主人公の毒島は元刑事。
退職させられ、その後作家となり、
さらに警察の指導員として復職。
他シリーズの犬養刑事の指導員だったという設定の
短編集。

タイトルを見た時は短い毒舌が随所に散らばった
少し笑えるミステリーかと思って借りたが
とんでもなかった❗

毒島が退職させられた理由が、容疑者を口撃で自殺に
追い込んだというだけあって
人格否定レベルの情け容赦ない攻撃を延々と続ける
内容は、短編集だというのに何度も心が折れて
読むのを中断。

ネットのレビューでは「毒舌が痛快で面白かった」と
評価する人たちが多かった。
確かに容疑者たちの自分勝手で甘ったれた我儘な
主張を糾弾する様に溜飲が下がるというのは分かるが、
あそこまで徹底的に口撃されるのを読んで胸が痛む
ことはなかったのか、
容疑者が努力もせずに言い訳ばかりしている事を
指摘されるシーンを我が身に置き換えてみても
何ら恥じる事のない生き方をしてきたのか、
と、作品だけでなくネットレビューにも打ちのめされた。

名前の通り『毒』のある主人公と出版業界との化学反応が面白い。
作家ということで、リアルとフィクションの境を想像できるので二重に面白い。