主人公を取り巻く看守仲間や死刑囚たちは皆個性豊かで、その辺は楽しく読めます。ただ、無実の者がーー不思議な力で他人を救えるような男がーー本当に電気椅子に送られていいのかと、主人公の奥さんと同じく激しく動揺し、憤りを覚えました。作者も序文に書いていたと思いますが、この本が一番活きてるなぁと感じたのは、主人公が後に過ごすことになった老人ホームで回想しているという設定。再び敵と味方に囲まれながら、懸命に生きる主人公に、深い人生のドラマを感じました。

主人公を取り巻く看守仲間や死刑囚たちは皆個性豊かで、その辺は楽しく読めます。ただ...