人間の深層に照準を合わせた深い内容だと思うのだが、
なにせ凡人の私には理解するのは、前半かなりかかった。
「記憶は自分のもでしかない。月日がたてば良いようにも、悪いようにも
変化する。」という文書に「なるほど！」と唸った。
又吉氏らしい文章まわしで物語が進んでいく。
前半は、ちょっと読むのに疲れるが、後半は前半のエピソードが
ボディブローのように効いてくる。ゆっくりと味わいながら読むのが良いと思う。

　期待して読んだがそうでもない、著者の真剣な思いが綴られている。
　真面目な内容、お気軽な作品を望む方にはおすすめしません。