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ウクライナ戦争
ちくま新書
1697
筑摩書房 2022.12
小泉 悠
∥著
(5人)
蔵書数: 1冊
貸出数: 0冊
貸出可能数: 1冊
予約件数: 0件
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双葉図書館 <2811208939>
貸出可 / 新書 / /S/319/コ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-480-07528-4
13桁ISBN
978-4-480-07528-4
書名ヨミ
ウクライナ センソウ
著者ヨミ
コイズミ ユウ
叢書名ヨミ
チクマ シンショ
分類記号
319.380386
価格
¥860
出版者ヨミ
チクマ ショボウ
大きさ
18cm
ページ数
237,11p
一般件名
ロシア 対外関係 ウクライナ
抄録
2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。国際世論の非難を浴びながらも「特別軍事作戦」を続けるプーチン。この戦争はなぜ始まり、戦場では何が起きているのか。軍事研究者が歴史的事件の全貌を伝える。
著者紹介
千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。「「帝国」ロシアの地政学」でサントリー学芸賞受賞。
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未来を見据える視野
(2023/03/28)
子門/筑前町図書館
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過日、「西日本新聞」のコラム「春秋」にこんな一節があった。
「戦争とは爺さんが始めて、おっさんが命令し、若者たちが死んでゆくもの」
ウクライナ戦争にあてはめると、プーチン氏を、爺さんというのは流石に気の毒
とは思うが、かの戦争が現在進行形で生んでいる惨禍を考えると、笑いもひきつ
るというもの。
著者の小泉悠氏は、1年を越した今回のロシアによるウクライナ侵攻を本書で
「第二次ロシア・ウクライナ戦争」と呼ぶ。2014年に始まったロシアによる
クリミア半島の併合を「第一次」とする捉え方だ。そういうとらえかたをすると
色々と理解がしやすい面があるらしい。
後世からみて、2022年を象徴する人物はウラジミール・プーチンと、ヴィ
ロディミル・ゼレンシキー(本書の表記)の二人となるのではないか。
それぞれに背負っているモノがあって、とくにロシアのプーチン氏となると、単
純に悪党呼ばわりすればよいかというと、そうでないから、余計に始末がワル
い。本書でも何カ所か指摘があるけども、プーチン氏が示す、自立できる存在で
なく、他者からコントロールされて動く大衆への侮蔑・嫌悪、言い換えると自由
意志への懐疑とでもいったらよいのだろか。どうやらソレがプーチン氏の民衆に
対する見方であるらしい。KGB職員だった職業柄培った見方なのかどうか、不
明ではあるのだが、ウクライナを自立できない国として対応する彼のあり方とも
関連がありそうに思われる。
第二次ウクライナ戦争がプーチン氏の予測を覆し、長引いている要因のひとつに
ゼレンシキー大統領の存在があって、開戦前はともかく有事の際の指導者はかく
あるべし!と「皆が思う通りに彼は振る舞ってみせた」(114ページ)
ロシア軍侵攻の中、ウクライナの地にゼレンシキーが踏みとどまって抗戦の指
揮を執り続けたことがプーチン氏の最大の誤算だった。元俳優で大統領役でもっ
て人気を博し、政界へ転じた異色の経歴の彼であるが、ライトノベル風にいうな
ら、ゼレンシキー氏は理想の大統領を演じているのではないのか?そんな妄想さ
え沸いてくる。
現時点でもっても、この戦いはいつ終わりをむかえるのか、不透明である。最
悪の場合、人類の未来が「メトロ2033」(ドミトリー・グルホフスキー)の
世界へとつながっている可能性さえ否定できないのだから、怖いものがある。
本書を通読して好感を抱いたのは、予測が外れたときは潔くソレを認め、また不
明なことは素直にわからないとする小泉悠氏の姿勢である(227ページ参照)
と同時に、戦慄したのは、筆者が想定した状況のひとつ。すなわち、わが日本
が国外勢力からの侵攻されたと仮定する。世界からのウクライナへの軍事支援
は、かの国が最初の一月を耐え抜いたこそのものであって、日本に同じことが可
能なのか?著者は本書でそんな問いかけもされている。我が国の政治家がよくク
チにする「専守防衛」の実態が問われているのであるけども、さて、どんなもの
だろう?
