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レビュー一覧 (33件)
たくさんさんの投稿レビュー/市立釧路図書館
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(2人)
1. 死んだ石井の大群
金子 玲介‖著
講談社 2024.8
たくさん さんの評価:
気が付くと真っ白な体育館のような空間にいた女子中学生の石井唯。
そこには彼女を含め333人の老若男女が。奇妙なことにその場にいる全員の姓が石井だった。
声だけの主催者によると全3回のデスゲームを制した1人だけが生き残れるという…
時を同じくして、探偵業を営む伏見へ千秋楽を前に失踪した舞台俳優の捜索が依頼される。その俳優の名前は”石井”有一であった。
前作「死んだ山田と教室」にタイトルが似ているが、続編ではないのでこちらだけ読んでも全く問題ありません。
全く異なる題材を扱いながら、特徴的な文体はそのまま。コミカルな掛け合いも面白いです。
ページが少ないためすぐ読み終わってしまい、やや物足りなさを感じた。
もう一展開くらいあっても良かったのではないだろうか。
デスゲームを扱っているため300人以上の登場人物が亡くなるが、読後は前向きな気分になる不思議な作品。
気が付くと真っ白な体育館のような空間にいた女子中学生の石井唯。そこには彼女を含め...
図書
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(35人)
2. 此の世の果ての殺人
荒木 あかね‖著
講談社 2022.8
たくさん さんの評価:
2か月後に日本に墜落する小惑星により、滅亡が決まった地球。
絶望し自ら命を絶つ者。可能性に賭け日本を出る者。ここを終の棲家と決め、ただその日を待つ者。
そうしてほどんどの人がいなくなった福岡県で、主人公は自動車教習所の教官と共に他殺体を発見する。
いずれ全てが無くなるこの世界で、なぜ他者を殺める必要あったのか。犯人は?動機は?
狂気ともいえる正義感で犯人を追う教官と、主人公が事件の真相に迫る。
伏線の提示の仕方がさりげなく、だが印象的なため「あの描写そういう意味だったのか」と思い返して鳥肌が立つシーンが何度もあった。
「決めつけが自身の可能性を狭めてしまう」事がテーマの一つで、そんな事柄が一貫して何度も描かれているのが作品としての完成度の高さを感じさせられる。
これが著者のデビュー作とは信じられない。
社会が崩壊しかけている絶望的な世界を描いているのに、不思議と読後感が爽やかで前向きな気分になれる作品。
2か月後に日本に墜落する小惑星により、滅亡が決まった地球。絶望し自ら命を絶つ者。...
図書
貸出可能
(18人)
3. ファラオの密室
白川 尚史‖著
宝島社 2024.1
たくさん さんの評価:
古代エジプト。
王墓の崩落に巻き込まれ、命を落とした神官セティ。
時を同じくして、葬送の儀の最中に棺から消失し、遠く離れた場所で見つかった先王のミイラ。
冥界に行ったものの心臓が欠けていたため審判が受けられず現世に戻されたセティは、自身の心臓のありかと2つの事件の真相に迫っていく。
舞台が古代エジプトで探偵役がミイラという奇抜な設定は、近年のこのミスらしさを感じる。
エジプトの死生観や信仰、文化といったものがトリックにしっかり絡んできており、単なる時代物ではなくミステリとしてしっかり成立している。
最後のどんでん返しは衝撃的だが、その事実が物語全体に効いている感じが薄く、見せ方次第ではもっと良くなりそうと感じた。
次回作にも期待。
古代エジプト。王墓の崩落に巻き込まれ、命を落とした神官セティ。時を同じくして、葬...
貸出不可(未所蔵)
(3人)
4. 七(なな)回死んだ男 新本格ミステリ
講談社 1995.10
西沢保彦 著
たくさん さんの評価:
幼少期より、ときおり同じ日を9回繰り返す”反復落とし穴”現象に見舞われる高校生の主人公。
親戚が集まった正月、祖父の家でそれが起きてしまう。
祖父に勧められた酒のせいでまともに歩けないほどの酔い、兄の車で自宅に帰ったはずが、目が覚めると再び祖父の家。一度目にした状況や会話が繰り返される。
お馴染みのループ現象。そのまま同じ日が繰り返されるかと思いきや、今回は祖父が何者かに殺害されてしまう…
犯人は?動機は?
主人公はループを繰り返し祖父殺害の真相を解き明かし、祖父が死なない方法を探していく。
同じ時間を何度も繰り返す”ループ物”で”ミステリ”という今では珍しくない組み合わせではあるが、黎明期であろう1995年の時点でこの設定を見事に使いこなしている。
繰り返しの2周目から祖父が死ぬようになった理由と犯人の正体は素直に驚かされた。
ループミステリの傑作。
幼少期より、ときおり同じ日を9回繰り返す”反復落とし穴”現象に見舞われる高校生の...
