2021年本屋大賞ノミネート作品
「何をお探し？」図書館には調べ物のお手伝いをするレファレンスというサービスがあります。この本では、探しているものが、本でも仕事でも人生でも見つけるお手伝いをしてくれる司書が登場します。立場も年齢も違う5人がふとしたきっかけで訪れた図書室で人生のきっかけを見つける物語です。

「そのときに一番やりたいことを、流れに合わせて一番やれる形で考えていったら、そうなった。自分の意志とは別のところで状況は刻刻と移りゆくからね。」
人生はそんなものかもしれないと思い、そのきっかけをくれる本に出合う、人に出会うことがたくさんあればいいなと思います。私たちもそのお手伝いがしたいです。

人生の悩みを静かに受け取り、押し付けつことなく
本人の希望の本と一緒に、その人の心に刺さる本一冊を
添える図書館司書「小町さゆりさん」
そして、勝手に添えた本にさらに付録と題して、羊毛フェルトの
マスコットをプレゼントする。

読者はその本から何らかの希望を見つけ、ちょっとだけ前に進む力をもらう
５人の短編で連作になっている。
ラスト「正雄の歌」の詩が心に響いた。

悩める人たちが偶然立ち寄った図書室。ちくちくと羊毛フェルトをしている司書さんからの選書で物語が進んでいきます。

ビタミン本。
さくっと読めるのにじわんと心奥深くまで響く。境遇は違うのだけど、ワーママの3章を読んでいる時泣いた。

少し見方を変えるだけで人生はドラスチックに変わる。
この図書館の司書は変えるためのヒントを悩める人々に与えてるだけ。
人生を変えていくのは本人の意思。
ここでの変化はありがちな物語。