調律師は家族とゲイであることで亀裂が入った過去を持つ。穏やかな性格であり物静かさに魅せられた女性の告白から、１０年の時を超え姉に連絡を取る背景にある不思議さ。
ハワイでサーフィン中にサメに襲われ死んだ息子を偲び、毎年ハワイで過ごす母と、そこに現れたボンクラ大学生の二人組。彼らとの出会いは彼女に何をもたらしたのか。
自分の名前を忘れる女性、その謎はコミカルでもあり怖くもある「品川猿」がお気に入りになった。
でもどの短編もひとひねりがあり、面白い。やっぱり村上春樹作品は他とは別格。

　長編作品しか面白くないイメージでしたが、この短編集は面白いです。
　とにかく読んでみて、それでも面白くないと感じる人には面白くないかも。