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向こう側の、ヨーコ
蔵書数: 1冊 貸出数: 0冊
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竜王図書館 <1012316715>
貸出可 / 1F棚18/913.6ヒ-モリ / / /913.6/マ/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-334-91215-4
13桁ISBN 978-4-334-91215-4
書名ヨミ ムコウガワ ノ ヨーコ
著者ヨミ マリ ユキコ
分類記号 913.6
価格 ¥1500
出版者ヨミ コウブンシャ
大きさ 20cm
ページ数 348p
抄録 独身生活を謳歌する陽子は、もうひとりの私、かわいそうなヨーコが出てくる夢をよく見る。一方、夫と子供の世話に追われる陽子は、愚痴ばかりの毎日。境遇の異なる2人の人生が絡み合い…。『小説宝石』連載に加筆し単行本化。
著者紹介 1964年宮崎県生まれ。多摩芸術学園映画科卒業。「孤虫症」でメフィスト賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「殺人鬼フジコの衝動」「人生相談。」など。
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コミカルな嫌らしさ
(2018/06/29)
あめんぼう/東温市立図書館
女流作家の陽子は夢を見る。
それは、もう一人の「ヨーコ」の夢。
陽子はその夢を「向こう側のヨーコ」と称して中学生の頃にスピーチした事がある。
「向こう側のヨーコ」は、パラレルワールドにいる、もう一人の自分。
両親が離婚せず、そのまま親のもと暮らしていた陽子と違い、ヨーコは親が離婚し、祖母に育てられ、志望した高校にも行けなかった。
ヨーコはその後も夢の中で成長し、現在は独身の陽子と違い、結婚して子供が一人いる。
陽子の話はA面。
ヨーコの話はB面。
としてストーリーは進む。
主人公陽子を中心として、彼女の中学時代からの友人、純子、久美子、真由美、中学時代の同級生でセレブで美人の裕子の話が入り交じりながらー。
作中、殺人事件も起こりながらー。
さらに、A面、B面とくっきり分かれていた話は徐々に境目が分からなくなり、やがて一つの線になっていく。

相変わらず、複雑な話になっている。
ヨーコが何人か、そして他にも似たような名前の人が登場し、読む人間が混乱し、勘違いするように伏線がいくつもはられている。
この話はどこに落ち着くのかーと思うも、それが結末には一つの線につながるんだからすごいと思う。
改めて全て読み終えた後に、物語の冒頭を読むと、もうここから既に読者を騙してるんだ・・・と感心した。

結末には無理を感じるも、思いがけないものだったし、何といってもいつもの如く、女性同士の嫌らしい感情がコミカルに描かれているのがいい。
こういう事、普通に思うよね・・・。
それを極端に、おかしみを加えて書いてるだけで・・・。
なんて思いながら読んでいるのが、結末どうこうよりも面白かった。

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