人間が地球に現れたときからの進化がわかりやすく面白かった。３つの革命による文明構築などとても興味深い話しが網羅されている。

齢70も過ぎると、雑多な知識は増えてきた。たとえば人類は最初アフリカの大地溝帯で生まれ、やがて地球上の五大陸にその生息域を広げて、いまや70億人になり、地球から零れ落ちんばかりになっているとか。しかし雑多な知識は、ちらばったごみのように広がるばかりで、それらの事象に隠れた脈絡や深い因果関係があることに気づかずにいたことを、この書によって知らされた。狩猟採集時代から農耕時代になり、生産力は高まったものの人の労働時間は却って増えることになったこと、農耕文化と共に始まった為政者の強権化により収奪がはじまり、もてあます富で為政者が壮大な墳墓などをつくったこと、近代の産業革命時代になりようやくその富を科学技術の開発にそそぐことでさらなる生産力の拡大につなぐ国が現れたことなど。目から鱗が何枚も落ちた。