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高村光太郎全集 第20巻

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竜王図書館 <2810250874>
貸出可 / 1F北壁/個人全集 / / /918/タ/20 / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-480-70240-7
書名ヨミ タカムラ コウタロウ ゼンシュウ
著者ヨミ タカムラ コウタロウ
分類記号 918.68
価格 ¥6019
出版者ヨミ チクマ ショボウ
大きさ 20cm
ページ数 560p
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光太郎と甲州、そして戦争 (下)
(2019/02/14)
ゲンゴロウ/甲斐市立図書館
 昭和二十年八月十五日、光太郎は『一億の号泣』を岩手花巻町の鎮守に、両手をつき涙ながらに詩った。その夜の日記には「正午鳥谷崎神社ニテ天皇陛下の玉音放送ヲキキ平和再建の詔書渙発を知る。」と記した。敗戦をどう受け止めるか、ではなく、平和に向けて自身がどう生きていくかを光太郎は、考え始めた。ほどなく、花巻の山中にひとりこもり内省を深めていったことは、つとに有名だ。
 光太郎は岩手花巻に疎開した。宮沢賢治の生家の近くで、賢治の弟夫婦は光太郎への配慮を欠かさなかった。その花巻を米軍機が空爆した。八月七日だ。賢治の生家も損壊した。前日広島を原爆で攻撃した米軍は、岩手や愛知豊川を空爆した。(豊川での猛爆で勤労動員された女子中学生の爆死についてはすでに書いた)

 蒋介石への呼びかけ

 昭和十七年早々『沈思せよ蒋先生』で、
「先生は抗日一本槍に民心を導いた。
 抗日思想のあるかぎり、
 東亜に平和は来ない。
 先生は東亜の平和と共栄とを好まないか。
 今でも彼等異人種の手足となってゐる気か。」

 昭和二十二年秋『蒋先生に陳謝す』
「愚かなわたくしは気つかなかった。
 先生の抗日思想の源が
 日本の侵略そのもにあるといふことに。
 (中略)
 (日本)民族の野蛮性を世界の前に曝け出した。
 先生の国の内ではたらいた
 わが同胞の暴虐むざんな行動を
 仔細に知って驚きあきれ
 わたくしは言葉も無いほど恥じおそれた。
 (中略)
 わたくしは唯心を傾けて先生に陳謝し、
 自分の醜を天日の下に曝すほかない。」
ここに、高村光太郎の真摯さ、誠実さがある。

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