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凍てつく太陽
幻冬舎 2018.8
葉真中 顕
∥著
(11人)
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貸出数: 0冊
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竜王図書館 <1012328355>
貸出可 / 1F棚17/913.6チ-ハ / / /913.6/ハ/ / 帯出可
詳細情報
ISBN
4-344-03344-3
13桁ISBN
978-4-344-03344-3
書名ヨミ
イテツク タイヨウ
著者ヨミ
ハマナカ アキ
分類記号
913.6
価格
¥1800
出版者ヨミ
ゲントウシャ
大きさ
20cm
ページ数
534p
抄録
昭和20年、終戦間際の北海道・室蘭。陸軍の軍事機密をめぐり、軍需工場の関係者が次々と毒殺される。アイヌ出身の特高刑事・日崎八尋は、先輩刑事とともに捜査に加わるが…。『小説幻冬』連載を加筆・修正し単行本化。
著者紹介
1976年東京都生まれ。「ロスト・ケア」で日本ミステリー文学大賞新人賞受賞。ほかの著書に「絶叫」「コクーン」など。
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読みがいのある本
(2019/02/14)
あめんぼう/東温市立図書館
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この本を読む前に、自分に合わない本を何冊か続けて読んだせいで読書をする気が失せていた。
そんな折にこの本を読んで読書する気持ちが戻っていくのを感じた。
この物語の舞台は昭和20年代頃の北海道。
その頃、北海道は朝鮮の人など、他の国の人々の労働力も使って開拓を進めていた。
そんな工夫にまじり働くのがこの物語の主人公である特高警察の男性。
彼は飯場から逃走した男性の逃走経路を探るため、作業員になりすまし、内部を探っていた。
その後、逃走をくわだてる朝鮮人により、事の真相を知った彼は本来の職務に復帰後、まもなく罠に嵌められ殺人犯にされてしまう。
彼を罠に嵌めたのはアイヌの人を土人と蔑む同僚の男であり、その男の背後にはさらに大きな組織が存在していた。
そして、その組織のメンバーを狙い次々と殺していく存在。
やがて主人公は、それはアイヌ出身の自分の知っている男女ではないか?という思いをもつ。
彼らをそんな凶行にからせるものは何か。
そして、彼らのもつ切り札とはー。
とても読みがいのある本だった。
だけど、いかんせん、この話をおさめるにはこの本のボリュームでは足りない。
結末はきれいにおさめてはいるものの、後半になるにつれてどこかやっつけ感を感じた。
序盤と同じような書き込みで書かれていたら、もっと重厚感を感じる本になっていたと思う。
今までに何冊か北海道の開拓の過酷さを描いた本を読んだ事があるけど、この本のように、その開拓に異国の人々も携わっていたという事は初めて知った。
その辺や本に書かれているある真相は本当にあった事なんだろうか?
この本では過酷な労働や飯場の様子、刑務所の不潔な様子や拷問、戦争の残酷さが描かれている。
それは読んでいて気が重くなるものではあったけど、上手に耐えられなくなるちょっと前で止めてくれていた。
読み終えて気分が悪くなる、という所までいかなかったのは救われたし、何しろこの本は最初の印象と違い結末は希望を感じるので読後感がいい。
私がこれを読んで思ったのは、人間は個人どうしなら何とかなるものが、関わる人間が多くなり、お互いの顔が見えなくなると、どうしてこうも酷い事が平気でできるんだろうという事。
この本で書かれている「悪」は単純な「悪」でなく、やみくもに民族差別をする男にもそれなりの複雑な生い立ちがあり、ただ、「悪」というだけではないと描いている。
そういう不完全でも、人の心をもつ人と人なら、違う民族で、使う言葉が違っても時間をかければ分かり合えるかもしれないのに、人の顔が見えないと争いが生まれる。
それは今の一見平和な時代でも当てはめて言える事かもしれないと思う。
それにしても、こんな非人道的な事が普通に行われていた時代がほんの何十年か前で、今もその時代の人が生きているのが不思議な気がした。
それと同時にこの作者はいくつなんだろう?と思った。
今の時代にこんな小説を書ける人がいるんだなぁ・・・と感心したし、この作者の本は今後も読んでいきたいと思う。
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あめんぼう/東温市立図書館
そんな折にこの本を読んで読書する気持ちが戻っていくのを感じた。
この物語の舞台は昭和20年代頃の北海道。
その頃、北海道は朝鮮の人など、他の国の人々の労働力も使って開拓を進めていた。
そんな工夫にまじり働くのがこの物語の主人公である特高警察の男性。
彼は飯場から逃走した男性の逃走経路を探るため、作業員になりすまし、内部を探っていた。
その後、逃走をくわだてる朝鮮人により、事の真相を知った彼は本来の職務に復帰後、まもなく罠に嵌められ殺人犯にされてしまう。
彼を罠に嵌めたのはアイヌの人を土人と蔑む同僚の男であり、その男の背後にはさらに大きな組織が存在していた。
そして、その組織のメンバーを狙い次々と殺していく存在。
やがて主人公は、それはアイヌ出身の自分の知っている男女ではないか?という思いをもつ。
彼らをそんな凶行にからせるものは何か。
そして、彼らのもつ切り札とはー。
とても読みがいのある本だった。
だけど、いかんせん、この話をおさめるにはこの本のボリュームでは足りない。
結末はきれいにおさめてはいるものの、後半になるにつれてどこかやっつけ感を感じた。
序盤と同じような書き込みで書かれていたら、もっと重厚感を感じる本になっていたと思う。
今までに何冊か北海道の開拓の過酷さを描いた本を読んだ事があるけど、この本のように、その開拓に異国の人々も携わっていたという事は初めて知った。
その辺や本に書かれているある真相は本当にあった事なんだろうか?
この本では過酷な労働や飯場の様子、刑務所の不潔な様子や拷問、戦争の残酷さが描かれている。
それは読んでいて気が重くなるものではあったけど、上手に耐えられなくなるちょっと前で止めてくれていた。
読み終えて気分が悪くなる、という所までいかなかったのは救われたし、何しろこの本は最初の印象と違い結末は希望を感じるので読後感がいい。
私がこれを読んで思ったのは、人間は個人どうしなら何とかなるものが、関わる人間が多くなり、お互いの顔が見えなくなると、どうしてこうも酷い事が平気でできるんだろうという事。
この本で書かれている「悪」は単純な「悪」でなく、やみくもに民族差別をする男にもそれなりの複雑な生い立ちがあり、ただ、「悪」というだけではないと描いている。
そういう不完全でも、人の心をもつ人と人なら、違う民族で、使う言葉が違っても時間をかければ分かり合えるかもしれないのに、人の顔が見えないと争いが生まれる。
それは今の一見平和な時代でも当てはめて言える事かもしれないと思う。
それにしても、こんな非人道的な事が普通に行われていた時代がほんの何十年か前で、今もその時代の人が生きているのが不思議な気がした。
それと同時にこの作者はいくつなんだろう?と思った。
今の時代にこんな小説を書ける人がいるんだなぁ・・・と感心したし、この作者の本は今後も読んでいきたいと思う。