最近体の調子が悪いな。病院に行って検査をし医師から病名を告げられる。
死病。残り時間は僅か。
完治には厳しい治療法しかない。放置すれば死ぬ。治療が上手くいかなくても死ぬ。ギリギリの選択を迫られる患者。医師が出来る事は何か。
奇跡を信じ生を語る福原と、静かに死を説く桐子。患者にとっての「希望」とは何か。
「自分らしく死ぬ」というのは（事故や災害など除いて余命宣告がある場合）生きる以上に難しいらしい。生死がかかる決断に迷わない訳はないし、遺される家族が納得するか分からない。自分のデッドラインは何処か。考えるのも必要。

神本でした。食道癌で亡くした父を思い出しました。

胃癌の手術で入院が長引き、続く食道がんで大手術をするか・しないかで、父も悩んでましたが、術後の状態が心配で「やめとこ」の私の選択がそのまま最終決断となり、結果、完治する事なく、亡くなりましたが。。
この判断が正しかったのか間違っていたのか、そんな答えのヒントを与えてくれる本でした。

もしも自分が重い病気になったとしたら、
どんな医者に出会いたいかを考えさせられました。
病人として、病気と向き合い、奇跡を信じて、
ひたすら完治を目指すのか、
あるいは、命のカウントダウンに逆らうことなく、
死ぬときまで生き生きと生きることが大事なのか、
考えさせられました。