一応シリーズ完結らしい。前の２作で登場する人物のエピソードも織り交ぜながら、香織と早苗の二人の青春ストーリが語られていく。この作者は女性ヒロインを描くのがうまいと、つくづく思っていたが、姫川シリーズとは違うタイプのヒロインで楽しく３部作が読めた。ヤングアダルトというジャンルにとらわれず、たくさんの人によんでほしい作品です。

　これもあっと言う間に読了しました。主人公二人の試合シーンは最小限ですが、これまでの主要な登場人物のエピソードがいくつも盛り込まれており、そのそれぞれが興味深く面白いです。もちろん作品自体も最高でした。  
　が、ここからは長くなります、これまでの誉田氏作品の中で唯一、人が死なない作品と聞いていたので、つまらないと勝手に想像し早くこのシリーズを読了したいと思っていました。しかし、図書館へ何度行っても見当たりませんでした、後日職員さんへ聞いたところ、「ティーンズ物です、一般の所へは置いてません。」との事、ティーンズ物と縁遠い本田氏の作品を武士道シリーズだけ違う所へ置くとはいかなるものか？と思いました。図書館の方針なのだと言われればそれまでですが。しかし、やはり一般の所へ置いた方がもっと皆さんへ読んでもらえると思います。  
　誉田哲也氏は執筆する上で常々それぞれの作品ついて時系列を細かく作成しながら作業をするらしいです、そうする事が他の作品でもそうですが、この武士道シリーズでも特に三作目ではエピソードとストーリーが緻密に上手に絡み合い、単なる続編に終わらせずに一作目から含め、三冊で約１，０００ページにおよぶ一つの大作として、今一番売れている作家の力量が窺える素晴らしい作品と考え、年齢に関係なく全ての方へお勧めしたい作品と思います。また、三冊目は一部ティーンにそぐわないエピソードも含まれてますが、特に感心した大事な話です。