眠りから覚めないイレス患者3人の担当医の愛衣は、
自らも過去に深い傷を受けた心の傷が癒えずに苦しんでいた。
出口の見えない治療に疲れ、実家へと足を運んだ愛衣は、
ユタとして強い能力があった祖母から、魂の救済に挑む後押しを受ける。

現実ではない患者の夢、「夢幻」の世界は、摩訶不思議に妖しく
描かれていて、文章から創造する色彩はとても美しい。

抱えていた患者の心に向き合い、傷を癒し、現実の世界へと導く。

あと1人残った患者の救済、そしてそのエピソード。下巻にも期待大。

　昨年１１月～今年７月まで掲載された上下合わせて７００ページに及ぶ超大作
　知念実希人さんの作品なので読み飽きることはありません、連載作でありがちな無理に嵩を増すような所はなく充実した内容です。
　前半は村上春樹さんの文学に似ているような感じが濃いです、後半が楽しみです。