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知りたくないけれど、知っておかねばならない原発の真実
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竜王図書館 <1011881289>
貸出可 / 書庫一般書 / / /543/コ/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-344-02054-2
13桁ISBN 978-4-344-02054-2
書名ヨミ シリタクナイ ケレド シッテ オカネバ ナラナイ ゲンパツ ノ シンジツ
著者ヨミ コイデ ヒロアキ
著者ヨミ マイニチ ホウソウ
分類記号 543.5
価格 ¥952
出版者ヨミ ゲントウシャ
大きさ 18cm
ページ数 200p
一般件名 福島第一原子力発電所事故(2011)
一般件名 放射線障害
抄録 3.11直後から東電と政府のウソを訴え続けた学者が、福島第一原発事故や放射能に対する疑問にQ&A形式で答える。MBSラジオ「たね蒔きジャーナル」の一部内容を単行本化。
著者紹介 1949年東京生まれ。京都大学原子炉実験所助教。伊方原発裁判、JCO臨界事故等で放射線被害を受ける住民の側に立って活動。原子力の専門家としての立場から危険性を訴え続けている。
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事故直後の発言は評価できるが、科学者としては…
(2015/06/07)
ブルーツ・リー/飯能市立図書館
案外まともな内容でびっくりしました。
著者は思想的に偏った物の見方をする人物なのですが、
事故直後の発言内容を精査すると、案外的を射ています。

事故直後は国民が馬鹿でしたから。
原発の周囲が汚染されているにも関わらず、
メルトダウンが起きていない。
などと言う、理性的に考えれば絶対にあり得ない東電や政府の説明を鵜呑みにし、
なんでそんなに騒いでるの?というような反応も多かったです。

著者は事故直後から、メルトダウンはすでに起こり、
恐らくは圧力容器の底は抜け、格納容器の底何メートルかで固まっている、
という趣旨の発言をしています。
この発言で不安を増長させないでよ!みたいな発言を繰り返していた人もいたようですが、
これは客観的に事実を見れば、事故から1か月も経過すれば、
誰でもが本気で考えればたどり着ける知識です。
ですので、著者が語っている内容のほとんどは、
その思想的な偏りにも関わらず、極めて正確と言っていい内容です。

気になったのは、1ミリシーベルトの被ばくでも、癌の発生率が高まる。
と発言している点。
これは、科学的根拠が一切ありません。
仮にも科学者の一員なのですから、1ミリシーベルトの被ばくで、
癌の発生率が高まるというのならば、
その科学的根拠となるデータを示さなければなりません。

もし年間1ミリの被ばくで癌が増えるのであれば、
CTスキャンなんて、癌発生器みたいなものです。
CTは、数十分の検査で、数ミリシーベルトから、多い場合、10ミリシーベルトを超える被ばくをします。
ですから、年間1ミリの被ばくで癌の確率が高まるとしたら、
CTを受ければ確実に癌の確率が高まるという話になってしまいます。

また、年間100ミリシーベルトの被ばくを受けた場合の癌の発生確率。
こちらは科学的根拠に基づいた数字で、癌の発生率が0.1%上がります。
つまり、仮に著者の1ミリの被ばくでも癌の発生率が高まる。
と言う見解を受け入れるにしても、どんなに放射性物質が頑張っても、
0.1%以上の癌の発生率の増加はあり得ません。
というか、0.00000001%の増加とかそんな話では、
被ばく以外の癌の発生要因に大きく影響されてしまうので、
どんなに頑張って科学的根拠として数字を出そうにも、
科学的には出しようがありません。
恐らく、著者の脳内で勝手に導き出した結論だと思われます。

また、「放射性物質」と「放射線」と「放射能」は全く違う事柄です。
にも関わらず、著者はあえてそれらを混同させて使っています。
これも、言葉には厳密であるべき科学者の姿勢としては問題があるでしょう。

2点、大きな瑕疵がありましたが、それでも、事故直後の発言内容に関しては、
事故直後の政府や東電の発表より、遥かに現実に近い内容の発言をしていました。
その点は、大いに評価されていいのではないでしょうか。

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