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雨天炎天
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竜王図書館 <1010098380>
貸出可 / 書庫一般書 / /B/915/ム/  / 帯出可
敷島図書館 <410125496>
貸出可 / 一般文庫 / /B/915/ム/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-10-100139-1
書名ヨミ ウテン エンテン
副書名ヨミ ギリシャ トルコ ヘンキョウ キコウ
著者ヨミ ムラカミ ハルキ
叢書名ヨミ シンチョウ ブンコ
分類記号 915.6
価格 ¥311
出版者ヨミ シンチョウシャ
大きさ 16cm
ページ数 187p
一般件名 ギリシア 紀行 案内記
一般件名 トルコ 紀行 案内記
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こんなに(作者が)気の毒で、かつ読んでておもしろい旅行記はなかなかない。
(2016/02/20)
たけがわ/新ひだか町図書館

旅行記というのは、作者がひどい目にあえばあうほど、おもしろくなる。
特に村上氏の旅行記はそれが顕著だ。
(村上氏の旅行記は他にもあるけど、ひどい目にあわないでおもしろいのは、おいしい料理を食べられているときと、マラソンを走っているときくらいだ)

タイトルからして大変さがにじみ出てる。
「雨天」は、たった3泊4日の旅なのに、雨の中、険しい山道を半ば遭難しながらさまよってヘトヘトになったギリシャ正教の聖地アトスへの巡礼期だ。
「炎天」は、3週間かけて灼熱で、車の運転は荒くて、ゲリラに囲まれてたばこをせびられて、ホテルで水を飲めば下痢をして、ノープロブレムと言われれま問題だらけで、「もう一度そこに行きたいかといわれれば、今のところ僕の答えはノーだ」というトルコの一周旅行の記録だ。

さて、これだけ気の毒な旅行記だというのに(旅行した当事者たちはともかく)読んでいるほうは、不思議と自分もアトス、そしてトルコに行きたくなる。
アトスの修道院で固いパンと冷めた豆のスープを飲みたくなるし、トルコのチャイハネでトルコ人のおしゃべり攻撃に耐えながら日記を書きたくなる。

なぜかと思えば、村上氏の(ユーモアあふれる)筆致により、村上氏が感じた当地の「空気」が活き活きと表現されているからだ。
そして、その「空気」を「リアル」に感じることが、旅行の醍醐味だと、村上氏は述べている。
その旅行感そのものを村上氏と追体験したくなるのだ。

ギリシャ正教の人もそうじゃない人も、トルコでヴァン猫を見に絨毯店に入りたい人も入りたくない人も、いちど読んで損はない一冊。
(なお、僕はそうまでしてトルコには行きたくない)


他にも村上春樹さんの作品のレビューをいろいろ書いています。
ブクログーたけがわの本棚
http://booklog.jp/users/cascadebook?tag=%E6%9D%91%E4%B8%8A%E6%98%A5%E6%A8%B9&display=front

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