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蹴りたい背中
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竜王図書館 <1010986022>
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竜王図書館 <1011373857>
貸出可 / 書庫一般書 / / /913.6/ワ/  / 帯出可
敷島図書館 <410571806>
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双葉図書館 <2810659116>
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南部公民館 <1011343249>
貸出可 / 開架 / / /913.6/ワ/  / 帯出可
詳細情報
ISBN 4-309-01570-0
書名ヨミ ケリタイ セナカ
著者ヨミ ワタヤ リサ
分類記号 913.6
価格 ¥1000
出版者ヨミ カワデ ショボウ シンシャ
大きさ 20cm
ページ数 140p
抄録 高校に入ったばかりの「にな川」と「ハツ」はクラスの余り者同士。やがてハツはあるアイドルに夢中のにな川の存在が気になってゆく。いびつな友情? 臆病な恋? 不器用さゆえに孤独な二人の関係を描く文芸賞受賞第一作。
著者紹介 1984年京都市生まれ。現在大学在学中。「インストール」で第38回文芸賞を受賞。
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「蹴りたい」気持ちが少しだけ、
(2015/08/17)
ブルーツ・リー/飯能市立図書館
主人公初美は「自分の事しか見えていない」女子高生。
自意識が強く、自分の殻の中に籠ってしまいがちで、
結果高校に入学以降、友達らしい友達ができず、孤立してしまっている。

そんなある日、クラスに同じように孤立している男子、
「にな川」と出会う。
にな川は「オリチャン」というモデルの「ファン」であり、
余りにも熱が高じ、常にオリチャンの事ばかり考えている結果、
初美とは違った意味で周りが見えず、孤立している。

初美は、にな川の言動に、自分より劣るものを見出し、
仲間意識や、同時に優越感を抱くようになったように感じる。
優越感は、次第にある気持ちに変化していく。
にな川の背中を「蹴りたい」という気持ちである。

「蹴りたい」
その感情は、時に恋愛のようでもあるが、
少なくとも本人は決してそれを認めない。
蹴りたい感情は、自分よりも孤独で、自分よりも劣る存在が居る。
という、自意識が満足される感情に近いように感じた。

にな川はオリチャンばかりを見、初美の事はオリチャンを見た女の子、
として扱い、いつも背中を向けてオリチャンの声を、姿を聞いていた。
そんな関係が、ラスト近く、転機を迎える。

背中を蹴りたい初美が、にな川の背中に足を当てる。
にな川がついに気づき、初美の足を見る。
それは、初美にとって、
「蹴りたい」
そんな乱暴な気持ちをも含む、
自分自身のそのままの姿。
にな川が、初めて本当の意味で初美を見た(と少なくとも初美は感じた)
蹴りたい気持ちをも含む、「自分」が見られていると感じた瞬間に、初美が吐いた息。
その息は、震える。

「蹴りたい」気持ちが少しだけ、「恋」に近づいていく。
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面白かった
(2023/11/30)
kei/時津町立図書館
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