夏目家の末っ子は「恥かきっ子」として、父にガラクタ扱いされるが、
年の離れた兄の助けや、道楽者の祖父から伝授された寄席や芝居小屋通い
で、芸術の見る目を養われる素養が育ったことを知った。
飛び級するなど、抜群の自頭の良さがあり、興味を持ったら、
とことんその筋を極めたい願望で、ミチクサをするのだが、すべて
未来へと繋がる栄養の糧となったようだ。
柔軟性にとんだ彼の人生と正岡子規との出会、親密な友人関係の
やり取りも素晴らしい。
人生の師と仰ぎたくなる彼らの面持ちに感動した。