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つまらない住宅地のすべての家
双葉社 2021.3
津村 記久子
∥著
(17人)
蔵書数: 2冊
貸出数: 1冊
貸出可能数: 1冊
予約件数: 0件
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竜王図書館 <1012427397>
貸出可 / 1F棚17/913.6チ-ハ / / /913.6/ツ/ / 帯出可
双葉図書館 <2811038419>
貸出中 / 一般小説913.6ア-ト / / /913.6/ツ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-575-24385-7
13桁ISBN
978-4-575-24385-7
書名ヨミ
ツマラナイ ジュウタクチ ノ スベテ ノ イエ
著者ヨミ
ツムラ キクコ
分類記号
913.6
価格
¥1600
出版者ヨミ
フタバシャ
大きさ
20cm
ページ数
238p
抄録
静かに並ぶ住宅地の家々。ある出来事をきっかけに、それぞれの家の、それぞれの事情が見えてきて…。日々いろいろな思いを抱えて暮らす人々を、たくみな構成と描写で浮き彫りにした長編小説。『小説推理』連載を単行本化。
メディア化タイトル
つまらない住宅地のすべての家
著者紹介
1978年大阪府生まれ。「ミュージック・ブレス・ユー!!」で野間文芸新人賞、「ポトスライムの舟」で芥川賞、「給水塔と亀」で川端康成文学賞を受賞。
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地域住民になった。
(2021/06/22)
るなくん/網走市立図書館
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住民たちの人間関が、最初わかりづらく、
名前と住宅配置説明のページで確認しながら読み進めるうちに
その地域住民に読み手がなっていく感覚になった。
不思議な一体感を味わった。
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りんごの実の花言葉
(2022/06/19)
unofficial ファン倶楽部/和泉市立図書館
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津村さんのトークショー終了後のサイン会で私がサインしていただいたのが
「つまらない住宅地のすべての家」だ。私がかぶっていた帽子を一瞥され「そ
の帽子。。。」と呟かれながら、サインの他に為書きならぬ「為絵」?も書
いてくださった。変な顔をした絵だ。
この時は未読だったのでこの絵が何かわからなかったのだが、すでに読んだ
方から、これはリンゴでしょうと教えてくださった。
読んだあとこの絵を見て、うん、リンゴの顔だと確認したものの、変な顔だ
し、なぜリンゴなの?としばらく考えたのだが、こじつけで、一応の理由ら
しきものを発見した。
この小説に描かれる食べ物はそれぞれ大切な役割を担っているように見える。
登場人物たちのある内情を端的に表しているのだ。例えばある青年の食べる
“雑巾みたいな味のするトースト”。不穏なことを目論んでいる彼の胸の内
がそれとなくわかる。印象的なのが“揚げそば”だ。刑務所から脱走した犯
罪者(女性)がこの住宅地に向かっているらしいという情報を得た自治会長
が、その脱走者が現れるのを監視するため住宅地の住人に声をかけて老夫婦
の家に集まる。普段はお互いに交流がない住人たちは、はじめはぎこちない
のだが、老夫婦がもてなしてくれた揚げそばが美味しくて、自然に打ち解け
ていくのだ。その微妙な変化がうまく描かれている。
で、りんごだが、女性脱走者が入院している彼女の父親に会ったとき、病室
の冷蔵庫にあったのがこのりんごである。脱走の目的のひとつを果たした
彼女は、「次の機会」のためにりんごを食べずにいたのだが、終盤、知人で
あった住人のもとにそのりんが渡り、知人の母親がきれいに洗って食べるの
である。どうってことのない描写であるが、知人の胸の内が伝わってくる。
思いついて花言葉を調べてみた。花の実にも花言葉があるとは知らなかった。
りんごの実の花言葉は“誘惑”!
住宅地図を見返しながら読むって、最初は戸惑ったが、次第に楽しくなった。
数年前に出た『ディス・イズ・ザ・デイ』は力作だと思うが、
併せて津村さんの“進化”の表れであることは間違いないと思う。
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双葉図書館 <2811038419>
貸出中 / 一般小説913.6ア-ト / / /913.6/ツ/ / 帯出可
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るなくん/網走市立図書館
名前と住宅配置説明のページで確認しながら読み進めるうちに
その地域住民に読み手がなっていく感覚になった。
不思議な一体感を味わった。
unofficial ファン倶楽部/和泉市立図書館
「つまらない住宅地のすべての家」だ。私がかぶっていた帽子を一瞥され「そ
の帽子。。。」と呟かれながら、サインの他に為書きならぬ「為絵」?も書
いてくださった。変な顔をした絵だ。
この時は未読だったのでこの絵が何かわからなかったのだが、すでに読んだ
方から、これはリンゴでしょうと教えてくださった。
読んだあとこの絵を見て、うん、リンゴの顔だと確認したものの、変な顔だ
し、なぜリンゴなの?としばらく考えたのだが、こじつけで、一応の理由ら
しきものを発見した。
この小説に描かれる食べ物はそれぞれ大切な役割を担っているように見える。
登場人物たちのある内情を端的に表しているのだ。例えばある青年の食べる
“雑巾みたいな味のするトースト”。不穏なことを目論んでいる彼の胸の内
がそれとなくわかる。印象的なのが“揚げそば”だ。刑務所から脱走した犯
罪者(女性)がこの住宅地に向かっているらしいという情報を得た自治会長
が、その脱走者が現れるのを監視するため住宅地の住人に声をかけて老夫婦
の家に集まる。普段はお互いに交流がない住人たちは、はじめはぎこちない
のだが、老夫婦がもてなしてくれた揚げそばが美味しくて、自然に打ち解け
ていくのだ。その微妙な変化がうまく描かれている。
で、りんごだが、女性脱走者が入院している彼女の父親に会ったとき、病室
の冷蔵庫にあったのがこのりんごである。脱走の目的のひとつを果たした
彼女は、「次の機会」のためにりんごを食べずにいたのだが、終盤、知人で
あった住人のもとにそのりんが渡り、知人の母親がきれいに洗って食べるの
である。どうってことのない描写であるが、知人の胸の内が伝わってくる。
思いついて花言葉を調べてみた。花の実にも花言葉があるとは知らなかった。
りんごの実の花言葉は“誘惑”!
住宅地図を見返しながら読むって、最初は戸惑ったが、次第に楽しくなった。
数年前に出た『ディス・イズ・ザ・デイ』は力作だと思うが、
併せて津村さんの“進化”の表れであることは間違いないと思う。