甲斐市立図書館

出向により離れてしまった片思いの女性への恋文を書くために、まず他の同僚たちとの文通により手紙の技術をあげようとする男の話で、物語は全て手紙に書かれた内容のみで語られてゆきます。

手紙のやり取りにより、それぞれのキャラクターや関係性が伝わることや、その裏で起こっているトラブルを想像させるられのが新鮮で読んでいて楽しい作品です。また、いざ恋文を書こうとすると考え過ぎておかしくなっていく主人公に同調してしまいます。

出向により離れてしまった片思いの女性への恋文を書くために、まず他の同僚たちとの文...

ＡＩによる自動運転の車がテスト中に暴走し人を撥ねる事件が立て続けに発生し、主人公たちがその事件に巻き込まれていく物語です。

冒頭部分こそミステリー色が強いですが、物語のメインは、不良少年が更生し、人工知能にのめり込んでいく人情ドラマです。ＡＩが題材となっていますが、専門的な小難しい内容ではありませんので、「ＡＩってこんな感じ」を気軽に読める作品だと思います。

ＡＩによる自動運転の車がテスト中に暴走し人を撥ねる事件が立て続けに発生し、主人公...

過去に戻ることができるという喫茶店、ただし過去で何をしても現実は変えられないというルールと厳しい条件のため、利用しようとする人はほとんどいませんでした。それでも過去へ行って会いたい人がいるという4人の物語です。
お手軽ないい話のオムニバスと言う感じで読みやすいのですが、深夜ドラマのノリというか、過去に戻るためのルール設定の部分でウケを狙ってスベっているのが残念に思います。

過去に戻ることができるという喫茶店、ただし過去で何をしても現実は変えられないとい...

無人島に流れ着いた学習型ロボットの「ロズ」。ロズは「自分の身を守る」というプログラムに基づき、島の動物や虫たちを観察することで彼らの言葉や身の守り方、家族について学んでゆきます。

「ＡＩが野生の動物達から生き方を学ぶ＝野生化」という展開にも説得力があり、発想が新鮮で面白いと思いました。

無人島に流れ着いた学習型ロボットの「ロズ」。ロズは「自分の身を守る」というプログ...

「強者」の象徴であるティラノサウルスと「弱者」であるか弱い恐竜たちとの、種族や立場を超えた心の交流を描くこのシリーズですが、この作品ではティラノサウルスが言葉の通じない森へ行くことから、「言葉が通じない相手でも心が通じる」という、少し深くて広い内容になっていると思います。

「強者」の象徴であるティラノサウルスと「弱者」であるか弱い恐竜たちとの、種族や立...

宮崎アニメ「未来少年コナン」の原作となる作品です。
戦争の影響で地球の大部分が水没した世界。無人島で5年間生き延びた青年コナンは、「新社会」が支配する国「インダストリア」に連れていかれます。

物語の大筋はアニメ版と共通ですが、ほぼ別物です。アニメ版が大好きなため、期待しすぎてしまいました。
ちなみに、物語の舞台である「インダストリア」と「ハイハーバー」は、冷戦当時のソ連とアメリカがモデルとなっているそうです。（宮崎監督はその政治的な設定を嫌っていたようですが…）

宮崎アニメ「未来少年コナン」の原作となる作品です。戦争の影響で地球の大部分が水没...

砂漠で遭難した「ぼく」が出会った星の王子さまのお話。
小さな星に住んでいた王子は、自分の星に咲いたバラのわがままが嫌になり旅に出ます。王子はいろいろな星で出会った者達から、目の前の事柄に固執する愚かさや、自分にとって何が本当に大切なのかを学んでゆきます。

友達や恋人など、その大切さは、表面的な態度や感情よりも心で判断しないと間違えてしまうかもしれませんよ、という教訓が含まれています。大人になっても時々読み返したい本のひとつです。

砂漠で遭難した「ぼく」が出会った星の王子さまのお話。小さな星に住んでいた王子は、...

昭和59～60年に実際に起こった事件がモデルになっています。
父の遺品の中から幼い頃の自分の声を録音したテープを見つけた曽根俊也は、その音声が凶悪な脅迫事件で犯人が使用したものと同じであることを知り、自分の家族の過去について調べ始めます。

実際の事件で判っている情報をもとにしたフィクションです。主人公たちの調査により「子供の声による身代金受け渡しの指示」「キツネ目の男」など、当時のニュースで見ていたフレーズが線でつながっていくたびに鳥肌が立ちます。

昭和59～60年に実際に起こった事件がモデルになっています。父の遺品の中から幼い...

日本でも2002年と2015年にドラマ化されています。
知能を発達させる動物実験により天才マウスとなったアルジャーノン。知的障害を持ち両親に見捨てられ、頭が良くなることを熱望していたチャーリイは、この手術の被験者となり、やがて天才へと変わってゆきます。順調な経過を見せていましたが、先に手術を受けていたネズミのアルジャーノンにある変化が現れ始めます。

以前はからかわれていることにも気付かずいつも笑顔のチャーリイでしたが、知能が高くなるにつれ、周囲の人たちの差別意識や妬みに苦悩するなど、単純な夢物語ではない深みのある作品です。

日本でも2002年と2015年にドラマ化されています。知能を発達させる動物実験に...

生活のためにしか飛ばないカモメたちと違い、ジョナサンは飛ぶこと自体を素晴らしいと考え、さらに高度な飛び方に挑戦してゆきます。しかし、新しい考え方を好まないカモメたちにより、ジョナサンは群れから追放されてしまいます。

ベストセラー「カモメのジョナサン」に最終章（第4章）が新たに加えられた「完成版」です。
第3章までの物語では、自分の信じる道を進む大切さと裏腹に、新興宗教のノリを感じてしまうため、個人的には最終章が加えられた「完成版」をお勧めします。

生活のためにしか飛ばないカモメたちと違い、ジョナサンは飛ぶこと自体を素晴らしいと...