久しぶりの山岳小説であり、行った事のない冬山の正解を想像しながら読みました。
北岳はまつとあなたを許さないという言葉のとおりに展開していき、全て人間が原因を作っているのだなと思いました。

北岳にも登ったことのある私には、あの名峰を舞台としたストーリー展開にワクワクし、一気に読んでしまった。
でも、それだけにちょっと引っかかるところもあって点数が少なくなってしまいました。それは一つに、山で遭難者を担いで救出するぐらい強い女性警官が、同僚警官が撃たれたときの反応がひ弱で、泣いてしまう書き方に違和感を感じたこと。もう一人出てくる女性警官は男勝りに書かれているけど、筆者の女性観はひ弱な方が強いのではないかと思った。もう一つは、登場人物が多すぎるように思う。舞台は冬の北岳なのでそこに入り込むには並外れた体力経験が必要なのに、色々な人物が厳しい雪山に登場するのは少し無理を感じたんです。・・・でも面白かったですよ。