2040年の世界は、仮想現実やAIは当り前のなか、
母を亡くした主人公の朔也の心の動きを、圧倒的な語彙力で
丁寧に表現されている。
なぜ自然死を希望したのか真意を求め、ＡＦで母を再生する。
「心はありません・・」と担当者は言うが・・
「生きるとは・・」「死なない・・とは」すでに生が途絶えた母の想いは
得られるのか。
色んな事を考えさせられた本。

ヴァーチャルの世界に死んだ母を再生したり、アバターによりもうひとつの世界で欲求をみたしたり、自由死という死が認められたり。
こんな未来を望んでいいのか。でも近づいているような……。

亡くなった母親を追い求めるあまり、行きすぎた行動に出る息子の切ないストーリーです。
自分の大切な人の「死」を充分考えさせられる奥深い内容にぐっときました。