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藻類
生命進化と地球環境を支えてきた奇妙な生き物
築地書館 2020.9
ルース カッシンガー
∥著
井上 勲
∥訳
(1人)
蔵書数: 1冊
貸出数: 0冊
貸出可能数: 1冊
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竜王図書館 <1012505911>
貸出可 / 1F棚35/468ク-493.1オ / / /474/カ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-8067-1605-1
13桁ISBN
978-4-8067-1605-1
書名ヨミ
ソウルイ
副書名ヨミ
セイメイ シンカ ト チキュウ カンキョウ オ ササエテ キタ キミョウ ナ イキモノ
著者ヨミ
カッシンガー ルース
著者原綴
Kassinger Ruth
著者ヨミ
イノウエ イサオ
原書名
原タイトル:Slime
分類記号
474
価格
¥3000
出版者ヨミ
ツキジ ショカン
大きさ
20cm
ページ数
383p
一般件名
そう類
抄録
酸素が豊富な地球の大気は藻類がいなければ存在しなかった-。韓国の海苔漁師から最先端の素材産業まで、世界を股にかけて取材した著者が、知られざる驚異の生物・藻類の全貌を立体的に描く。
著者紹介
米国出身。イェール大学で学士号、ジョンズ・ホプキンス大学で修士号を取得。科学、歴史、ビジネスが交差するテーマで執筆活動を続ける。ワシントンポストなど全米主要紙誌に執筆する。
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生物学の本ではなく、環境とそのための研究・産業の本である
(2020/12/03)
中務光人/池田市立図書館
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著者は科学に関する著作をいくつも書いているジャーナリスト?。訳者は藻類の研究者で筑波大学名誉教授。
藻類とは、細菌に分類されるシアノバクテリアから、こんぶのような大きな多細胞の生物まで
多様性に富むが、酸素産生型光合成を行うということが必須。
このうち最も原始的な生物であるシアノバクテリアは、殆んどの生物が棲めない「酸素がなく二酸化炭素で充満していた地球」を現在のような地球に変化させた。つまりシアノバクテリアがなければ、高濃度の二酸化炭素によって高温であったし、酸素を必要とする生物は存在しえなかった。
藻類は、過去の地球に大きな貢献をしただけでなく、現在も、自然界では、植物プランクトンとして食物連鎖の底辺に位置し、生物界を支え続けているし、またサンゴは、褐虫藻と呼ばれる藻類の一種との共生によって生命を維持し、魚たちに生活の場を提供している。勿論海藻は、私達に貴重な栄養を提供しているし、さらに、私達が魚から摂取しているヨウ素やω3脂肪酸も藻類に由来する。
ただ、藻類もよいことばかりではない。藻類が大繁殖すれば、赤潮・アオコといった湖や海の生態系に大きな悪影響を及ぼし、経済的にも大きな損害を与えられる。ただ、これらの繁殖は、肥料や排水などによる湖の富栄養化・地球温暖化による高温・環境中の二酸化酸素濃度の増加など、私達の責任である部分も多い。
藻類の種によっては、神経毒などで、魚類・鳥類、時には人も犠牲になることもある。
今後のこととしては、藻類は増やしやすいこと、遺伝子的な操作が比較的容易であること、生命倫理を考える必要がない(~少ない)ことなどから、様々な工業的な進歩が期待される。
それらは、作物の肥料や養殖魚の飼料、サプリメント(蛋白, ω3脂肪酸)、生分解性プラスチック、ガソリンやエタノール燃料等々。特に後二者(プラスチックと燃料) は、コストでまだ少ししんどい面があるが、かなりよいレベルまで到達しているとのこと。これらもいずれはクリアできるだろうから、「地球の未来も私が想像しているよりは明るいものになるかも知れない」と、この本を読んで感じた。藻類というのは、これから大いなる発展の期待できる分野のようである。
この本には生物学的な記載・説明が少なく、地球環境とそれにまつわる産業の進展が主題のようである。そのため私のような素人には、別途 Wikipedia 等を参考にする必要があった。
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中務光人/池田市立図書館
藻類とは、細菌に分類されるシアノバクテリアから、こんぶのような大きな多細胞の生物まで
多様性に富むが、酸素産生型光合成を行うということが必須。
このうち最も原始的な生物であるシアノバクテリアは、殆んどの生物が棲めない「酸素がなく二酸化炭素で充満していた地球」を現在のような地球に変化させた。つまりシアノバクテリアがなければ、高濃度の二酸化炭素によって高温であったし、酸素を必要とする生物は存在しえなかった。
藻類は、過去の地球に大きな貢献をしただけでなく、現在も、自然界では、植物プランクトンとして食物連鎖の底辺に位置し、生物界を支え続けているし、またサンゴは、褐虫藻と呼ばれる藻類の一種との共生によって生命を維持し、魚たちに生活の場を提供している。勿論海藻は、私達に貴重な栄養を提供しているし、さらに、私達が魚から摂取しているヨウ素やω3脂肪酸も藻類に由来する。
ただ、藻類もよいことばかりではない。藻類が大繁殖すれば、赤潮・アオコといった湖や海の生態系に大きな悪影響を及ぼし、経済的にも大きな損害を与えられる。ただ、これらの繁殖は、肥料や排水などによる湖の富栄養化・地球温暖化による高温・環境中の二酸化酸素濃度の増加など、私達の責任である部分も多い。
藻類の種によっては、神経毒などで、魚類・鳥類、時には人も犠牲になることもある。
今後のこととしては、藻類は増やしやすいこと、遺伝子的な操作が比較的容易であること、生命倫理を考える必要がない(~少ない)ことなどから、様々な工業的な進歩が期待される。
それらは、作物の肥料や養殖魚の飼料、サプリメント(蛋白, ω3脂肪酸)、生分解性プラスチック、ガソリンやエタノール燃料等々。特に後二者(プラスチックと燃料) は、コストでまだ少ししんどい面があるが、かなりよいレベルまで到達しているとのこと。これらもいずれはクリアできるだろうから、「地球の未来も私が想像しているよりは明るいものになるかも知れない」と、この本を読んで感じた。藻類というのは、これから大いなる発展の期待できる分野のようである。
この本には生物学的な記載・説明が少なく、地球環境とそれにまつわる産業の進展が主題のようである。そのため私のような素人には、別途 Wikipedia 等を参考にする必要があった。