人並はずれた嗅覚を持つ少女マイシャは
その能力で人々の餓の苦しみから救うことに奮闘する物語。
草木・花・土の声を香りから聴き、自然があるがままに戻そうとする。
その描写が文学的で、叙述詩のごとく美しい。
五感を研ぎ澄ませて上下巻の超大作を読み終えた。
自然を守るため、まずは読み手自身の私にもできることから
地球を守ろう。

植物等が発する「香り」を「声」と表現する嗅覚の鋭い少女アイシャ。
「オアレ稲」に頼って生きていた世界でその「オアレ稲」に異変が…。
アイシャの嗅覚を力に人々が「オアレ」一つに頼らず生きていく道を歩んでいく。
現実の私たちも石油等の化石燃料に頼り切る生き方に危うさが…

上橋菜穂子の作品大好きで、新作が出たことを知った時はすごく嬉しかった！
『香君』は、人並みはずれた嗅覚をもつアイシャが、飢餓地獄の未来を阻止すべく、オアレ稲と他の植物の共存方法を見出していく話。
まず、設定がいい。鋭い嗅覚で植物の香りが声のように感じるアイシャ。そのアイシャと実は意外な関係にあったマシュウ。…
話にどんどん惹き込まれる。そして相変わらず食べ物おいしそうに書くなあ…
ハマって4週目に入っていた漫画を中断してひたすら読みました！
やっぱり上橋菜穂子はいい♡

主人公は、人並外れた嗅覚を持つ少女アイシャ。香りで植物も人物も嗅ぎ分けられるし、虫に食われている植物の「痛い」という悲鳴も香りで感じられる。この世界には、香りで万象を知る生き神さまの「香君」がいる。王は香君とオアレ稲を利用して国を治めている。人々は、王から支給されたオアレ稲で農業を営んでいるが、自分で収穫した稲の種からは育たないので、毎年王から支給される種籾と肥料に頼らざるを得ない。そこに未知の虫害が発生する。