トップ

甲斐市立図書館

ログイン

検索結果詳細
前へ 次へ
人は死なない
  • ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索
  • バジリコ 2011.9
  • 矢作 直樹∥著
  • (5人)
蔵書数: 1冊 貸出数: 0冊
貸出可能数: 1冊 予約件数: 0件
予約かごに入れる ブックリストに登録する
資料の状況
竜王図書館 <1011987557>
貸出可 / 1F棚35/468ク-493.1オ / / /490/ヤ/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-86238-178-1
13桁ISBN 978-4-86238-178-1
書名ヨミ ヒト ワ シナナイ
副書名ヨミ アル リンショウイ ニ ヨル セツリ ト レイセイ オ メグル シサク
著者ヨミ ヤハギ ナオキ
分類記号 490.16
価格 ¥1300
出版者ヨミ バジリコ
大きさ 19cm
ページ数 222p
一般件名 医学と宗教
一般件名 生と死
抄録 生命の不思議、宇宙の神秘、宗教の起源、非日常的現象…。生と死が行き交う日々の中で、臨床医が自らの体験を通して、「力」と「永遠」、そして人の一生を思索する。
著者紹介 金沢大学医学部卒業。東京大学大学院医学系研究科・医学部救急医学分野教授および医学部附属病院救急部・集中治療部部長。
1人中 1人が好評価
真逆でごめん
(2018/10/20)
ちむ/阪南市立図書館
表紙裏の白黒の写真、ギラギラしていていいね。
今でも十分若々しいが、著者にもぎらついていた時があったのだなと感慨深い。

さてそんな著者が東大病院の医療現場からお届けする摂理とは霊性について。
現役医師の肩書があってこそ、著者のメッセージにはより大きな意味がある。
必要な人に必要な分だけ届くように、渾身の一冊なのだろう。
出版により特に院内での扱いは変わらなかったと後日語っていたが
それは著者も周囲も大人な対応であると思われる。
本文のですます調から突如文体が変わることがあるが、いちいち気にしないことだ。

著者のさらっとした、ある意味淡々とした文章は
おそらく自身の本質もあるのだろうか、
あんなに滑落してもなお熱中していた登山も
「もう来るな」という山の声によってさっと辞めたり
睡眠時間がほとんど取れない激務に打ち込んでいるときに
「もういいんじゃない?」という母の言葉を
すっと聞き入れたりできる下地。
今を一生懸命生きて(中今)、執着もなく、未練もない。
しかし、そのような著者がなぜ本を書くに至ったかを理解できなければ
「なんかオカルト的な変な人の本」で終わる気がしている。
患者さんが助かるようにと懸命に治療にあたっている著者が、
結果を報告する際にどのような心境でいるか、
自身が医師でありながら、弟を末期ガン、母親を孤独死で失った時の無念さはいかほどであったか、
淡々とした本の内容だけでは到底計り知れない。
著者の控えめな表現がそうさせるのかもしれないが、もう少し著者の心情をくわしく
できるだけ普通の感じで書いていただいたほうがより分かりやすかったかと思われる。
お母様が車にひかれた時のキレ具合くらい(それでも控えめに感じるが)に書いてあれば他が淡々としているだけ余計に目立ったはず。。。
それにしても見事なまでに、猪突猛進、余計なものはそぎ落とすストイックさ。
必要ないと思ったらばんばん切っていく感じは気質もあるだろうけど
そこだけが目立ってしまってすこし残念。
いつかは家が欲しい、若干の蓄えもあったほうがいいというささやかな願いでさえ
恥ずかしい、つまらない欲を持っていたと記されている。
思うくらいなにがはずかしいか。
直樹、そんなん言うたら、ワシなんか強欲すぎて何十万回も転生ループやで。
お金なんか腐るほどあったほうがいいに決まってるし、おいしいもん食べたいし
快適に暮らしたいし、健康なほうがいいし、外見がよければそれに越したことないし、それがかなえられようがなかろうが、人はやがて死ぬ。

ご本人は自身の言葉が他者に もしかして誤って伝わったのでは?と思われた時は
内容がさして大したことがないと思われることであっても
それこそ大慌てで駆け寄って誤解がなかったか、必要ならばもう一度説明されるような優しい人である。
ご自身の言葉に大きな影響を受ける人がいるということ、
その責任について十分理解されているのだ。

手を尽くした患者さんの死もご家族の死も乗り越えてこその著者の渾身のメッセージが、必要な人に届くようにお祈り申し上げます。

ブックリストに登録する

読みたい 今読んでる 読み終わった

資料を評価する

0~5までの値で評価を登録できます。
(増減量0.5)
変更後、[決定]ボタンを押してください。