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甲斐市立図書館
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レビュー一覧 (2件)
まぁちゃんさんの投稿レビュー/下野市立図書館
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図書
貸出可能
(5人)
1. わたしのそばできいていて
リサ パップ‖作 菊田 まりこ‖訳
WAVE出版 2016.10
まぁちゃん さんの評価:
マディは、字を読むのが大嫌いな女の子。
みんなの前で本を本を読もうとすると
「ピーナッツバターが 口のなかに たくさん はいっているみたいに、
ことばが うまく でてこなくなるの」
それにはマディがつかえると、クラスメートがクスクス笑うせいもある。
そんなある日、マディは母親と図書館に行く。そこにいたのは、たくさんの
イヌたちだった。
子どもに、本を読んでもらうためのイヌたちなのだ。
そこでマディはボニーというイヌに出会う。
マディは、ボニーに本を読むことで、本を読む苦手意識が薄くなっていく。
この本に出てくる「読書介助犬」(R.E.A.D)は、欧米では広く浸透して
いるシステム。日本では、ごくごく一部の図書館で実施された事もあるようだ
が、全く普及していないといってもいいほど、馴染みが薄い。
本書のすばらしさは、菊田まりこの翻訳の力が最大に活かされたところにもある。
それがリサ・パップの絵に見事に合っている。
本書の原題は、Madeline Finn and the Librariy Dog
単純に日本語に訳すと、「マデライン・フィンと図書館犬」。
これを「わたしのそばできいていて」と訳した菊田には、……さすが。
菊田には「いつでも会える」などの本がある。この「いつでも会える」で、
1999年のボローニャ国際児童図書展ボローニャ児童賞の特別賞をとっている。
表紙の絵からもわかる通りの、読後感も最高、やさしい気持ちになれる、イチオ
シの一冊だ。
マディは、字を読むのが大嫌いな女の子。みんなの前で本を本を読もうとすると「ピーナ...
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(3人)
2. ぼくたち負け組クラブ
講談社文学の扉 アンドリュー クレメンツ‖著 田中 奈津子‖訳
講談社 2017.11
まぁちゃん さんの評価:
アレックは、読書をこよなく愛する小学6年生。授業中にも本を読み続け、
そのために注意を受ける事数知れず。
そんなアレックが、両親の仕事の都合で、学校の「放課後クラブ」に参加
する事になった。放課後クラブでは、2日の間に、文科系クラブ班かスポー
ツ班、または宿題班に所属しなくてはいけない。
苦肉の策でアレックは、「好きな本だけを読む」読書クラブを作る。だが
誰にも邪魔されたくないので、入部お断りの意味を込め、読書クラブの名
前は「負け組クラブ」にする。そんな名前ならば、誰も入ってこないだろ
うと計算してのことだったが……。
アレックの読書好き、本を読む事を止められない気持ちは、読書好きなら
大いに納得できる。
また好きな読書に没頭するためだけに負け組クラブを作ったにも関わらず、
そのクラブを存続するため、自分の居場所に居るために、様々な困難を一
つずつ解決していく事に。
この本のすごい点は、アレックたちが読んでいる本が、実在しているもの
であること。
最初「タラン・新しき王者」の書名を見た時に、「ん?」と思ったが、その後、
「シャーロットのおくりもの」「ひとりぼっちの不時着」「青いイルカの島」
「グレッグのダメ日記」と立て続けに出てくるおなじみの名前、しかも名作か
ら新しいものまでの、新旧とりまとめた幅広いラインナップに、全部実在の本
を使うのか、と面白く思った。
またそのラインナップの豊富さは、著者 アンドリュー・クレメンツの読書
量に裏打ちされている。それぞれの本について登場人物たちに熱く語らせて
いる事からも、それがわかる。
さらに本書の最後には、「ぼくたち負け組クラブ」のブックリストがのって
いる。中には未邦訳のものもあるが、そこに記されたクレメンツの言葉がいい。
引用させていただく。
「これは、『ぼくたち負け組クラブ』の登場人物たちが読んでいた本のリスト
です。私は、この物語に出てくる子どもたちが、実在する本を実際に読んでい
るように描こうと思いました。いい本は山のようにあるのですから、みなさん
の好きな本がこの物語の中に出てこなかったとしても、気にしないでください
ね。……(略)」。(P254より)
その後のクレメンツの言葉については、ぜひ本書を手に取って読んでいただけ
ればと思う。
アンドリュー・クレメンツは、「こちら「ランドリー新聞」編集部」など、
一部の小学校国語教科書にも紹介されている本、さらには平成25年度の小学
校高学年の部の読書感想文課題図書となった「はるかなるアフガニスタン」
も出している。
本書は、よほどの本好きの子どもでないと自らは手にとらないかもしれない。
大人たちが
「ちょっと面白い本があるよ、読んでみて」と手渡したい本だ。そんな
意味もこめて、まず、大人の皆さんにも読んでほしいと思う。
アレックは、読書をこよなく愛する小学6年生。授業中にも本を読み続け、そのために注...
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