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レビュー一覧 (512件)
るなくんさんの投稿レビュー/網走市立図書館
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(23人)
491. BUTTER
柚木 麻子‖著
新潮社 2017.4
るなくん さんの評価:
結婚詐欺の末3人の男性を殺害したとされる容疑者、梶井真奈子通称「カジマナ」を取材する女性記者里香は、面会で食を通しての欲望と快楽は彼女を翻弄していく。butterの濃厚ささながら、読んでいてちょっと重い。本に促されるように、読書中に炊きたてご飯にバターをのせ、食べただけだけど、すべてのレシピが食べたいと思ったほどの食レポに、「食は本能であり、美食は最高の贅沢」と実感。
犯罪心理にも影響を及ぼすほどのものかも・・・
結婚詐欺の末3人の男性を殺害したとされる容疑者、梶井真奈子通称「カジマナ」を取材...
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(10人)
492. 墨の香
梶 よう子‖著
幻冬舎 2017.9
るなくん さんの評価:
江戸老中水野忠邦時代、嫁ぎ先から離縁された雪江は、筆法指南所を開く。師匠巻菱湖がそうであったように、弟子と向き合い硯と墨が溶け合うように弟子の心を溶かしていく様が凛としており美しい。心はその人なりを表し、その姿を紙の上で墨が表現していく。
雪江の廻りの美形の弟新之亟や髪結いの銀次など、江戸人情が、この時代女性の自立は珍しい、女性書家としての雪江を微笑ましい絡みで支えていく。
本を読み終わりさぼっていたペン字の練習を再開しはじめました(笑)
江戸老中水野忠邦時代、嫁ぎ先から離縁された雪江は、筆法指南所を開く。師匠巻菱湖が...
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(37人)
493. たゆたえども沈まず
原田 マハ‖著
幻冬舎 2017.10
るなくん さんの評価:
ゴッホは研ぎ澄まされた精神者であり、狂気に晒されるほどの感覚を持った画家だったと再確認。
ゴッホは自分の体と心を傷つける。その言動はゴッホを支える弟テオの心も切り裂いていく。それでもテオの兄への思慕は切り刻まれても愛してやまない、そして彼の描く絵も深く愛し追い求めていく。
浮世絵を通して知り合った画商、林忠正はセーヌ川に漂う小舟のように「たゆまえども沈まず」の言葉とともに支えていく。ゴッホの絵はこんなに浮世絵の影響を受けていたことも興味深かった。
それゆえに数々の名画が生まれた背景がわかり、今までと違う視点から作品を鑑賞するとゴッホと弟テオの心まで透けてみえてきそうだ。
とても良質な一冊。
ゴッホは研ぎ澄まされた精神者であり、狂気に晒されるほどの感覚を持った画家だったと...
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(9人)
494. 砂上
桜木 紫乃‖著
KADOKAWA 2017.9
るなくん さんの評価:
本を書くという作業のプロセスを、小説なのか実話なのか境目のない内容に引き込まれていく感覚。自分の過去・そして母の人生は壮絶でありながらどこか冷めた視点から流れていく。
心をえぐられる瞬間さえ屈しない精神力がないと作品は生まれず、読者が感動しない。すべての本の作者に敬礼です。
本を書くという作業のプロセスを、小説なのか実話なのか境目のない内容に引き込まれて...
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(29人)
495. 百貨の魔法
村山 早紀‖著
ポプラ社 2017.10
るなくん さんの評価:
百貨店で働く人たちが織りなす優しさがあふれる本です。
白い子猫に出会うと(優しさという魔法のエッセンス?がかけられ)、願いが叶う癒しの内容です。斜陽傾向にある百貨店ですが、子供のころは特別におしゃれしてお買い物をして、屋上でお子様ランチを食べた思い出が蘇って懐かしくほっこりしました。
幼稚園の頃、手動のエレベーターガールの白い手袋と首に巻いたスカーフにあこがれました。そのあとだんだん自動ボタンにかわり、高速エレベータで屋上まで登るガラス越しの街並み風景も今はもう昔の思い出です。
ノスタルジックな背景と癒しの世界観は読み終えたとき心地良い。
百貨店で働く人たちが織りなす優しさがあふれる本です。白い子猫に出会うと(優しさと...
