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レビュー一覧 (3件)
Ryo16さんの投稿レビュー/池田市立図書館
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(2人)
1. フォンターネ
山小屋の生活 CREST BOOKS パオロ コニェッティ‖著 関口 英子‖訳
新潮社 2022.2
Ryo16 さんの評価:
山小屋で自分と向き合う。自然と対話する。
理想的なようでいて、そこに至る理由は自分の中の”枯渇”だと
いうのだから、そこまで明るいものでもない。
ただ緩やかに記されるその生活の中で、
追われるような切羽詰まった描写もなく、
かと言って希望に満ち溢れるような幸せがそこかしこに漂うような
ものでもない。
けれどもどこか生活に追われた現代で自分と向き合うためには
とても豊かで、とてもやさしい視点で語られるこの本は、
真冬のゆたんぽのように優しい温かさを心にもたらしてくれたことだけは
間違いがないと思った。
山小屋で自分と向き合う。自然と対話する。理想的なようでいて、そこに至る理由は自分...
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貸出可能
(56人)
2. 推し、燃ゆ
宇佐見 りん‖著
河出書房新社 2020.9
Ryo16 さんの評価:
”推し”がいることは一種の才能だと思う。
それは人として何かに夢中になれることの才能だ。
けれど夢中になると傾倒するの境目は曖昧で、
とても危うい。
普通の難しさは、生きていればどこかのシーンでぶつかることも
多いけれども結果として他人との比較はいい結果を生むことは少ない。
その中でも私たちは日々、食べて、暮らし、人と交流して、
自分とも向き合い生きていかなければならない。
その普通のなんと難しい事か。
推しという一種の夢の中に、たまに逃げ込みたくなる気持ちも
よく分かる。
しかし残念なことに夢はいつか醒める。
その時に自分の手の中に残ったものをどう解釈するのか、
それまでに自分がどう生きて来たのかによって、また
そこで現実に向き合わなくてはいけない。悲しいけれど、
そうしたことを渦中にいる時には見えなくなる。
若さの一言で許されるわけではない、だけど。
若さだけが理由でもない、この物語の中の夢中になる才能は
若さが加わることでより一層儚さを増しているようにも思えた。
”推し”がいることは一種の才能だと思う。それは人として何かに夢中になれることの才...
図書
(15人)
3. レーエンデ国物語 [1]
多崎 礼‖著
講談社 2023.6
Ryo16 さんの評価:
現在、シリーズは3冊目まで出ているが、この著者らしく
世界観がしっかりとしていて読み始めてしまえばしっかりと
その世界に浸ることが出来る。
しかしながら、その世界感がしっかりとしていることと
優しさとは共存しない。少なくとも現実を突きつけてくるように
次から次へと解決しないことは襲い掛かってくる。
人生とはもちろん、そうしたことや少しの幸せがある、それが
現実ではある。けれどもどこかご都合主義を望んでしまいがちな
物語の中でも、人の強さと抗いようのない運命に翻弄されていく
様は、現実的でありつつも幻想的な世界観の中で、淡々と描かれて
いき、今後の希望に繋がることを祈りたいと思いながらも、
未だその物語は序章にすぎないのだと実感させられた。
現在、シリーズは3冊目まで出ているが、この著者らしく世界観がしっかりとしていて読...
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