不思議な能力のある犬、多聞は行く先々で心の闇をもった
人の心を清めていく。
多聞と触れ合うことができた時から、彼らは満たされていく連作なのだが、
南を目指す多聞は何を求め、何を探しているのかと一晩で読み終えた。
ラストまでの感動は、読み手それぞれの経験や犬との係わり方で
変わるだろうけど、人は孤独では生きていけない。
【少年と犬】の章では、涙が止まらなかった。
その感動を味わって欲しい一冊。

短編形式になっていますが、最初の作品読んだ段階で「面白い！」って、声を出したくらいに面白い！犬好きには、その毛並みや手触りがわかる作品。作者が犬好きなのがよくわかります。多聞(犬)と一緒に旅をしました。

犬を愛するひとりとして、犬の健気さが辛い。結末が辛すぎて・・・読んだ後、心が痛くなる。犬は常に無償の愛を与えてくれる人生のパートナー。唯一無二の存在。

飼い主と別れ別れになった犬といろんなことを抱えた人が関わる、不思議なものがたりです。直木賞にふさわしい、心温まる作品だと思います。
毎日一章ずつ読み、１週間で読み終えました。犬を飼いたいなあ。ありがとうこざいました。

東日本大震災で生き別れとなった、少年と犬のはなしである。熊本に移住した少年を追って移動する間の人とのふれあいそして別れ。そしてついに出会い今度は熊本地震で少年をかばって命を落とすという数奇な運命。我家にも犬がおり一語一語を理解する様に聞き耳を立てる。本当に可愛い家族である。

面白面白ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

　馳さんの作品を初めて読みました、著者には暗いイメージを持っていましたがこの作品を読んで印象が変わりました。
　けして明るい内容の作品ではありません、犬に関わったそれぞれの人生をさらりと読ませる短編連作集、結末を早く知りたく速攻で読了しました。
　大変読みやすい文書が好印象、他の作品もチェックしたい。

男と犬、泥棒と犬、夫婦と犬、娼婦と犬、老人と犬、少年と犬の順に６つの物語で構成。しかし、「オール読物」に掲載された順番は、少年、男、泥棒、夫婦、娼婦、老人の順。
そこで単行本のタイトルでもあり、世に出た順に「少年と犬」から掲載順に読もうかとも思いましたが、考え直して単行本の構成通り、「少年と犬」は最後に読んで正解でした。

人の心を理解し、人に寄り添ってくれる。こんな動物は他にはいない。（老人と犬）より。　読んで感涙した！