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(26人)
496. 騙し絵の牙
塩田 武士‖著
KADOKAWA 2017.8
るなくん さんの評価:
本好きにはちょっと切ない出版業界の実情を知りました。
電子でも読むことがありますが、本の紙をめくる次の展開への期待感や時間がきてどうしてもここまでと、しおりを挟んで閉じる感覚は私にとって麻薬的に魅力的です。
そんな読者が減ってきている現状の厳しさを痛切に感じました。
編集者や書店の方々の努力が報われるためにも、図書館で読んでよかった本は手元に置くために購入しようと思います。がんばれ!出版業界!
本好きにはちょっと切ない出版業界の実情を知りました。電子でも読むことがありますが...
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(21人)
497. アナログ
ビートたけし‖著
新潮社 2017.9
るなくん さんの評価:
木曜日にしか会えない人に恋をした「悟」、悟の友人山下、高木がおりなす友情をコミカルタッチでかみ合わせたクラシックでピュアな作品。北野たけしが書く小説とはどんなものか興味がありましたがとても読みやすい本です。
便利な物が充満する世の中にアナログ的な恋愛は新鮮に感じ、思わずがんばれ!と応援したくなりました。
恋の展開、そして病床の母親との接し方、随所に熱き優しさをもった友人に支えられている悟は本当に幸せ者ですね。ラストの今はアナログだけでは生きていけないという皮肉さがスパイスになっています。
木曜日にしか会えない人に恋をした「悟」、悟の友人山下、高木がおりなす友情をコミカ...
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(11人)
498. ふたご
藤崎 彩織‖著
文藝春秋 2017.10
るなくん さんの評価:
「なっちゃん」と呼びかける1歳年上の月島。異才の研ぎ澄まされた感性の持ち主と夏子は時間を共有していた。「なっちゃんはふたごみたい。」という、恋人だはない・・曖昧で心もとない感情が、彼の行動に振りまわされていく。芸術は心のギリギリの狂気がないと生まれないのかもしれない。非凡な我が身が愛しく思える。
「なっちゃん」と呼びかける1歳年上の月島。異才の研ぎ澄まされた感性の持ち主と夏子...
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(34人)
499. この世の春 下
宮部 みゆき‖著
新潮社 2017.8
るなくん さんの評価:
石野織部を中心に多紀とその仲間の献身が重興の心をすこしづつ強くしていく。そして末路わぬ者たちへのリベンジが始まる。悪意の憑依は多くの謎を含む。仲間たちの熱き想いは意外な過去の紐ときをしていく。思わず「がんばれ重興!」と叫びそうになった。
心とは儚く危うい、けれど愛する者たちへの思いはまた心を強くする。
ほんと、宮部みゆき作品は面白い。
石野織部を中心に多紀とその仲間の献身が重興の心をすこしづつ強くしていく。そして末...
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(34人)
500. この世の春 上
宮部 みゆき‖著
新潮社 2017.8
るなくん さんの評価:
美貌の北見藩青年藩士は突然隠居を強いられる。北見藩元家老の石野織部は多紀を
一筋の望みをかけ、座敷牢にて治療する重興のもとへ送る。夜な夜な聞こえる泣き声は何なのか・・・宮部みゆきワールド全開の魔訶不思議さが少しづつ解明されていく。上巻はなぜ?どうなるの?で朝から一気に夜も眠らず読み通しました。
心が痛い・・下巻にて重興の苦しみが和らぐことを期待。
美貌の北見藩青年藩士は突然隠居を強いられる。北見藩元家老の石野織部は多紀を一筋の...
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