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(11人)
5. スイッチ
悪意の実験 潮谷 験‖著
講談社 2021.4
たくさん さんの評価:
期間中は日当1万。終了時には追加で100万という破格のアルバイトに参加することになった大学生たち。
仕事内容は簡単。専用アプリをスマホにインストールし、期間中にアプリ内のスイッチを押すか、押さないか選ぶだけ。
誰か一人でもスイッチを押すと、校外でパン屋を営む家族の生活が破綻する。
押した人も押さなかった人も等しく報酬は受け取れるため、押すことによるメリットはない。
主催者はこの実験で、”ただ他者に危害を加えるためだけに”スイッチを押す「純粋な悪意」の存在を検証しようとしていた。
殺人犯ではなく「スイッチを押したのは誰か?」を推理していく内容が新鮮だった。
もっと自分を大切にしようと思える作品。
期間中は日当1万。終了時には追加で100万という破格のアルバイトに参加すること...
図書
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(2人)
6. 伯爵と三つの棺
潮谷 験‖著
講談社 2024.7
たくさん さんの評価:
元吟遊詩人の男が拳銃で殺された。
容疑者は殺害現場となった城の管理を任されていた3兄弟。
主人公を含め複数の人間が犯行の瞬間と犯人の顔を見ていたにも関わらず、犯人がわからない。
何故なら、3兄弟はそっくりな三つ子だったから。
1700年代のヨーロッパ。科学捜査どころか警察という組織も存在しない時代で、犯人を特定することはできるのか。
作中でそこまで真実とされていた事が覆されるシーンが何度もあり、その一つ一つがどれも「このオチだけでも一つの作品として成立しそう」なものばかりで何度も驚かされた。
元吟遊詩人の男が拳銃で殺された。容疑者は殺害現場となった城の管理を任されていた3...
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(1人)
7. 動物城2333
荷午‖著 王 小和‖著 阿部 禾律‖下訳 島田 荘司‖訳
講談社 2024.7
たくさん さんの評価:
近未来。動物の知能が急激に発達したことにより、動物の国「動物城」を築かれ、長く抑圧されてきた動物と人間の間には幾度となく戦争が起こった。
2333年。人間側から和平交渉のための大使が送られる。
しかし、大使は動物の国のホテルの客室内で惨殺されてしまう。
こんな事件が起きてしまえば人間の国との和平条約締結は絶望的。大使を殺したのは誰か?死因は?目的は?
動物の国のロバの探偵とカエルの助手が事件の真相に挑む特殊設定ミステリ。
大使の事件を主軸に、動物城と取り巻く様々な問題が描かれながらも全てがラストに繋がっており、殺人事件を扱ったミステリなのにすっきりと爽やかな気持ちになる作品。
難点はファンタジーとリアルの境界。
「そういう設定だから」と割り切る必要がある場面がいくつかあった。ただ、それを抜きにしても見事な伏線回収とどんでん返しだった。
近未来。動物の知能が急激に発達したことにより、動物の国「動物城」を築かれ、長く抑...
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(4人)
8. エレファントヘッド
白井 智之‖著
KADOKAWA 2023.9
たくさん さんの評価:
グロテスク、胸糞。だけど本格ミステリ。
内臓が出たり、胎児に纏わる描写等があるので、苦手な方はご注意を。
設定やトリックが斬新でミステリとして良くできた作品ではあるのですが、過激な描写のため読む人を選ぶと思います。
グロテスク、胸糞。だけど本格ミステリ。内臓が出たり、胎児に纏わる描写等があるので...
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(7人)
9. 時空犯
潮谷 験‖著
講談社 2021.8
たくさん さんの評価:
時間遡行研究の第一人者である北神博士から突然依頼を受けて集められた、主人公を含め8人の男女。
博士曰く、この世界では時間の巻き戻りが自然現象として頻繁に起きているが、通常は記憶もリセットされるため誰も認識できていない。
巻き戻り後の世界に記憶を引き継ぐ方法を発見した自分は巻き戻りの現象を認識できているのだが、本日6月1日だけが何らかの理由で900回以上繰り返されている。その原因究明のために様々な分野に長けた人を集めた。とのこと。
博士を含めた9人は6月1日を繰り返し、巻き戻しを意図的に起こしていると思われる”時空犯”の正体を突き止めていく。
”時間の巻き戻りは自然現象として起きているため、記憶を引き継ぐことができればタイムリープできる”という設定が面白い。
ミステリとして”時間遡行”がトリックや推理の材料としてしっかり関わってくる点が作品としてのまとまりあって良いと思った。
時間遡行研究の第一人者である北神博士から突然依頼を受けて集められた、主人公を含め...
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(14人)
10. スワン
呉 勝浩‖著
KADOKAWA 2019.10
たくさん さんの評価:
大型ショッピングモール「スワン」で発生した、無差別大量殺傷事件。
犯人は一部始終をカメラで撮影し、ネット上に公開。犯行直後に現場で自殺。
監視カメラの映像も残っているため、犯人も犯行内容も明白。という状態から始まるミステリー。
正直ここから何を推理するのだろうと思い読み進めると”被害者の1人である高齢女性の殺害現場の謎”を解き明かしていくという展開になっていく。
事件発生当初、別の場所にいたはずの女性がなぜ犯人の近くに移動し被害にあったのか。
事件当時現場にいながら生き延びることができた5人が集められ、事件当時の行動を振り返っていく…
大型ショッピングモール「スワン」で発生した、無差別大量殺傷事件。犯人は一部始終を...
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