果たして人間的と言えるのか
そういった問いを、改めて考え直す機会を与えてくれる。
そんな一冊だったように思う。
大企業がしばしば陥る責任回避の動き、血が通わないお役所体質。それらは、高度成長以...

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55. 世界の歴史 22
近代ヨーロッパの情熱と苦悩 樺山 紘一‖編集 礪波 護‖編集 山内 昌之‖編集
中央公論新社 1999.2
ブルーツ・リー さんの評価:
19世紀のヨーロッパを、中世とする見る意見なんてあるんだなあ、と。

確かに、現代の資本主義、民主主義が当たり前の時代からすると、
19世紀って、なかなか現代の諸制度が整ってこんなあ、
という印象はぬぐえないかも。
ただ、それを「中世的停滞」という意味で19世紀が中世というならば、
産業革命もあり、コミューン運動、それをつぶしにかかる動き、
民主化されたり共和化されたり革命暴動反乱おきまくる時代、
さすがに停滞しているという意味での中世ではないのでは…?
とは思った。

ただ、民主主義と自由経済が当たり前の現代の感覚からすると、
フランス革命が起きてから100年ほどの歩みはいかにももどかしい
という気持ちはわからないでもないかも。
まさに「苦悩」というタイトルが示す通り、
19世紀のヨーロッパというのは、産みの苦しみの時代だったんだろうな、
という思いを強く持った。

あと感じたのは、印象派、よくこんな時代にあれだけさわやかな絵画を描けたな、と。
産業革命以前の、飢饉すらしょっちゅうの時代、
さらに産業革命直後のあまりに悲惨な労働者の使われ方。
これらの中で、よく「個」に迫れたな、とは思うけど、
ちょっとだけ、印象派は時代を、世界を描けていたのか?
という疑問がよぎったのも事実。
一部上層階級の事だけを描いたということか?
しかし絵描きは基本的にこの時期まだ貧乏なはずだし…?うーん。

ただ、もしかすると、後世から見ると悲惨な時代でも、
当時を生きる人からすると、必ずしもこの本にあるように、
苦しみだけの時代ではないのかも。
もしかしたら、今の21世紀だって、
23世紀くらいの人が見たら、
「よくこんな悲惨な時代を暮せたもんだ」
って話になっているかもだし。

そういう意味では、ちょっと時代の暗い側面ばかり描きすぎた感はあるのかも。
印象派の絵と、この本の間あたりが、
実は実際の19世紀ヨーロッパを捉えているのかも知れない。
19世紀のヨーロッパを、中世とする見る意見なんてあるんだなあ、と。確かに、現代の...

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56. 世界の歴史 21
アメリカとフランスの革命
中央公論社 1998.3
ブルーツ・リー さんの評価:
読みやすく、まとめられています。
他のシリーズに比べれば、日本人になじみのあるフランスやアメリカが舞台で、
さらに時代背景もアメリカ独立戦争やフランス革命の時期なので、
こちらもある程度、日本人にも予備知識がある状態でのスタートなので、
同じシリーズの別の本に比べて、有利な位置にいるのは間違いありません。

読みやすいな、と感じたのは、単に歴史背景を知っているからなのか、
それとも、著者に度量があるからなのかは、難しいところですが。

シリーズを通して、普通の民衆の視点、というものを大事にしているのですが、
その点に関しては、フランス革命の民衆の視点は、
すでにある程度教養のある日本人ならば、誰でも知っているよ、
というくらいのエピソードしか載っていなかったのは残念です。
もう少し、掘り下げる余地はあったように思います。

ただ、全体として読みやすく、わかりやすくまとめられていたのは事実。
それほど深入りすることなく、フランス革命、アメリカ独立戦争期を知りたい人ならば、
読んで損のない一冊だと感じました。
読みやすく、まとめられています。他のシリーズに比べれば、日本人になじみのあるフラ...


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57. 土壌汚染 フクシマの放射性物質のゆくえ
NHK出版 2013.9
中西友子  著
ブルーツ・リー さんの評価:
良かった点。
客観的に、冷静に数字や研究を行っており、
不安を煽りたてることはなく、安全ですよと強調しすぎることも無かった。

ただ、文章構成が致命的に下手すぎる。
学会に提出する論文ではないのだから、
ただ長々と書けばいいというものではない。
一旦問題提起をしておきながら、なぜか他の問題に移り、
その問題について無味乾燥な情報を淡々と語った挙句に、
最初に問題提起した内容に移っても、
読者の関心は他に移るか退屈させてしまっている。
いかにも読ませることを考えていないように感じた。

この内容だったら、精査すれば半分の文章量で済むのではないか。
とにかく科学的であり、客観的であることにこだわるあまり、
文章がデータの説明を延々としているという印象を受けた。
さらに、普段より新聞を読んでいれば、この本の内容ならば、
すでに知っている内容もかなり多いように感じた。
もう知っている内容についてデータや理論を延々と書かれても、
新しいものが導き出されるわけではない。

よっぽど文系の編集者が、延々とダメだしする作業をしないとこうなるんだろうな、
という印象を受けた一冊。
良かった点。客観的に、冷静に数字や研究を行っており、不安を煽りたてることはなく、...


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(1人)
58. 聖書物語 ビジュアル版
講談社 2000.10
木崎さと子 著
ブルーツ・リー さんの評価:
新約、旧約のそれぞれの聖書の内容について、
比較的わかりやすくストーリー化、解説を加えている内容の一冊。

ただ、ビジュアル版ということであるし、もう少し絵画等は欲しかった。
キリストの磔刑など、西洋絵画にはいくらでも聖書の内容の絵画がある。
ビジュアルとして見せているのが、聖書の舞台となった土地の画像や、
遺跡だけというのはやや残念には思われた。

解説についてもわかりやすいのだが、せっかく小説家が編集したのだから、
いっそ全編を小説化してもよかったようには思われる。
ただ、原本では読みづらい聖書を現代文として綺麗にまとめあげ、
適切な解説を行っているという点では評価できるように思う。
新約、旧約のそれぞれの聖書の内容について、比較的わかりやすくストーリー化、解説を...

図書
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59. 日本人のための「集団的自衛権」入門
新潮新書 558 石破 茂‖著
新潮社 2014.2
ブルーツ・リー さんの評価:


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60. いま考えなければならないこと 原発と震災後をみすえて
岩波書店 2012.11
加藤周一  著, 凡人会  著
ブルーツ・リー さんの評価:
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