主人公は良いのですが、脇役の青年がいまいち、二人の掛け合いが盛り上がらず詰まらない、中盤からは飛ばし読みしてしまいました。

29歳になっても、親からの支援でミュージシャンを目指している宮路。
ちょっと遅咲きな大人への巣立ち。
人間、住むところと食べるものに困らないと、働く意欲がなくなる。
「ぼんくら！」になる。
そこから抜け出せるのは、出会った人から、受け取った言葉を
真摯に受け止め、自らの這い出していくしかない。
彼の新生を願いながら読み進めた。

仕事もせず、必死に夢を追うわけでもなく毎日フラフラと過ごす宮路は、レクレーションでギターを弾くため老人ホームを訪れる。
そこで出会う「じいさんばあさんたち」や久しぶりにできた「友人」。
宮路と彼らの会話はとても警戒で愉快だ。
暖かく優しい気持ちで読める本。