甲斐市立図書館

「なっちゃん」と呼びかける1歳年上の月島。異才の研ぎ澄まされた感性の持ち主と夏子は時間を共有していた。「なっちゃんはふたごみたい。」という、恋人だはない・・曖昧で心もとない感情が、彼の行動に振りまわされていく。芸術は心のギリギリの狂気がないと生まれないのかもしれない。非凡な我が身が愛しく思える。

「なっちゃん」と呼びかける1歳年上の月島。異才の研ぎ澄まされた感性の持ち主と夏子...

石野織部を中心に多紀とその仲間の献身が重興の心をすこしづつ強くしていく。そして末路わぬ者たちへのリベンジが始まる。悪意の憑依は多くの謎を含む。仲間たちの熱き想いは意外な過去の紐ときをしていく。思わず「がんばれ重興！」と叫びそうになった。
心とは儚く危うい、けれど愛する者たちへの思いはまた心を強くする。
ほんと、宮部みゆき作品は面白い。

石野織部を中心に多紀とその仲間の献身が重興の心をすこしづつ強くしていく。そして末...

美貌の北見藩青年藩士は突然隠居を強いられる。北見藩元家老の石野織部は多紀を
一筋の望みをかけ、座敷牢にて治療する重興のもとへ送る。夜な夜な聞こえる泣き声は何なのか・・・宮部みゆきワールド全開の魔訶不思議さが少しづつ解明されていく。上巻はなぜ？どうなるの？で朝から一気に夜も眠らず読み通しました。
心が痛い・・下巻にて重興の苦しみが和らぐことを期待。

美貌の北見藩青年藩士は突然隠居を強いられる。北見藩元家老の石野織部は多紀を一筋の...

父も母の名も知らぬ竹脇正一の戸籍は真っ白だ。定年を迎えたその日地下鉄のなかで倒れ、病院のベットで瀕死の状態で心だけがまどろむ中、かけがいのない記憶がよみがえる。読み進めていくうち、その不思議な体験を通して生きる力を与えてくれます。多くの人にこの感動を体験してもらいたいと思う一冊です。

父も母の名も知らぬ竹脇正一の戸籍は真っ白だ。定年を迎えたその日地下鉄のなかで倒れ...

突然失踪した夫を探しに南の島に来た「まりあ」は助産院の先生に声をかけられた事から物語は始まります。妊娠を告げられた「まりあ」はこの助産院に住み込みしながら出産することになります。様々な出産に立ち会い、心に傷を持つ助産院に携わる人たちそして「まりあ」の心の傷も徐々にお腹の子の成長とともに癒されていく姿に感動しました。つるかめ先生の飄々とした自然体の接し方にとても会いたくなりました。ぜひ、読んでもらいたい一冊です。

突然失踪した夫を探しに南の島に来た「まりあ」は助産院の先生に声をかけられた事から...

西郷隆盛の活躍は知っているようで知らなかったと大変興味深く読み通しました。
尊敬する人はもちろん、考えの違う相手や身分年齢には拘らず、深い敬愛を持って人に接し自分の利益を欲せずの清貧な生き様に感動しました。
その姿勢が人々の心をひきつけたことが土台になって、日本が新しい時代へと進んで行って今があると思います。
時代の寵児が連なった背景の描写に明治に思いが馳せる作品だと思います。

西郷隆盛の活躍は知っているようで知らなかったと大変興味深く読み通しました。尊敬す...

忘れることでしか憎むことを止められない。愛するがゆえに裏切りを許せず苦しみもがく心。息子のところへ向かう老夫婦を軸に、騎士、少年そして老騎士のそれぞれの思いが交錯していく。
忘却という霧のなかで真の許しとはなにかを問われた思いがした。深い内容のほんです。

忘れることでしか憎むことを止められない。愛するがゆえに裏切りを許せず苦しみもがく...

武士の出自でありながなら苦悩して絵師としての生涯を描いた長編ですが、歴史好きの私は桃山時代の華やかな世界の裏のやり取りを「友松」と共に味わい読取ることが
とても興味深く感じました。
絵師としての生涯本だけではない織田信長・毛利輝元・明智光秀などの絡みも面白く
当時の戦略は人によるもので心理戦が勝利を決定していたのかと思わせるなど、心理描写本だと思います。

武士の出自でありながなら苦悩して絵師としての生涯を描いた長編ですが、歴史好きの私...

やっぱり女性は強い！権威や見栄は無用であり子孫を守れるならば、自分の命を賭しても成し遂げる。
武士社会に生きた女たちの戦いを謎解いていく過程になるほどと最後は納得。

やっぱり女性は強い！権威や見栄は無用であり子孫を守れるならば、自分の命を賭しても...

本因坊算砂については歴史本からわずかながら知ってはいましたが、幻庵については全く知らず囲碁も全くの素人の私ですが、囲碁の世界感に浸ることができました。
命も惜しまない勝負は最高権威の「名人碁所」目指す勝負師になったかのように読む私も緊張し興奮しました。

本因坊算砂については歴史本からわずかながら知ってはいましたが、幻庵については全く...