(注)「メトロ2033」(ドミトリー・グルホフスキー)小学館
今からおよそ10年まえに書かれたロシア人作家によるサイエンスフィクショ
ン。核戦争後わずかに生き残った人々がモスクワ地下鉄の各駅に共同体をつくっ
て争闘、もしくは共存している姿を描いた作品。発表の時点から20年後を想定
した小説であるけども、作者もロシアによるウクライナ侵攻などがおこるとは予
想だにしなかったと思われる。
作者のドミトリー・グルホフスキー氏は現在、他国に亡命中。彼の作品はロシア
国内の書店にて「外国スパイ グルホフスキー」とのレッテルでもって売られて
いるとのこと。
(「あるロシア女性の手記」2023年3月20日付け西日本新聞夕刊 )
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「戦争とは爺さんが始めて、おっさんが命令し、若者たちが死んでゆくもの」
ウクライナ戦争にあてはめると、プーチン氏を、爺さんというのは流石に気の毒
とは思うが、かの戦争が現在進行形で生んでいる惨禍を考えると、笑いもひきつ
るというもの。
著者の小泉悠氏は、1年を越した今回のロシアによるウクライナ侵攻を本書で
「第二次ロシア・ウクライナ戦争」と呼ぶ。2014年に始まったロシアによる
クリミア半島の併合を「第一次」とする捉え方だ。そういうとらえかたをすると
色々と理解がしやすい面があるらしい。
後世からみて、2022年を象徴する人物はウラジミール・プーチンと、ヴィ
ロディミル・ゼレンシキー(本書の表記)の二人となるのではないか。
それぞれに背負っているモノがあって、とくにロシアのプーチン氏となると、単
純に悪党呼ばわりすればよいかというと、そうでないから、余計に始末がワル
い。本書でも何カ所か指摘があるけども、プーチン氏が示す、自立できる存在で
なく、他者からコントロールされて動く大衆への侮蔑・嫌悪、言い換えると自由
意志への懐疑とでもいったらよいのだろか。どうやらソレがプーチン氏の民衆に
対する見方であるらしい。KGB職員だった職業柄培った見方なのかどうか、不
明ではあるのだが、ウクライナを自立できない国として対応する彼のあり方とも
関連がありそうに思われる。
第二次ウクライナ戦争がプーチン氏の予測を覆し、長引いている要因のひとつに
ゼレンシキー大統領の存在があって、開戦前はともかく有事の際の指導者はかく
あるべし!と「皆が思う通りに彼は振る舞ってみせた」(114ページ)
ロシア軍侵攻の中、ウクライナの地にゼレンシキーが踏みとどまって抗戦の指
揮を執り続けたことがプーチン氏の最大の誤算だった。元俳優で大統領役でもっ
て人気を博し、政界へ転じた異色の経歴の彼であるが、ライトノベル風にいうな
ら、ゼレンシキー氏は理想の大統領を演じているのではないのか?そんな妄想さ
え沸いてくる。
現時点でもっても、この戦いはいつ終わりをむかえるのか、不透明である。最
悪の場合、人類の未来が「メトロ2033」(ドミトリー・グルホフスキー)の
世界へとつながっている可能性さえ否定できないのだから、怖いものがある。
本書を通読して好感を抱いたのは、予測が外れたときは潔くソレを認め、また不
明なことは素直にわからないとする小泉悠氏の姿勢である(227ページ参照)
と同時に、戦慄したのは、筆者が想定した状況のひとつ。すなわち、わが日本
が国外勢力からの侵攻されたと仮定する。世界からのウクライナへの軍事支援
は、かの国が最初の一月を耐え抜いたこそのものであって、日本に同じことが可
能なのか?著者は本書でそんな問いかけもされている。我が国の政治家がよくク
チにする「専守防衛」の実態が問われているのであるけども、さて、どんなもの
だろう?
(注)「メトロ2033」(ドミトリー・グルホフスキー)小学館
今からおよそ10年まえに書かれたロシア人作家によるサイエンスフィクショ
ン。核戦争後わずかに生き残った人々がモスクワ地下鉄の各駅に共同体をつくっ
て争闘、もしくは共存している姿を描いた作品。発表の時点から20年後を想定
した小説であるけども、作者もロシアによるウクライナ侵攻などがおこるとは予
想だにしなかったと思われる。
作者のドミトリー・グルホフスキー氏は現在、他国に亡命中。彼の作品はロシア
国内の書店にて「外国スパイ グルホフスキー」とのレッテルでもって売られて
いるとのこと。
(「あるロシア女性の手記」2023年3月20日付け西日本新聞夕刊 )