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レビュー一覧 (2件)
勝手勇也さんの投稿レビュー/東松山市立図書館
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(124人)
1. 流浪の月
凪良 ゆう‖著
東京創元社 2019.8
勝手勇也 さんの評価:
よく練られたプロットで、玄人受けするのかも知れません(だから「本屋大賞」?)。社会から孤立した者同士が引かれていく中に、現実を逞しく受け止め生きていく人をちりばめ、主人公二人を際立たせています。そして、二人の感情の陰影を丁寧に拾い上げていく技巧はベテランの作家を想像させます。
ただ、丁寧に拾上げれば拾上げるほど、社会との関係性は遊離します。そこに星菫派(浪漫派詩人の一派)の面影を見出してしまいます。「事実と真実は違う」との決め台詞がありますが、やや陳腐でしょう。二人にとっての真実は事実になるからです。技巧部分を評価して☆3つとします。
よく練られたプロットで、玄人受けするのかも知れません(だから「本屋大賞」?)。...
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図書
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(2人)
2. 牧水の恋
俵 万智‖著
文藝春秋 2018.8
勝手勇也 さんの評価:
「みなかみ紀行」から牧水に親しんだ私にとって、小枝子との恋は開かずの扉でした。知りたくもあり、知りたくもなし。今回、思い切ってこの本を手に取りましたが、作者の技量に引き込まれました。歌詠みは歌詠みにしか分からないことがある。小枝子に振り回された牧水は、悲恋の主人公として自らを愛して止まなかったのでしょう。そして、そのエネルギーが切れると酒、とりわけ迎え酒であったのでしょう。牧水と小枝子の関係を主観的・客観的に眺める俵万智は小枝子以上にコワい。初出にもあたり、関連資料を蒐集するなど評伝としても十分です。やはり女はコワいけど欠かせない存在です。
「みなかみ紀行」から牧水に親しんだ私にとって、小枝子との恋は開かずの扉でした。知...
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