曰く付きのホスピタルの洋館に死神が犬の姿となり派遣される。
心安らかに天にめされるよう、患者が持っている未練の裏に潜む過去の謎を解放す。天然キャラの死神犬「レオ」の行動はなんだかほっこりする。

　（自分は「我輩は猫・・」を読んだことが有りませんが）この作品は主人公が犬です、著者が犬を愛してる事が窺えすごく面白いです。 
　ストーリーが解り易く飽きずにどんどん読み進められる、少しミステリの部分が簡単かもしれませんが全体を通して宗教色が支えているので詰まらない訳がありません、一歩間違えば陳腐な内容に成りかねない王道な物語ですが、著者の医師としての知識が作品に真実味を与え、すばらし構成の内容に成っています。 
　後半は展開が気になり急いで読み進めたこともありますが、著者の綴る文章がかなり難しい表現も有りましたが思考が途切れることなくどんどんシャワーのように降りかかり、とても綺麗な表現が印象に残る作品でした、皆さんにお薦めしたい再読したい作品です。なお、文学的要素もある作品なので読んで損はしないと思います。

死んだ人間の魂を案内する「死神」。でも現生に未練を残し地上にとどまる魂を、少しでも少なくするために、犬に体を借りて地上に降臨。出会った少女に「レオ」と名付けられ、ホスピスで最期を迎える人の未練を解決する。
三人の未練を解決。最後までこんな話なのかなと思いきや、なんと後半は悪党達と戦う話に転換していく。
こんな犬がいてくれると、今後の世界も怖くないかも。