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コクーン
蔵書数: 1冊 貸出数: 0冊
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竜王図書館 <1012248454>
貸出可 / 1F棚17/913.6チ-ハ / / /913.6/ハ/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-334-91124-9
13桁ISBN 978-4-334-91124-9
書名ヨミ コクーン
著者ヨミ ハマナカ アキ
分類記号 913.6
価格 ¥1500
出版者ヨミ コウブンシャ
大きさ 20cm
ページ数 307p
抄録 1995年3月、カルト教団「シンラ」の信者たちが丸の内で無差別乱射事件を起こす。その宗教は、1958年ひとりの女が呪われた子を産む決意をした日に始まる…。狂った神のつくった<悪の世界>に挑む長編ミステリー。
著者紹介 1976年東京生まれ。2012年「ロスト・ケア」で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、ミステリー作家としてデビュー。ほかの著書に「絶叫」「ブラック・ドッグ」など。
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黄金の蝶の導き
(2018/09/13)
あめんぼう/東温市立図書館
コクーンとは繭という意味で、この本ではシンラという宗教団体の本部組織の名称という事になっている。
この物語はそのシンラに関係した人々の物語。
シンラの信徒に子供を殺された女性。
シンラの教祖が幼馴染の男性。
シンラの元信徒とその家族ー。
彼らの共通している事は黄金の蝶に導かれるということ。
黄金の蝶が導いた先にあるものとはー。

途中まではっきりとストーリーを把握していたけど、だんだん雲行きが怪しくなってきた。
それは登場人物たちが自分とは違う人物の夢を見る。
という設定が途中から加わったから。
それからはこれは誰の話なのか?
これは誰だっけ?
となってしまった。
そんな訳で読み終わって分かったような分からないような感じになったものの、それはそれで良かったと個人的に思う。
まるで私自身も夢を見ている中で読み終えたという感じになったし、作者が言いたい事は何となく伝わってきたから、それで十分かな・・・と思う。
とにかく、不思議な読後感の本だった。

登場人物を導く蝶というのは彼らを時空や人物を超えて体験させる。
その体験を通じて彼らは、もしあの時ああしていれば・・・、私なら・・・、と「if」を体験する。
そして、登場人物たちは見えない糸でつながっている。
これを読んで、ただ喫茶店で会っただけ、駅で見かけただけという人間が自分の人生に実は関わっているかもしれない。
そして、あの時、ああだったら、こうしていたら・・・というのも、結局は何か目に見えないものに操られている人間の妄想なのか・・・とも思える。

この本では近親相姦やレイプといった衝撃的な事が多々書かれているが、それらは読者の関心をひこうと奇をてらって書いたものでないというのははっきり分かる。
この本にそれらの描写は必要だし、だからこそ伝わってくるものがあった。
むしろ、淡々と、こなすように、静かにそれらを描写していると思う。

内容が内容だけに明るい話ではない。
だから、私がこの本を読み終えた直後に感じたのは見当はずれな感想だと思うけど・・・
私は結果が幸せならいいということか・・・と思った。
もし、そこに至るまでに様々な事があったにせよ、最終的に自分が納得して幸せだと感じられるなら・・・。
黄金の蝶という設定が鮮やかで魅力的で不思議な印象を強くしている本だった。

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